電通と電通総研が「サステナブル・ライフスタイル意識調査2023」を実施 気候変動の影響は「食と水の安全」と「生活コスト」に集中
株式会社電通(以下:電通)は、dentsu Japanの組織である電通総研と、世界6カ国(日本、中国、フランス、ドイツ、インドネシア、タイ)、18~69歳の6000人(各国1000人)を対象に、「サステナブル・ライフスタイル意識調査2023」(以下:本調査)を実施した。本記事では調査内容の一部を抜粋して紹介する。
「食と水の安全」と「生活コスト」が気候変動の影響を強く受ける
調査対象とした世界6カ国で、「気候変動の影響を受けている」と考える人(「強く影響を受けている」「やや影響を受けている」の合計)が最も多かった事柄は、「食と水の安全」(84.2%)、そして「生活コスト」(84.0%)と続く結果に。
以降の「経済的安全保障」と「グローバル経済」より5ポイントも差をあけており、上記の2点が特に強く影響を受けていることが伺えるだろう。
日本国内において関心の高い社会課題に変化
最も関心が高い社会課題については、日本が「自然災害」、中国・インドネシア・タイは「大気汚染」、フランスは「食品廃棄」、ドイツは「海洋プラスチックごみ」という結果に。
日本では、前回調査(2021年)と比較して、「電力・エネルギー問題」「食糧自給率」「紛争・戦争」への関心が高まったことが伺える。
環境意識は日本が最も低い数値となる
2020年から2023年の「直近3年間でサステナビリティについて考える頻度が増えた」と回答した人(「とても増えた」「やや増えた」の合計)は、中国(84.1%)、インドネシア(81.5%)、タイ(80.9%)、フランス(66.9%)、ドイツ(64.0%)、日本(39.3%)の順に多い。日本では、「変わらない」(58.8%)と回答した人が最も多い。
また、「環境や社会に配慮した商品の選択肢が増えた」と考える人(「そう思う」「ややそう思う」の合計)は、調査対象とした世界6カ国で74.4%。国別では、中国(90.2%)、タイ(88.7%)、インドネシア(87.1%)、フランス(64.8%)、ドイツ(63.2%)、日本(52.5%)という順位となった。
各企業がSDGsなどの取り組みに注力している一方、まだまだ日本国内における環境意識の変化は鈍いことが伺える。サステナビリティへの配慮、商品の選択において、6カ国平均を大きく下回っている点は注視すべきだ。
社会課題についてもは昨今の情勢を背景に、「電力・エネルギー問題」や「紛争・戦争」が上位に上がる結果となったが、環境面に関する課題は他国と比較して低い傾向にある。持続可能な社会実現のためにも今後の意識、行動の変化が求められるだろう。
調査概要
◆目的:サステナビリティに関する意識や行動の変化について国別および過去調査との比較分析
◆対象国:6カ国(日本、中国、フランス、ドイツ、インドネシア、タイ)
◆対象者条件:18~69歳(性別回答選択肢「男性」「女性」「その他・答えたくない」)
◆サンプル数:6000(各国1000×6カ国)
◆調査手法:インターネット調査
◆調査期間:2023年7月12日~8月21日
◆調査機関:トルーナ・ジャパン株式会社