東京商工リサーチが2023年1月以降に価格改定される商品を調査 値上げ理由の9割以上が「原材料」の高騰と回答

ECのミカタ編集部

“円安値上げ”の割合が拡大 値上げメーカーの53.8%を占める

東京商工リサーチ(以下:TSR)は国内の主要飲食料品メーカー200社を対象に、2023年1月以降に価格改定(値上げ)される商品を調査した。

原材料高騰による値上げがトップ

200社のうち、2023年1月以降の出荷・納品分の値上げ(見込みを含む)を公表したのは167社(構成比83.5%)で、対象商品は2023年分が3万1848品、2024年分も476品に達する。

2023年の値上げ対象の3万1848品の理由別は以下のとおり。

◆「原材料」が2万9684品(構成比93.2%)
◆「資源・燃料」が2万6165品(同82.1%)
◆「物流」2万1095品(同66.2%)

円安が長期化する為替の影響は日毎に強くなっている。「為替」の10月の構成比は12.6%と9月(12.3%)から0.3ポイント上昇。今後の動向次第では、さらに「為替」影響の値上げが増加する可能性が高い。

円安を主要因にした値上げが目立つ

海外からの調達コスト上昇(飼料含む)や、円安を主要因にした値上げが8月以降目立つ。

公表月別の値上げ品目数と社数の割合は、品目数・社数ともに30%未満で推移していたが、8月以降上昇し、10月は品目で44.8%と4割を超え、社数も53.8%と最高を更新した。

ドル円相場は、8月中旬に1ドル=145円台を付け、9月下旬には同149円、10月初旬には同150円台に突入。飲食料品も、国内での原材料調達や物流コスト以上に、海外からのコスト高を要因とした値上げの割合が高まっている。

輸入原料に関連する調味料の値上げが目立つ

2023年値上げ分の3万1848品の分類別は以下の通り。

◆調味料(9327品、構成比29.2%)
◆加工食品(7955品、構成比24.9%)
◆飲料・酒(5760品、構成比18%)

調味料は、ドレッシングや業務用スープ類に加え、輸入原料に頼るごまに関連する調味料や中華調味料、香辛料などが目立つ。また、漬物やかまぼこ類など食卓に身近な商材に加え、冬に最需要期を迎える中華まんも販売大手で値上げを公表している。

さらなる値上げも想定される状況

海外からの調達コスト(飼料含む)や為替の円安を主要因とした値上げは、8月以降高まっており、10月に値上げが公表された13社・453品中、社数では53.8%に当たる7社、品目数は44.8%に当たる203品が為替、または原材料輸入のコスト高を主要因にあげている。

昨今の国際情勢を鑑みると、今後はエネルギー価格の上昇も懸念されるだろう。こういった状況を背景に、輸入品を中心とした商品は今冬に向けて、さらなる価格転嫁を迫られるかもしれない。

今後も国内消費者にとっては厳しい流れが続くことが想定される。再び大きな値上げの波が起きる可能性もあるため、早急に様々な角度からの対策が求められるだろう。


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