世界のマーケティング担当者の99%がAIを活用している 「2024年グローバルカスタマーエンゲージメントレビュー」日本語版を発表

ECのミカタ編集部

Braze、「2024年 グローバル カスタマーエンゲージメントレビュー」日本語版を発表

Braze株式会社(以下:Braze)は2024年5月8日、カスタマーエンゲージメントレビューの日本語版、そして世界と比較した日本市場の特徴的な点を発表した。本記事では一部内容を抜粋して紹介する。

調査概要

◆調査対象:世界3地域の年間売上高1000万ドルのBtoC企業に勤務する、副社長以上の肩書きを持つマーケティングエグゼクティブ
◆調査人数:1900人
◆調査国:ブラジル、メキシコ、米国、オーストラリア、インドネシア、日本、ニュージーランド、シンガポール、韓国、フランス、ドイツ、スペイン、スペイン、アラブ首長国連邦、英国
◆調査期間:2023年12月5日~15日
◆調査方法:招待メール、オンライン調査
◆出典元:Braze、「2024年 グローバル カスタマーエンゲージメントレビュー」日本語版を発表(Braze株式会社)

KPI偏重、具現化する技術力不足、リソース不足に悩む日本

「より創造的で戦略的なアプローチを実行する上で、障害になるものは?」という質問に対する回答を世界と日本で比べると、以下項目が日本は高めになった。

◆アイデアを具現化するための技術力(世界平均比+6%)
◆KPI重視で創造力が阻害される(世界平均比+4%)
◆リソースがない(世界平均+3%)

また「クリエイティブな時間創造のためにAIによる定型業務の自動化を支持する」という問いに対する回答を日本と世界主要4地域と比較すると、日本は比較的低い結果(世界平均-19%)になった。

顧客の感情を捉えた動きを重視する傾向に

「どのマーケティング用途にAIを使用、または使用予定か?」という問いへの回答は、日本はキャンペーンメッセージのパーソナライズに興味を持つ割合が高く(世界平均比+4%)、顧客一人一人の属性や嗜好に合わせたコミュニケーション、パーソナライズされたキャンペーンを実施したいという姿勢が見受けられた。

「あなたの顧客エンゲージメント戦略に適したものは?」という問いに対する回答に対して、世界では「マーケティングファネルの上流と下流を組み合わせマネタイズやロイヤリティを組み合わせた改善」が一般的であった。

一方、日本は「上流のメッセージ開封率やクリック率などに注目する傾向が強い(世界平均+16%)」に集中した。

これは日本において、新規顧客や認知向上を目的に広告施策を顧客エンゲージメントの活動と考える企業が多いことを示しているだろう。

加えて「上流と下流を組み合わせ、さらに顧客行動と顧客センチメントも意識したエンゲージメント戦略を取る(世界平均+3%)」という結果も存在する。日本の顧客エンゲージメント先進企業は上流下流のマネタイズやロイヤリティに加え、感情を捉えた動きを進めていることが見受けられる。

回答者の99%がすでにAIを活用

本調査で明らかとなった、世界のトレンドは以下の通り。

◆想像力と戦略性はAIの台頭で、より効果的に機能する
◆これまでにないデータの可能性
◆クロスチャネルのメッセージングにおける急速な進化


注目すべきはAIの台頭であり、回答者の99%がすでにAIを活用している状況が明らかとなった。また、79%の回答者が「AIは定型業務を自動化し、クリエイティブな思考に、より多くの時間を割くことができる」と回答している。

前述したように、日本は世界平均と比べてAIによる定型業務の自動化を支持する割合が低い。これは、ChatGPTや生成AIなどが急速に普及する中、日本語での処理能力や利用そのものに関する懸念点なども考えられるだろう。しかし、裏を返せばAI活用を通じた業務効率化など、様々な改善機会があるといえるはずだ。新たな施策実現、現状の課題解決に向け一歩進んだ挑戦が求められるかもしれない。


記者プロフィール

ECのミカタ編集部

ECのミカタ編集部。
素敵なJ-POP流れるオフィスにタイピング音をひたすら響かせる。
日々、EC業界に貢献すべく勉強と努力を惜しまないアツいライターや記者が集う場所。

ECのミカタ編集部 の執筆記事