Z世代の新生活事情 スーパーでもタイパ重視の傾向に 読売広告社が分析

ECのミカタ編集部

読売広告社が新生活シーズンにおける世代別の買い物特徴を大規模購買履歴データで分析

株式会社読売広告社(以下:YOMIKO)は、同社の子会社である株式会社ショッパーインサイトが保有する日本最大級の食品ID-POS購買行動データベース「real shopper SM(※1)」を活用し、新生活スターター(※2)の食品スーパーにおける買い物行動の傾向や特徴について30歳・40歳のデータと比較し分析。そこから見えてきた新生活スターターにおける、世代別の買い物行動の特徴や兆しについて公表した。リアル店舗での買い物行動を基準としているが、ECにおける買い物についても、大いに関連するものと考えられる。本記事では一部内容を抜粋して紹介する。
※1:食品スーパーのID-POSデータをもとに生鮮惣菜を含めた全ての食品購買状況を全国規模の買物客単位で分析できるデータベース
※2:2024年3月に高校および4年制大学の卒業年にあたる2001年4月2日~2002年4月1日生まれ、または2005年4月2日~2006年4月1日生まれの人

調査概要

◆集計期間:2024年4月1日~20日
◆エリア:日本全国
◆年齢:新生活スターター(サンプル数:3800)/30歳(サンプル数:7100)/40歳(サンプル数:16800)
◆利用データ:real shopper SMデータ
◆出典元:教えて!サキヨミ博士!最新お買物データからサキヨミする『消費者インサイト』(株式会社ショッパーインサイト)

食品にも「タイパ」を重視する傾向

2024年4月における新生活スターターと30歳・40歳の購入金額差を分析。新生活スターターが多く購入する商品のトップに「パックご飯」などを含む「米飯レトルト」が確認できる。

また朝食のイメージが強く、調理時間が少なくて済む「シリアル」の需要も高い。調理器具が不要な果物である「冷凍ブルーベリー」などの購入金額も高いことから、これらの食材を合わせ、朝食を短時間で済ませていることがうかがえるだろう。

こうした内容からZ世代の新生活スターターは、購入する食品にも「タイパ」を重視する傾向があると考えられるかもしれない。

「塩」よりも「中華基礎調味料」が23.1円高い

「中華基礎調味料」「ごま油」「塩」「コショウ」「化学調味料」などの調味料類も、30歳・40歳よりも購入金額が高いことが確認できる。

また、新生活スターターにおける1人あたりの購入額は、基本の調味料のひとつといわれる「塩」よりも「中華基礎調味料」が23.1円高くなっている。こうした傾向も味付けを簡易的に済ませようとする「タイパ思考」からくる可能性も考えられるだろう。

◆1人あたりの購入額 新生活スターターと比較年代との差(2024年4月)

食品スーパーの新規会員が増加

食品スーパーの新規会員人数の構成比をみると、2024年3月から4月にかけて24年度新生活スターターの構成比率が急増。

食品スーパーを利用する新生活スターターの多くが、スーパーを新たに利用し始めた新規会員である可能性が高いことがうかがえる。

本調査では、Z世代の新生活スターターは購入する食品にも「タイパ」を重視する傾向が見受けられた。新生活への順応、家事といった慣れない作業の合間に料理をすることは困難だろう。こうした状況も「米飯レトルト」といった、簡便性に特化した商品に手を伸ばす一因になっていることも考えられる。

時期に応じた訴求を行うことで、より一層の売上向上が見込めるかもしれない。各事業者は本調査内容を参考に、今後の施策検討を進めてほしい。


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