RBFのYoiiがecforceとシステム連携、資金調達がスピーディーに
「Yoii Fuel」を運営する株式会社Yoii(読み方:ヨイ、本社:東京都渋谷区、以下「Yoii」または「同社」)は、株式会社SUPER STUDIO(本社:東京都目黒区、以下「SUPER STUDIO」)が提供する「ecforce」とのシステム提携を開始した。
ecforceの利便性も向上
レベニュー・ベースド・ファイナンスプラットフォーム「Yoii Fuel(ヨイフューエル)」を運営するYoiiは、SUPER STUDIOが提供するECプラットフォーム「ecforce」とのシステム提携を開始した。「Yoii Fuel」は、デットでもエクイティでもない新たな資金調達手段として、D2C企業やEC事業を運営する多くのスタートアップに利用されている。
これまで「ecforce」ユーザーは、「Yoii fuel」の利用に際して取引データを「ecforce」から抽出し、手作業で処理してから提出する必要があった。また、同社で受領したデータの加工・処理に負担がかかっていたという。今回のAPI連携により、「ecforce」から取引データが自動取得できるようになり、「ecforce」ユーザーの利便性が大幅に向上するとのことだ。それにより「Yoii fuel」は、より精度高く効率的に審査業務が可能になるとしている。
D2C/EC向けRBFプラットフォーム「Yoii Fuel」
同社が運営するRBFプラットフォーム「Yoii Fuel」は、多くのD2CやEC企業などが導入している。22年4月に正式版をリリースし、これまで数十社のスタートアップが活用。freeeをはじめとする財務データと連携するだけで、売上実績から将来発生する売上を予測できる。将来の売上を買い取る形で、いま必要な資金を提供しており、主に広告宣伝費やブリッジファイナンスを目的とした資金調達に活用されている。
支払い方法は「固定型」だ。売上の増減に関わらず毎月一定額の支払いが発生し、売上高が減少した月は、売上に対する支払いのインパクトが大きくなる。一方で売上高が増加した場合はその逆となる。同社は、毎月売上高が増加していくサブスクリプションビジネスを運営する企業や急成長中のスタートアップ等にとって、よりフィットしたサービスを目指しているとのことだ。
EC/D2Cスタートアップの資金調達に新たな道
D2C/EC事業者における資金調達は、デットファイナンス(金融機関からの借入による調達)またはエクイティファイナンス(株式による調達)によるものが主流だ。しかし、デットファイナンスは、一般的に担保にできる土地や設備などがあり、かつキャッシュフローが黒字である企業が受けやすいため、先行的にコスト(システム開発や顧客獲得に向けたマーケティング費用等)が掛かり、創業初期は赤字が続く傾向にあるD2C/EC事業者にとって敷居が高いのが実態だろう。
そのため、特に創業初期はエクイティファイナンスに頼らざるを得ない実情が散見されるが、希薄化が生じるため慎重になる起業家も少なくない。そうしたD2C/EC事業者が抱える課題を解決するために、まだ評価されていない企業価値を評価し柔軟な資金提供を行う方法として、レベニュー・ベースド・ファイナンス(RBF)が国内外で注目を集めている。
RBFは、将来発生する債権を譲渡することで、「いま必要な成長資金」を確保でき、希薄化が生じず個人保証や担保も不要なため、より気軽かつスピーディーに資金調達できる。これにより、EC事業を営むスタートアップはより手軽かつスピーディーに資金調達できるようになるのだ。
今回、レベニュー・ベースド・ファイナンスのYoiiがSUPER STUDIOが提供するECプラットフォーム「ecforce」とシステム連携したことにより、ecforceユーザーの利便性が向上し、資金調達がスピーディーになることでEC/D2Cをはじめとした多くの事業者のビジネス支援が加速することになりそうだ。