イオンのECマーケット「Green Beans」がオープン、ラストワンマイルやフルフィルも自社グループで運用

ECのミカタ編集部

イオンネクスト株式会社(本社:千葉市美浜区、代表取締役社長:バラット・ルパーニ、以下「イオンネクスト」または「同社」)は、顧客フルフィルメントセンターを物流拠点とするオンラインマーケット事業「Green Beans」の本格稼働を開始した。

東京都5区・千葉県3市でサービスイン

イオンネクストは2023年7月10日(月)、最先端のAI及びロボティクス機能を導入した日本初の顧客フルフィルメントセンター(以下「CFC」)を物流拠点とするオンラインマーケット事業「Green Beans(グリーンビーンズ)」の本格稼働を開始した。まずは、東京都5区および千葉県3市よりサービスが開始される。

同社によれば、イオン株式会社と提携した英国テクノロジー企業Ocado Group plc(本社:ロンドン、CEO:ティム・スタイナー)の子会社である英国Ocado Solutions(本社:ロンドン、CEO: ルーク・ジェンセン)と共に、最新デジタル技術と機能を活用した「画期的な買い物体験」を提供するとしている。

その上でAIとロボットを駆使した最先端のオペレーションとロジスティクス、パーソナライズされた快適なユーザーインターフェース、徹底されたコールドチェーンによる高い鮮度管理などにより、「これまでにないカスタマーエクスペリエンス」を実現するという。

またグリーンビーンズのECサイトには、顧客が商品選択の際に便利な機能が搭載されているという。具体的には、購入履歴に基づいて、約5万品目の品揃えからAIがおすすめ商品をワンクリックでかごに入れる「スマートカート」や定期購入設定した商品を、顧客の必要な頻度(週1回~2カ月に1回まで設定可能)に合わせて自動でカートインする「定期購入」機能がある。

その他、買い物の最後に商品をレコメンドによって買い忘れを防止する「チェックアウトウォーク」機能や、「お気に入り」「買い物リスト」などが用意されている。なお7月中にモバイルアプリのダウンロード開始を予定しているとのことだ。

Green Beansの概要

Green Beansの概要

同社がまとめるグリーンビーンズの概要は、次のようなものだ。グリーンビーンズは、先進テクノロジーで運営する大型の物流拠点からの宅配・配送サービスにより、顧客が買い物や家事に費やす時間を節約できるだけでなく、グリーンビーンズの商品やサービスを通じ、顧客が楽しく充実した時間を創り、暮らしを変えていくブランドだとしている。

◆ブランドコンセプト

「買い物を変える。毎日を変える。家事の時間をもっと楽しく充実した時間に変えていくこと。日本で増加を続ける共働き、子育て世代など、毎日を忙しく
過ごされている多くの人々を応援していきます」

◆ブランド名の由来

「イオンが目指すヘルス&ウエルネスを実現することを切に願う名称です。緑(グリーン)は、『新鮮さ』、『健康』、『再生』を意味し、『平和』、『環境配慮』や『豊かさ』を象徴します。ビーンズ(豆)は豊かさと幸せの象徴であり、栄養や変化を表現します。この2つのワードを組み合わせました」

◆販売する時期に最適な産地の選定

地域によって気候が異なるため、最適な産地の野菜を選ぶことがとても大切だ。よい鮮度がつづく野菜を届けるため、北から南まで全国に広がるグリーンビーンズ独自の農場ネットワークにより、「今こそおいしい産地」を選ぶ。さらに、収穫の際もおいしいものだけを選ぶ目利き基準を設け、鮮度よくおいしい野菜のみを選定する。

◆産地から玄関先まで、徹底した温度管理

葉物野菜などは、常温に置くと呼吸が活発となり水分蒸発とエネルギーの消耗により、萎れてしまう。萎れは収穫した段階から始まるからだ。グリーンビーンズでは、産地から倉庫までのリードタイムを可能な限り短縮し、配送時も低温を保った状態で運搬。到着後も外気の温度に触れる時間を最小限にとどめ、三つの温度帯管理を徹底した倉庫に保管する。配送時も温度管理された荷室をもつトラックでコールドチェーンを保ち、玄関口まで高い鮮度で届ける。

