Shopeeで商品が売れない?その原因と「売れるもの」を解説
Shopeeは、シンガポール発の東南アジア最大級のECプラットフォームです。日本語でのサポートが受けられることや海外に在庫を抱えずに販売を始められることから、東南アジアへの販路を獲得したい事業者におすすめのECモールです。
とはいえ、Shopeeに出品すれば誰でもすぐに利益が出るわけではありません。越境ECの注意点やShopeeならではの出品のコツ・販促方法を考慮した上で運営する必要があります。
今回は「Shopeeに出品したものの商品が売れない…」という方に向け、商品が売れない原因やShopeeの売れ筋商品、売れるためのポイントについて解説します。ぜひ最後までご覧ください。
Shopeeとは
2015年にシンガポールで設立されたECマーケットプレイスのShopeeは、東南アジア・中南米の11ヵ国に展開しています。日本からの出店も可能で、シンガポール、台湾、タイ、マレーシア、フィリピンの5ヵ国へ販売できます。今後は、ベトナム、ブラジルへのマーケットが開かれる予定とのことです。(2024年3月時点)
プレオーダーの形式で無在庫販売ができる点、初期費用・出店維持費が0円である点、日本語サポートが受けられる点など、越境ECが初めての方でも始めやすいさまざまなサポート体制が整っています。
参考:About Shopee|Shopee Japan
Shopeeで商品が売れない原因
越境ECが始めやすいShopeeですが、海外市場を十分に理解できていなかったり、Shopeeの特性やプロモーションを生かして運営ができていなかったりするとうまくいきません。
ここでは、Shopeeで商品が売れない場合に考えられる原因を紹介します。
商品ページのアクセス数が少ない
Shopeeは、Amazonや楽天市場と同じように複数店舗が出店するECプラットフォームのため出品数も多く、ほかの商品に埋もれて、自社商品を見つけてもらえない可能性があります。
商品が売れないと感じた際は、目標販売数から逆算して十分なアクセス数を獲得できているかを確認しましょう。
アクセス数が少ない場合は、商品タイトルを最適化することで検索によるヒットを狙う、または広告を活用して露出を増やすなどの対策が必要です。
また、市場のニーズに適しているかも検討すべきポイントです。
そもそもあまり需要がない商品であれば、商品を求める人が少ないため、アプローチできる範囲が限られてしまいます。人気のカテゴリーや売れ筋商品をリサーチしてニーズを確認しましょう。
商品・ストアの魅力が伝えられていない
アクセス数が十分に確保できているにもかかわらず、商品の売れ行きが良くない場合、商品やストアの魅力をうまく発信できておらず、お客様を逃してしまっている可能性があります。
海外のECショップはテキストよりも画像を多用する傾向があるため、商品の魅力やストアの世界観・コンセプトなどは画像で訴求できるとよいでしょう。
また、Shopeeは5商品以上の出品でストアを開設できますが、品揃えの豊富さもストアの魅力に影響します。Shopee公式でも30商品以上の出品が推奨されているため、出品数を増やしてストアを充実させることも大切です。
参考:商品ページにおける更なる工夫 | Shopee JP Seller Education Hub
価格設定が適切でない
日本国内で売れ行きが良い商品でも、海外市場では売れないことがあります。日本では低価格帯と思われる商品でも海外では「高い」と感じられるのはよくあることです。
国ごとに物価が異なるため、Shopee内で競合商品の価格を確認し、価格設定が適切かを見極めましょう。
ただし、東南アジアの経済成長は著しく、シンガポールの1人当たりGDP(2022年度IMF統計データ)は日本を上回っています。そのため、ただ安くすればよいというわけではなく、国ごとに合わせた価格設定をおこなうことが求められます。
参考:世界の1人当たり名目GDP 国別ランキング・推移(IMF)|GLOBAL NOTE
Shopeeの評判は?本当に売れない?
