O2Oアプリ「楽天チェック」新たに関東のポプラに対応
「スマポ」運営のスポットライトが「楽天チェック」も
楽天は、対象店舗を訪れるだけで楽天スーパーポイントが付与されるスマートフォン用アプリ「楽天チェック」を、関東地方にあるコンビニエンスストアのポプラ13店舗で導入したと日本経済新聞が伝えている。ポプラは本社のある広島の店舗で導入してきたが、多くの利用客を見込める都内を中心に対象店舗を拡大していくようだ。
楽天チェックは、iPhone/Android対応のアプリケーションで、アプリ内に表示される店に向かい、指定エリアでチェックインボタンを押すだけで、楽天スーパーポイントが貯まるというものだ。全国1100か所を超える店舗で利用可能で、2014年4月よりサービスを開始している。
このアプリを開発、運営を行うのは、楽天のグループ会社である株式会社スポットライト。同社は同様の共通ポイント付与アプリ「スマポ」を2011年より運営しており、「楽天チェック」と同時展開を続けている。両サービス共に、スマホアプリを利用したリアル店舗への集客を目的としたO2Oサービスである。
近年、実証実験などが話題となっているO2Oサービスは、iPhoneのiBeaconやNFCなどの技術を利用したものが多いが、これらの技術を利用したサービスは対応可能な機種に限りがある。「楽天チェック」はほとんどのスマートフォンに対しサービスの提供が可能な、超音波方式を採用している点に注目したい。
対応機種が多い超音波方式
超音波方式は、発信機から発信された人間に聞き取ることのできない超音波をスマートフォンのマイクから取得することにより、店内など特定の範囲へのサービス提供が可能になるという仕組み。つまり、マイクを装備しているスマートフォンであれば、超音波方式のサービスを利用可能になるということだ。
受信精度やコスト面では、超音波方式よりもiBeaconのほうが優れていると言われているが、対応機種がiPhone4s以降の機種に限られる事や、対応アプリもまだこれからといった状況。「楽天チェック」の他、JR東日本アプリも超音波方式を採用している実績もあるように、より多くの人へのサービス提供のしやすさという点では、現状は超音波方式に軍配が上がるかもしれない。
どのような方式を採用するにしても、利用者の位置情報を活用するO2O施策を行う場合は、対応アプリのインストールと起動、店側はアプリと連動する機械(発生装置など)の導入が必要となる。
来店する利用者の多くが持っていそうな端末に対応したサービスで、利用者がアプリのインストールや起動を把握しており、信号や超音波の受信状態に問題ないかの調整が運用のポイントとなるだろう。特にそのサービスに対応していること、対応アプリのインストールと起動を促すためのコンタクトポイントを増やすことは非常に重要となる。
O2Oサービスは、オン・オフ共にそれぞれの領域を尊重し、良好なコンビネーションがあるほどに利用者への訴求度は増すと思われる。楽天の会員数約9千万人という莫大な顧客基盤に対し、どのようにポプラは「楽天チェック」とのコンビネーションを見せてくれるのか、今後の更なる対応店舗展開を含め、チェックしていきたい。
−山本一雄−