マツキヨココカラは「Drug Store 2.0」目指す ビューティのデジタルサービスや新メンズPBなど新施策
株式会社マツキヨココカラ&カンパニー(本社:東京都文京区、代表取締役社長:松本清雄)は、2024年2月にデジタルを活用したパーソナルサービス「マツキヨココカラB」をスタートし、同4月1日には新ブランド「KNOWLEDGE(ナレッジ)」の販売を開始する。グループ初のメンズスキンケア・ヘアケアプライベートブランドである「KNOWLEDGE」の発表会でも言及された、同社が目指す「Drug Store 2.0」とは?
男性スキンケア・ヘアケア市場に新PBを投入
全国で3400店舗超のドラッグストア・調剤薬局を展開する株式会社マツキヨココカラ&カンパニー(以下:マツキヨココカラ)は、2月末にビューティに関するデジタルサービス「マツキヨココカラB」をスタートし、化粧品メーカーのマンダムと共同開発したメンズ向け新プライベートブランド(PB)「KNOWLEDGE(ナレッジ)」を立ち上げるなど、新たな施策を進めている。
まず「KNOWLEDGE」は、男性のスキンケア市場伸長を背景に、マツキヨココカラの1億4000万を超える顧客接点から得られるデータなどを活用した分析力と、男性の肌や髪を長年研究するマンダムの技術力を合わせることで誕生した新プライベートブランド。主に20~30代の男性に向けたブランドとして、全国のマツモトキヨシグループ、ココカラファイングループの店舗(一部店舗を除く)と自社オンラインストアで2024年4月1日から販売開始となる。
発売に先立ち、2月26日には「KNOWLEDGE」の発表会を開催。マツキヨココカラの代表取締役専務 松本貴志氏をはじめ、俳優の白洲迅、お笑いトリオのぱーてぃーちゃんらが登場し、商品紹介に加えてスキンケアや「KNOWLEDGE」に関するトーク&クイズセッションも行われた。
デジタル活用でECと実店舗をつなぐ「マツキヨココカラB」
一方、2月28日から開始している「マツキヨココカラB」は、デジタルを活用したビューティ部門のパーソナルサービスで、公式ECサイト・アプリから利用できるデジタルコンテンツと、店舗でのカウンセリングに活用できるオンラインの顧客台帳(顧客自身が確認可能)が用意される。
デジタルコンテンツ「B Makeup+」はマツキヨココカラで扱うメイク商品をバーチャルで試せるサービス。同じく「B Skincare+」「B Haircare+」は、画像診断と設問回答で肌や髪の状態を測定し、測定結果をもとにアイテムを提案するサービス。3つとも、2024年上旬に同社ECサイトやアプリと連携して利用履歴をマイページで確認したりECサイトからショッピングも可能になる予定であることが発表されている(※1)。
顧客体験を共通化する「Drug Store 2.0」を目指す
1990年代からPB商品の開発を行ってきた同グループでは、現在「matsukiyo」「matsukiyo LAB」、そして今回の「KNOWLEDGE」のように高品質・高付加価値にこだわり特定カテゴリーに特化して開発した「独立型ブランド」の3タイプのPBを展開し、商品数は約1900SKUに拡充。また3月1日には「マツモトキヨシ」のブランド価値が「Best Japan Brands 2024」(※2)においてドラッグストアでトップとなる第74位にランクインし、ブランド価値成長率が前年比で約10%増となったことも発表している。
そのマツキヨココカラが掲げるのが、実店舗とアプリ・Webなどにおける“顧客体験を共通化するためのプラットフォーム構想”=「Drug Store 2.0」だ。マツキヨココカラでは2023年から、自社オンラインストアでの注文された対象商品を近くの店舗から購入者の自宅などに届ける配送サービス「マツキヨココカラQ(キュー)」を本稼働しており(※3)、「KNOWLEDGE」の発表会では松本氏が「マツキヨココカラB」「マツキヨココカラQ」も同社が目指す「Drug Store 2.0」の一つであると語っている。
また同社の担当者によれば、「KNOWLEDGE」などのメンズスキンケア用品においてもECとリアル店舗で別々に施策を考えることはなく、どちらで購入するかは顧客が利便性によって使い分けるものと捉えている、とのこと。そのために「ECとリアル店舗がシームレスになり、双方で同じ顧客体験を提供できるようなプラットフォームの構築を推進していく」という。
ドラッグストア業界は、2月にイオングループ株式会社および株式会社ウエルシアホールディングスと、株式会社ツルハホールディングスの経営統合協議開始が発表されるなど、大きな動きを見せている。3400超の店舗とデジタルを活用したサービスで「Drug Store 2.0」を目指すマツキヨココカラの“次なる一手”を、引き続き注視していきたい。