「SNSから見る訪日台湾人の特徴」2023年の最新調査レポート 個人旅行受け入れ後、日本観光に関するSNS投稿は8倍に
iKala Japan株式会社(以下:iKala)が、台湾のSNSから見る訪日台湾人の特徴に関する調査レポートを公開した。本記事では一部内容を抜粋して紹介する。
調査概要
「KOL Radar」は、独⾃のキーワードクローラー技術を駆使して、2022年1⽉〜2023年9⽉の間に⽇本の地名や観光地、季節関連ワードに⾔及した台湾インフルエンサーのSNS投稿を収集した。そのデータから投稿の表⽰回数、再⽣回数、コメント、いいね、シェアなどの回数に基づき、各キーワードの台湾のSNS上における影響⼒を独⾃に算出し数値化している。
◆調査方法:KOL RadarによるインフルエンサーのSNS投稿分析
◆投稿調査期間:2022年1月1日〜2023年9月30日
◆対象SNS:Facebook、YouTube、Instagram
◆対象インフルエンサー数:25万人
◆収集投稿数:7.5万件以上
日本観光に関するSNS投稿が急激に増加
2022年10⽉に⽇本政府が個⼈旅⾏の受け入れを再開後、台湾インフルエンサーによる⽇本観光に関する投稿数が急激に増加。SNS投稿数は2023年9⽉の時点で、2022年1⽉と比較して8倍にまで伸長しており、Instagramでの投稿が全体の約70%を占めている。
各SNSで注目される地名が異なる
また、影響⼒の⾼い⽇本の観光地について、Facebook、Instagram、YouTubeの3つで比較したところ、以下のようなキーワードが目立つ結果に。
Facebookでは東北や北海道の地名や観光地が多く上位に入り、Instagramでは関東や関西の定番観光スポットが並ぶ。一方、YouTubeでは難波、渋⾕、新宿、銀座など買い物に関連する地名が目立つ結果となった。
日本とSNSの使用割合が異なる点に注意が必要
台湾はSNSの使⽤率は全体的に⽇本よりも⾼い傾向にある。特にFacebookの使⽤率は85.3%と多くの人が試用しており、24.8%の日本と⼤きな差がある。
SNSを通じたインバウンド施策を行う場合、⽇本とはプラットフォームごとの使⽤率が⼤きく異なる点に留意する必要があるだろう。
各SNSの特性を理解した訴求が求められる
台湾のSNS上で影響⼒の⾼い都道府県TOP10については、3つのSNSで共通して、東京・大阪の影響力が高く、Instagramでは他の2つのSNSよりも京都の影響⼒がより⼤きいことが明らかにになった。
京都では定番の観光スポットが多いだけでなく、着物を着用して古都の街並みを散策することもできることから、「映え」要素が多いとしてInstagramに人気が集まると考えられる。
また、日本の季節ワードについてFacebookとYouTubeでは、台湾では降らない「雪」への注目が高い一方、Instagramでは「桜」が最も大きくなった。これらの結果は視覚効果を重視するInstagramユーザーの特性を的確に表した結果だといえるだろう。
本調査は台湾顧客を相手にしたSNS施策検討に大きく役立つはずだ。日本国内の感覚とは異なり、それぞれのSNSの利用率やユーザ層が異なる点に注意しなければならない。気軽に世界中へ魅力発信できるSNSは、今後より一層無くてはならない存在として重視されるだろう。