2023年の総広告費は過去最高の7兆3167億円に インターネット広告費が全体の成長を後押しする

ECのミカタ編集部

2023年 日本の広告費

株式会社電通(以下:電通)は2024年2月27日、日本の総広告費と媒体別・業種別広告費を推定した「2023年日本の広告費」を発表した。本記事では一部内容を抜粋して紹介する。

総広告費、インターネット広告費共に過去最高を更新

2023年の総広告費は、通年で7兆3167億円(前年比:103.0%)となり、1947年の推定開始以降、前年に続き過去最高を更新。新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行に伴うリアルイベントの開催数増加や国内外の観光・旅行の活性化などにより回復がみられた。

インターネット広告費は、3兆3330億円(前年比:107.8%)と過去最高を更新し、前年より2418億円増加した。デジタル化を背景に増加傾向が続くインターネット広告費や人流の活発化に伴って増加した「イベント・展示・映像ほか」など、プロモーションメディア広告費が全体の成長に貢献。また、コネクテッドTV(※1)の利用拡大に伴う動画広告需要の高まり、デジタルプロモーション市場の拡大などが成長に繋がった。

◆出典:電通「2023年日本の広告費」

「インターネット広告費」が広告市場全体の成長を後押し

総広告費における「インターネット広告費」は堅調に伸長し、総広告費に占める構成比は45.5%に達した。内訳については以下の通り。

◆インターネット広告媒体費:2兆6870億円(前年比:108.3%)
◆テレビメディア関連動画広告費:443億円(前年比:126.6%)
◆物販系ECプラットフォーム広告費(※1):2101億円(前値比:110.1%)
◆インターネット広告制作費:4359億円(前年比:103.7%)


「物販系ECプラットフォーム広告費」はECでの購買が消費者の中で定着したことで、前年に続き二桁成長。一方、コロナ禍で活性化したEC需要が徐々に落ち着き、主に巣ごもり特需として伸長した家電やインテリアなどの業種は低調となった。

「インターネット広告費」は「マスコミ四媒体広告費(新聞、雑誌、ラジオ、テレビ)」の2兆3161億円(前年比:96.6%)を大きく上回り、広告市場全体の成長を後押しすることになった。

※1:生活家電・雑貨、書籍、衣類、事務用品などの物品販売を行うECプラットフォーム上において、当該プラットフォームへ出店を行っている事業者が当該プラットフォーム内に投下した広告費と定義

コロナ禍以前の水準を超え、さらなる成長段階へ

「インターネット広告費」の伸長は、動画サービスの利用者数増加も大きな要因だ。また、企業の販売促進活動におけるデジタル活用が進み、デジタル販促も伸長した。

2021年~2023年の媒体別広告費では「インターネット広告費」を除く広告費はほぼ横ばい、もしくは緩やかな減少が続く。

◆出典:電通「2023年日本の広告費」

新聞、雑誌、ラジオ、テレビといった媒体もデジタルへと進出し、徐々にその割合を高めつつある。こうした状況からも、今後ますます「インターネット広告」の伸長は続くことが想定されるだろう。

総広告費全体としてはコロナ禍以前の水準を超え、さらなる成長段階へと入った。「インターネット広告」の伸長により、2024年もさらなる発展が期待されるだろう。今度の動向に注目したい。


記者プロフィール

ECのミカタ編集部

ECのミカタ編集部。
素敵なJ-POP流れるオフィスにタイピング音をひたすら響かせる。
日々、EC業界に貢献すべく勉強と努力を惜しまないアツいライターや記者が集う場所。

ECのミカタ編集部 の執筆記事