ネット通販での購入製品の98%で不適正な表示・広告 東京都の健康食品試買調査

ECのミカタ編集部

令和5年度健康食品試買調査結果 都が購入した健康食品の84%に不適正な表示、広告を発見

東京都では、健康食品による健康被害を未然に防止するため、法令違反の可能性が高いと思われる健康食品を販売店やインターネット通信販売などで購入し、調査を実施している。本記事では令和5年度の調査結果について、一部内容を抜粋して紹介する。

調査概要

◆実施機関:2023年5月〜2024年3月
◆調査製品:法令違反の可能性が高いと思われる製品
◆製品詳細:健康食品売場等の販売店で44製品、インターネット等の通信販売で81製品

◆出典元:令和5年度健康食品試買調査結果(東京都)

健康食品の84%に不適正な表示、広告が見られた

本調査の結果、都が購入した健康食品の84%(125製品中105製品)に不適正な表示、広告が見られた。主な内容としては、健康食品の不適正な表示、広告として「感染症予防」「脳を若返らせる」など医薬品的な効能効果の標ぼうや根拠がない表示等があったという。

インターネット等の通信販売で高い傾向

販売店、インターネット等の通信販売それぞれでの購入については、以下の通りの結果となった。

◆販売店:違反等製品数26(59%)
◆インターネット等の通信販売:違反等製品数79(98%)


それぞれの違反等製品は「いずれかの法令に違反または違反の疑いがある製品数」である。割合としてはインターネットが非常に高く、9割以上の製品が対象になっていることが判明した。

事業者は表示方法に細心の注意を

製品についての不適正な表示・広告の事例は以下の通りとなる。

◆著しく事実に相違する又は人を誤認させるおそれのある表示
「体にとって大切なビタミンやミネラルの合成を助け、消化や血液循環を促す働きがあります」「消化力が弱く、肌トラブルも多かったが、3日ほどで便通が良くなり、腸内がピッカピカになった感じがしました」等

◆優良誤認に該当するおそれのある表示
「髪が生まれ変わったように自己再生」「活性成分が腸へ働きかける」「口コミ評価第1位」「顧客満足度第2位」等

◆医薬品として承認を得たものではないにもかかわらず、医薬品的効能効果を標ぼうしていた
「胃炎の改善」「PMS症候群」「更年期障害にも効果的」「高血圧予防」「高脂血症予防」「感染症予防」「歯周病予防」「花粉症」「抗炎症」「抗不安」「抗うつ」等

また本調査では「無承認医薬品」も3製品発見されたという。顧客が口にする商品であるからこそ、事業者は細心の注意を払う必要があるだろう。今回不適切な表示、広告を行った事業者に対しては、改善指導等が行われている。誤解のない広告表示を心がけ、顧客からの信頼獲得に努める必要があるだろう。


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