◆空気が通るパッケージ

野菜の特性に合わせ「呼吸するパッケージ」など、鮮度維持に最適なものを採用。「呼吸するパッケージ」はメーカーと仕様を徹底的に検証し、通常の市販品とは異なる特別仕様を採用している。

◆大容量パック

ボリューム満点の大容量パックは、常備食としてストックしたり、友達とシェアしたりするなどのメリットもある。使い勝手を重視した小分け大容量、買い得感を重視した業務用などを販売。配送なので、持ち帰りの負担を気にせず、気軽に注文できる。

◆日本各地の名産品

日本各地の名産品を自宅で購入できる。近所では手に入らない日本各地の名産品の中から、思いがけない商品を見つけられる。ご当地ならではの一品を自宅で堪能できる。

◆ミールキット

料理に必要な食材がセットになった便利な商品だ。忙しい日にさっと使える商品も豊富で、レシピと食材が一緒になったミールキットは時短につながる。社内でも試食モニタリングを行い、味の確認を経て商品化をしている。当日カットした肉のみに野菜をセットアップした肉の鮮度を重視した商品も揃えている。

◆冷凍食品

時間に余裕を持ちたいときに、簡単に調理できる冷凍食品もバリエーション豊かに用意。「今晩のおかずにもう一品ほしい」そんなときに食卓を彩ってくれる。弁当のメニューにも取り入れることができるので、常備しておきたいアイテムの一つだ。調理時間の短縮にもなるため、忙しい日の食事にも最適。鮮度がよい旬の魚をそのまま冷凍した刺身の提供など業界最大規模の約2,000品目の品揃えを予定している。

◆輸入食品

手軽に海外の食文化を体感できる輸入食品。本場の色鮮やかなソース、スパイスなど、豊富に用意している。手軽に海外気分が味わえる輸入食品が日々の暮らしのアクセントになり、いつもの食卓をさらに彩る。

◆医薬品やベビー用品・ペット用品

ついついストックを切らしてしまう医薬品や、消費の早いベビー用品、食事からケアまで幅広いペット用品も安全・安心な商品を豊富に取り揃える。医薬品は一類、ニ類、三類を取り扱う。

◆トップバリュ

イオンのプライベートブランドだ。トップバリュ商品は、食料品をはじめ、衣料品、住居余暇商品に至るまで幅広い商品を展開。顧客のライフスタイルやその日の気分にあった安全・安心な商品を届ける。

ラストワンマイルやフルフィルも自社グループ

ラストワンマイルやフルフィルも自社グループ

同社の誉田CFC(顧客フルフィルメントセンでは、最大約5万品目の商品の品揃えを誇るという。顧客が注文してから、商品が手元に届くまで、全て同一のプラットフォームで稼働するエンドツーエンドのシステムで全体を最適化して注文を管理。注文が入ると最大約1000台のロボットが秒速4mで移動し、生鮮食品や加工食品、日用品など最大約5万品目の商品の中から6分間で50個の商品をピッキングする。ピッキングもシステム化されており、商品がつぶれたり傷んだりしないよう重いものや固いものを先に、常温、冷蔵、冷凍の順番でピックアップするようプログラムされているとのことだ。

またグリーンビーンズでは、質の高いサービスを具現化するため、顧客の手元に届くラストワンマイルを自社で行うという。商品を届けるドライバーは、イオンネクストの子会社であるイオンネクストデリバリー株式会社が直接雇用するグリーンビーンズ専任だ。さらに効率的な配送ルートについて、道路の状況(交通量や時間帯)、ドライバーの休憩時間、1件毎の顧客の注文サイズや温度帯など、AIが1秒間で1400万通りを計算し、最適ルートを導くことで受注を最大化しているという。

このようにグリーンビーンズでは、オンラインマーケットならではの強みと独自AIを活かすことで豊富な品揃えを実現している。独自の高性能AIによって在庫数を徹底管理し、商品が品切れになるのを最小限に抑えているという。買いたいものが買えないというシチュエーションに出会うことなく、幅広いカテゴリーの商品からワンストップで快適な買い物を実現する。

生鮮品をはじめ、ミールキットや冷凍食品、大容量パック、日本各地の名産品や輸入食材、ベビー用品から医薬品やペット用品までバラエティに富んだ商品が用意される。商品選びや献立決めが楽しくなるよう熟練バイヤーがこだわりを持って取り揃えたとのことで、イオンによる新たなECマーケットの本気度が伺える内容となっている。


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