「宅配ボックスあり」物件の市況をLIFULL HOME'Sが調査 家賃が上昇するも約6割が「必須」条件に設定

ECのミカタ編集部

「物流2024年問題」対策の“置き配ポイント”で注目集まる『宅配ボックスあり』物件の市況をLIFULL HOME'Sが調査

株式会社LIFULL(以下:LIFULL)が運営する不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME'S」は、「宅配ボックスあり」物件の市況を調査し、結果を公表した。本記事では一部内容を抜粋して紹介する。

上昇する宅配ボックスニーズ

一都三県の賃貸マンション/アパートの中で「宅配ボックスあり」の物件割合を月毎に調べたところ、2023年3月以降緩やかに増加し、2023年9月には直近一年で最高となる41.1%となった。

コロナ禍におけるネット購入・非対面受け取りの需要増で爆発的に普及が進んだ宅配ボックスだが、企業の出社回帰といった影響により引き続き普及が進んでいることが分かる。

また、物件を探す際に、「宅配ボックスあり」が「必須」と選択したユーザーは、直近で6割近くにものぼることが判明した。

現在の「宅配ボックスあり」物件の割合は4割程度だったのに対し、「必須」としている人は6割近く、ニーズに対して供給はまだ足りていないということがいえるだろう。

宅配ボックスの経済効果が高まることが見込まれる

LIFULL HOME'S総研チーフアナリスト中山登志朗氏は、今回の調査を受け以下のようにコメントしている。

「今回LIFULL HOME'Sでは、宅配ボックスが設置されている賃貸マンション・アパートがどれくらい掲載されているのか、そのシェアの変化を初めて調査したところ、時流を反映して直近41.1%まで拡大していることが明らかになりました。(中略)物流2024年問題への緊急対策として置き配ポイントが付与されることになり、これを契機として宅配ボックスの経済効果が高まることが見込まれるため、今後は分譲/賃貸、戸建て/マンション・アパートの別なく、安全に荷物を受け取ることができる宅配ボックスへのニーズがさらに高まることが確実視されています」。

宅配ボックスの需要と供給バランスを整える必要性

物流業界の人手不足が懸念されるなか、荷物の再配達を減らすために「置き配」にポイントを付与する緊急対策を10月6日に政府が発表した。マンションなどの場合、入口がオートロックになっていることも多く、不在時には場所の指定に悩むことも少なくない。

そういったケースにおける対策として「宅配ボックス」があげられる。そして、今回の調査によって宅配ボックスは宅配業者だけではなく、受け取り側からの需要も高いことが判明したといえるだろう。

一方で、一都三県における宅配ボックスの有無における家賃相場は、宅配ボックス有りの場合月額で13000円程度家賃が上昇する傾向にあるという。しかしながら、これから実施される置き配のポイント還元や再配達を依頼する手間、配達時間に在宅していなければという心理的負荷を鑑みれば今後も「宅配ボックスあり」物件の人気は続くと思われる。需要と供給のバランスを整えるためにも、物件側の対応も今後求められていくはずだ。


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