ここでは、実際にShopeeでEC運営をしている人の評判をもとに、売れない原因はどこにあるのかを追求していきます。
良い評判
まずは、Shopeeに関する良い評判です。実際にShopeeでサイト運営をしているユーザーからは、次のような声が挙がっています。
- Shopeeでは、初期費用・出店維持費がかからないので出店者側のリスクが少ないことが魅力。
- Shopeeで在庫を抱えずに販売することで、5年以上利益が出続けている。
- 広告機能Shopee Ads(ショッピーアズ)を活用してストアへの集客・コンバージョン率を改善できた。
出店に関する手数料がないため参入しやすいことや、海外に在庫を置かずに販売できることがメリットとして挙げられています。
また、Shopee独自の広告機能を活用することで、商品ページの閲覧数や購買率を高めることに成功しているという声もあります。
悪い評判
次にShopeeに対するマイナスな意見を紹介します。
- 商品到着まで時間がかかることや文化の違いもあり、注文キャンセルが多い印象がある。
- セール時に広告を運用したが、成果が出ずに予算消化してしまった。
海外発送のタイムラグや文化の違いによりキャンセルが発生するという、越境ECならではの声がみられました。無在庫販売の場合は、商品を手配する時間が発生するため、商品を準備したにもかかわらずキャンセルされてしまった、ということも起こりえます。
また、広告を配信したにもかかわらず、購入につながらなかったケースもあったようです。
Shopeeには、独自の広告機能があり、うまく活用すれば商品や店舗の露出拡大、売上のアップが期待できるでしょう。
とはいえ、マーケティング経験のない方からすると、投下する予算やキーワード選定など運用面で不安な点が出てくるはずです。
成果を出すには、Shopeeの特徴を把握したうえで、商材に合ったプロモーションを進めていくことが求められるため、Shopee運営経験者や専門知識を持つ方にサポートしてもらうと安心です。
Shopeeで売れるもの(売れ筋商品)とは
日本で人気のあるトレンド商品でも、海外で同じように売れるとは限りません。
Shopeeではマーケットごとに何が売れているのか、公式サイトで発信しています。
ここでは、各国共通で人気のあるカテゴリーを3つご紹介します。
ビューティー&ヘルス
スキンケアやヘアケア商品、美容・健康サプリメントはどのマーケットでも売れ筋商品で、特にシンガポールやマレーシアで人気があります。日本の化粧品は安全の基準が厳しいことから信頼性があり、米ぬかや日本酒といった自然由来の成分を含むものが多く、肌にも自然にも優しいことが点から高い評価を得ています。
Shopee内でよく検索されるキーワード例は以下のとおりです。
- フェイスマスク
- シャンプー
- ヘアドライヤー
- リップバーム
- 日焼け止め
ホーム&リビング
日本の家庭用品・日用品は海外でも人気のカテゴリーです。
特に保冷・保温機能のあるボトルやランチボックス関連、水回りの洗剤などが売れ筋商品として挙げられます。東南アジアは1年を通して気温が高いため、食品を新鮮に保つための商品にニーズがあります。
キーワード例は以下のとおりです。
- 水筒
- タンブラー
- ケトル
- 枕
ホビー
日本のアニメや漫画は海外でも人気があり、趣味のカテゴリー商品も売れやすい傾向にあります。ポケモンカードやFUJIFILMのカメラ関連商品などは特に需要が高くなっています。
また、台湾やタイでは中古品の需要が高く、台湾ではゲームやフィギュアのようなコレクターズアイテムが人気です。
参考:
2023年カテゴリー別人気商品 (11/2023更新)|Shopee JP Seller Education Hub
【人気シリーズ最新版】2023年世界で売れている日本商品はコレ!必ず押さえておきたい新しいトレンド10選(all category 編)|Shopee Japan
よくあるご質問|Shopee JP Seller Education Hub
Shopeeで販売禁止とされているもの
Shopeeでは販売が禁止されている商品があるため、出品前に確認しておく必要があります。
国ごとに売ってはいけないものが異なるので、詳しくは公式サイトの販売規制品目を確認してくださいね。
ここでは、3つの側面から販売禁止商品をご紹介します。
航空便で発送できない商品
Shopeeで商品を売る場合、日本から海外へ商品を発送する必要があるため、航空便で取り扱えないものは販売が禁止されています。
日本郵便では全世界共通で国際郵便として送れないものとして、下記の商品を一例として挙ています。
- スプレー缶
- 香水
- 花火・クラッカー
- マニキュア
- 電子タバコ
- モバイルバッテリー
- アルコール濃度24%を超えるもの:日焼け止め・ヘアトニック・アルコール飲料
出典:国際郵便として送れないもの|日本郵便
輸入禁制品
国の指定で輸入が禁止されているものは販売できません。国ごとに禁制品は異なるので、各国の販売禁止品目を確認する必要があります。
シンガポールの輸入禁制品を一部抜粋しました。
- 爆発物・花火
- 有毒・有害廃棄物
- 医薬品
- チューイングガム
- アルコール飲料
また、日本からの輸出が禁止されている商品も同様に販売ができません。輸出禁止商品には、以下のようなものがあります。
- 麻薬・覚醒剤
- 児童ポルノ
- 商標権・著作権を侵害する物品など
出典:輸出入禁止・規制品目|税関 Japan Customs
オンライン販売禁止商品
輸入禁制品と同様、各国の法律でオンライン販売が禁止されている商品は出品できません。
