楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー2023 ヤマダ電機がグランプリ獲得 57,000店舗のなかでトップを走り続けることの難しさ

田中凌平

2024年1月24日(水)、グランドプリンスホテル新高輪「飛天の間」にて「楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー2023」が発表された。今回1位になったのはヤマダ電機 楽天市場店で、その他151事業者が表彰された。

「ヤマダ電機 楽天市場店」が総合グランプリ獲得

「楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー」は、「楽天市場」に出店する全国約57,000店舗の中から、ユーザーによる人気投票および店舗の売り上げなどを総合的に評価し、年間ベストショップを選出するもので、今回で26回目を迎える。

「楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー2023」では、総合賞10店舗、ジャンル賞124店舗(42ジャンル)、サービス賞21店舗、特別賞11店舗の計166店舗が受賞し、電化製品を販売する「ヤマダ電機 楽天市場店」が総合グランプリを獲得した。

受賞したショップは全体の0.84%、大賞に選ばれたのは0.08%、トップ10に入ったのは0.02%と狭き門だ。なお、新規受賞した店舗は44店舗となった。

2023年は外部環境が大きく影響した年

2023年はアフターコロナへの移行、さらに円安・物価高騰などもあり、EC業界が外部環境の変化で大きな転換期を迎えた年といえる。そのなかでショップは工夫を凝らして、お客様のためになるサービスを考え、売上を作らなくてはならない。

実際に2022年から引き続き総合賞を受賞した店舗は「SuperSportsXEBIO楽天市場支店」「サプリ専門SHOP シードコムス」「野球用品ベースボールタウン」の3店舗のみだ。2021年から2022年にかけては4店舗のみが連続で総合賞を受賞したことから、各ショップは常に試行錯誤を繰り返す必要があるだろう。

総合賞受賞店舗一覧

「楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー2023」において総合賞を受賞した10店舗は、以下の通りだ。

◆総合グランプリ: 「ヤマダ電機 楽天市場店」

受賞コメント「35年前、私が神戸市垂水区の電気屋で商売の修行をしているとき、おかみさんから『店にある商品はいつかお客様の手に渡る物、すべての商品はお客様からの預かり物だから、丁寧に大切に扱おう』と言われました。これが私が小売業者としてのスタートの言葉であり、そして今のスタッフに伝え続けている言葉です。私自身がこの言葉をどこまで理解できているか分からないときもありますが、しっかりと地に足をつけてやってくれたスタッフたちがいたからこそ、応援してくださった皆様がいてくれたからこそ、このような名誉をいただけたと思います。本当にありがとうございました」

◆総合賞2位: 「SuperSportsXEBIO楽天市場支店」

受賞コメント「日頃からご愛顧いただいているお客様、頑張ってくれているスタッフのみんなのおかげだと思っています。私が担当した5年前は総合賞を取れるとは思っていなかった売上でしたが、1日1日小さいことや細かなことを積み重ねて、日々を繰り返した結果、この賞を取れたのかと思っています。まだまだよりよいサービスをお客様に提供できると思っていますので、これからも努力していきます」

◆総合賞3位: 「サプリ専門SHOP シードコムス」

受賞コメント「めちゃくちゃうれしいです!今『サプリ専門SHOP シードコムス』はリブランディングしているところで、ロゴも変えました。なぜお客様に支持されているのかを深く感じさせていただける1年でした。これから、もっとそれを表現できるように、3位より上を目指して頑張っていきます!」

◆総合賞4位: 「Z-CRAFT」

◆総合賞5位: 「アットコンタクト」

◆総合賞6位: 「リカーBOSS 楽天市場店」

◆総合賞7位: 「FANCL公式ショップ 楽天市場店」

◆総合賞8位: 「アースコンタクト」

◆総合賞9位: 「野球用品ベースボールタウン」

◆総合賞10位: 「ソムリエ@ギフト」

※店舗名称は2024年1月24日(水)時点

2022年から引き続き総合賞を受賞した「野球用品ベースボールタウン」は1つ順位を上げ「サプリ専門SHOP シードコムス」は3位を維持し、「SuperSportsXEBIO楽天市場支店」は2つ順位を上げた。実は、グランプリを受賞した「ヤマダ電機 楽天市場店」は2022年の総合賞を受賞していない。どのような施策があったのか非常に気になるところだが、いずれにしても大きな飛躍を遂げたといえる。

ジャンル、サービスに応じた賞も

「楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー2023」では総合賞の他にも、ジャンルやサービスに応じたショップに対しても賞が送られ、合計151店舗が受賞(複数受賞あり)した。

◆ジャンル賞:124店舗
レディースファッション、ベビー・マタニティ、肉・野菜・フルーツ、スイーツ、家具・収納、ペットフード・ペット用品、コスメ・香水、生活家電、アウトドア・レジャー、などのジャンル賞

◆サービス賞:21店舗
ラ・クーポン賞、あす楽賞、リユース賞、定期購入賞、ギフト賞、ROOM賞、ショッピングチャンネル賞、スーパーDEAL賞

◆特別賞:11店舗
新人賞、ベスト投票賞、サステナビリティ賞、ふるさと納税賞、NATIONS賞

全ジャンルにおいて2年以上連続で大賞を受賞したショップに送られる「ダブルイヤー賞」を受賞したのは10店舗。2021年が20店舗、2022年が14店舗だったことから、各ジャンルにおいてトップを走り続けることは難しくなっている。

その中でも「ソムリエ@ギフト」は「あす楽賞」「ギフト賞」「ジャンル賞(百貨店・総合通販)」「総合賞(10位)」の最多4部門の賞を獲得した。

受賞発表時には歓喜の店舗から涙を流す店舗まであり、EC事業者の日々の努力が報われる日となった。また、途中では楽天の担当ECコンサルタントからの手紙を各ショップは受け取り、お互いに感謝を伝え合う瞬間も見られた。

2024年も大きく順位が入れ替わる可能性がある。それぞれのショップは環境の変化に適応し、お客様が満足できるサービスを提供し続けることが必要だ。


記者プロフィール

田中凌平

フリーライター。東京都生まれ。ラグジュアリーブランドでの接客経験を活かし、話し手に寄り添ったインタビューが得意。上場企業の経営層から個人まで幅広く対応。ジャンルを問わずSEO記事やコラムも執筆し、取材記事を含めてこれまで300本以上の記事を執筆。

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