ECサイト内のFAQ、事業者と利用者の満足度に乖離? Helpfeel調査
FAQの検索システム「Helpfeel」を提供する、株式会社Helpfeel(以下:Helpfeel)は、ECサイトの運営事業者、利用者の双方を対象に「ECサイトの問い合わせ手段に関する意識調査」を実施、結果を公表した。本記事では一部内容を抜粋して紹介する。
調査概要
◆調査方法:インターネットリサーチ
◆調査地域:全国
◆調査対象:男女20〜69歳
▷運営者:従業員規模30名以上、年商10億以上の会社に勤め、自社FAQに関与、評価できる者
▷利用者:EC利用経験者かつ問い合わせをしたことがある者
◆調査時期:2024年4月
◆有効回答数
▷運営者:315サンプル
▷利用者:本調査500サンプル・事前調査:11534サンプル
◆調査実施:株式会社クロス・マーケティング
◆調査企画:株式会社Helpfeel
◆出典元:ECサイトの問い合わせ手段に関する意識調査(株式会社Helpfeel)
自社サイトのFAQについて事業者側と利用者側に乖離
ECサイトを運営する事業者の83%が、自社サイトのFAQに「満足」と回答する一方、利用者の51%がECサイトで「疑問を解消できなかった」という不満を経験。
ECサイトでの疑問解消に対する認識に、事業者側と利用者側に乖離があることが見受けられる結果に。クレーム等が発生しない限り、事業者はこうした利用者の不満に気が付きにくいことから「利用者はFAQで疑問を解消できている」と誤認していることが推察できるだろう。
FAQの解決力に不満を抱く傾向
ECサイトのオンラインショッピング中に疑問点や不明点が発生した場合、利用者の51%が最初に「FAQ」を参照し疑問解消を図ると回答。「問い合わせフォーム」「電話」といった有人対応に問い合わせをする前に、まずは自分で解決しようと試みる傾向がみられる。
また、利用者は「FAQ」に対し、「手軽」「簡単」なため利用意向は高いものの、「ほしい答えが見つからない」という不満を感じていることが明らかとなった。
一方で、問い合わせフォームや電話では「時間や手間」が懸念となっており、問い合わせに至るまでの心理的ハードルが感じられるだろう。
「サイレントカスタマー」の離脱を防ぐ必要
ECサイトにおいて、疑問や不安を感じた際に解決できない場合、72%の利用者がサイト利用の判断に「影響がある」と回答。しかし、実際に問い合わせを行う割合は10回に1回程度と少なく、多くの利用者が「サイレントカスタマー」として不満を抱えたまま、問い合わせを避けていると考えられるだろう。
カスタマーサービスの第一人者ジョン・グッドマン氏の調査によると、不満をもった顧客のうち、実際に声を上げるのはわずか4%に過ぎず、残りの96%は苦情申し立てをしない。さらに、そのうちの91%は無言で離脱してしまうといわれている。
本調査の結果から、FAQの充実はECサイトの顧客満足度を向上し、「サイレントカスタマー」の離脱を防ぐために重要な役割を果たすといえるだろう。FAQで「自己解決できる」よう改善することで、ECサイトへの再訪や新たな利用機会の創出が期待できる。今一度サイト状況を確認し、適切な対応がとられているか振り返ってみるべきだろう。