シンガポールのオンライン販売禁止商品を一部抜粋しました。
- クレジットカード・デビットカード
- タバコ/電子タバコ、及び電子タバコ用アクセサリー
- コンタクトレンズ
販売が禁止されている商品を出品してしまうと商品の削除だけではなく、ストアにもペナルティなどの悪影響が及ぶおそれがあります。公式に発表されている禁止商品を確認するのはもちろん、判断に迷う場合はサポートに問い合わせて確認することをおすすめします。
参考:
各マーケットの販売規制品目|Shopee JP Seller Education Hub
よくあるご質問|Shopee JP Seller Education Hub
Shopeeで商品を売れるようにするためのポイント
ここでは、Shopeeで商品を売れるようにするために意識したいポイントを3つご紹介します。
徹底的に売れる商品をリサーチする
先述のとおり、国内と海外では売れる商品が異なります。海外に販路を拡大する際は、対象国で本当に需要があるのかを徹底的にリサーチすることが大切です。
該当国の需要をSNSで調べたり、Shopee以外の海外モールで商品数や価格を調べたり、といった方法もありますが、現地語が分からないとスムーズに情報収集ができません。
Shopee内で商品をリサーチする方法を3つお伝えします。
Shopee各マーケットページの検索で調べる
- 検索したい商品名・キーワードを入力し、絞り込み項目のShip Fromから「Overseas」を選択。
- 「Japan」の記載と日本国旗が表示されている商品を確認し、競合の参入状況を把握する。
- 検索結果上部のSort byから「Top Sales」を選択し、購入数の多い順に商品を表示して、売れ筋商品をチェック。
出典:商品の売れ行きを確認する|Shopee JP Seller Education Hub
Shopeeが運営するSeller Education Hubのサイトで情報をチェックする
Shopee公式は、ストア運営者向けに売上アップのためのポイントや成功事例、マーケット・カテゴリー別の人気商品の情報等を掲載しています。人気商品は定期的に更新されるので、リサーチ先として押さえておきましょう。
参考:Seller Education Hub | Shopee Japan
Selling Coachで需要が高まっているカテゴリーをチェック
Selling Coach(セリング コーチ)はShopeeでストアを持っている方なら誰でも使用できるツールです。
カテゴリーの売れ筋商品や過去7日間で検索された上位10商品・検索キーワード、さらに広告を配信している場合は類似商品ページを知ることができます。
参考:Selling Coach(セリングコーチ) | Shopee JP Seller Education Hub
プロモーションを活用する
Shopeeは、無料で使える販促ツールが充実しています。競合と戦うためには販促ツールを使いこなし、効果的にプロモーションをおこなう必要があります。
Shopeeの代表的な販促機能を表にまとめました。
Discount Promotion(割引設定) | 割引設定機能。サムネイルに割引ラベルや赤字の割引価格が表示されることで顧客の目を引くことが可能。 |
Follow Prize(フォロープライズ) | ショップをフォローしてくれた人にクーポンを発行できる機能。立ち上げ期の新規のフォロワー獲得に有効。 |
Sample Counter Promotion(サンプル・カウンター・プロモーション) | サンプル商品を購入した人に、該当商品のクーポンを配布できる機能。新規購入者獲得や新商品プロモーション、リピート購入の促進に有効。 |
Voucher(割引券) | 割引またはポイントキャッシュバックのクーポンを発行できる機能。最低購入額を設定して客単価のアップを促進したり、レビュー特典として配布しリピート購入を促したりなどが可能。 |
Bundle Deals(バンドルセール) | まとめ買いを促進する機能。ストア側で設定した組み合わせで商品購入時に割引が適用。 |
Add-on Deals(アドオンディール) | メインの商品に加えて特定の商品の購入を促す機能。追加商品への割引付与や一定額以上購入された際に、追加商品を無料で提供可能。 |
出典:セラーセンター内の販促機能|Shopee JP Seller Education Hub
ストアの成長フェーズや商品需要がピークのタイミング、セール期間等、状況に応じて効果的な販促をおこなうことが、売上の最大化につながります。
ECコンサルに依頼する
Shopeeで売上を伸ばすためには、国内と海外の違いを理解するのはもちろん、市場を見極め、Shopeeの特性や販促機能を把握して使いこなすなどの工夫が大切です。
とはいえ、「何から手をつけたらよいか分からない」「情報収集はできたが、どう施策に生かすべきか判断できない」と感じている方もいるでしょう。
そんなときは、ECコンサルを利用することをおすすめします。
ECコンサルとはいわばECサイト運営のプロ。
ECコンサルに相談すれば、進むべき方向性や取り組むべき施策を提案してもらえるので、達成したい目標にぐっと近づくでしょう。
また、Shopeeの特性を生かした施策はもちろん、海外市場の情報収集・販促活動や手数料や送料で不透明になりがちな利益計算など、越境ECならではの問題にも対応してくれます。
コンサルへの依頼を検討していない場合でも、ECの専門家と話すことで課題が整理され、解決方法がみえてくることがあるので、まずは相談してみるとよいでしょう。