ALPS処理水放出開始に伴い中国は輸入禁止も 食べチョク、漁業者向けサポートを開始 

ECのミカタ編集部

2023年8月24日からALPS(多核種除去設備)処理水の放出が始まっている。これを受けて産直通販サイト「食べチョク」を運営する株式会社ビビッドガーデン(本社:東京都港区、代表取締役社長:秋元里奈)は、生産者と消費者間での持続的な関係構築のために、漁業者向けに支援を実施することを発表した。

風評被害について懸念の声

風評被害について懸念の声

2023年8月24日13時すぎに東京電力がALPS処理水の海洋放出を開始している。ALPS処理水とは、東京電力福島第一原子力発電所の建屋内にある放射性物質を含む水について、トリチウム以外の放射性物質を、安全基準を満たすまで浄化した水のこと(※1)。

近隣地域の漁業者からは風評被害に対する懸念の声が上がっているようだ。食べチョクはこの状況を受けて下記の支援を行う。

・優先審査や販促サポート
・売上影響が出た生産者への早期入金
・消費者向け調査の実施

食べチョクへの登録を希望する福島県の漁業者に対し、優先的に審査対応を行う。最短1日で出品可能となり、生産ページの作成や出品においても食べチョクスタッフがサポートしてくれるという。また売上が2割以上減少した出産者に対しては、売上の入金を1週間ほど早めるなど手厚い。

※1出典元:みんなで知ろう。考えよう。ALPS処理水のこと(経済産業省)

中国は日本産の水産物、輸入禁止も

経済産業省の特設サイトでは、ALPS処理水の海洋放出について「国際安全基準に合致し、人及び環境に対する放射線影響は無視できるほどであると、包括報告書で結論付けています」と記述されている(※2)。

しかし中国の税関総署は、同日に原産地を日本とする水産物(食用水生動物を含む)の輸入を全面的に停止すると発表しており、既に影響がでている状況だ(※3)。

国内の風評被害だけでなく、中国のように他地域へも今後影響を及ぼす可能性があるALPS処理水。岸田文雄内閣総理大臣は今回の件について「外交ルートで先ほど中国側に対して即時撤廃を求める申入れを行いました。海洋放出の影響について、科学的根拠に基づいて、専門家同士がしっかりと議論を行っていくよう、中国政府に強く働きかけてまいります。日本政府としては、風評被害を始め、水産事業者がALPS処理水の海洋放出によって損害を受けることがないよう、基金の活用や東京電力による賠償等も含め、万全の体制を採ってまいります」と述べている(※4)。

水産物を取り扱うEC事業者は特に今後注視していく必要があるだろう。ECのミカタでも引き続きALPS処理水の海洋放出に関する支援企業などの情報があれば引き続き取り上げていきたい。

※2出典元:IAEAがALPS処理水海洋放出の安全性を確認
※3出典元:中国、日本産水産物の輸入を全面停止(日本貿易振興機構)
※4出典元:ALPS処理水の海洋放出及びマイナンバー総点検等についての会見


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