製造業B2Bコマースの課題は? 株式会社Contentserv調査
商品情報管理(PIM)のクラウドサービスプロバイダーである株式会社Contentserv(以下:Contentserv)は、「製造業のB2Bコマースに関する実態調査」を実施、結果を公表した。本記事では一部内容を抜粋して紹介する。
調査概要
◆調査名称:製造業のB2Bコマースに関する実態調査
◆調査方法:IDEATECHが提供するリサーチPR「リサピー®︎」の企画によるインターネット調査
◆調査期間:2024年6月10日〜17日
◆有効回答:B2Bコマースを実施している、または実施を検討している年商200億円以上のB2B製造業の経営者・役員、管理職(部長相当、課長相当、係長・課長補佐相当、主任(マネージャー)相当)
◆調査人数:107名
※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100にはならない
◆出典元:製造業のB2Bコマースに関する実態調査レポート(株式会社Contentserv)
約9割がBtoBコマースを重要な戦略と認識
「BtoBコマースの実施は重要な戦略か」という質問に対して「非常にそう思う」が62.7%、「ややそう思う」が26.2%と約9割が重要と認識している状況が明らかに。デジタル変革の進展に伴い、企業間取引のデジタル化が進んでいることを示しているといえるだろう。
B2Bコマースの導入を検討する主な動機として「売上の向上」と「営業効率の向上」がそれぞれ56.1%と最多、続いて「顧客のニーズに応えたい」が32.7%となった。
さらに具体的な理由としては「コストパフォーマンスの良さ」「顧客価値への直接的な影響」「海外企業の売上比率を上げるため」「業務全般の効率化」「自社の体制への適合感」が主要理由としてあげられた。
企業がデジタル変革を通じて、収益機会の拡大と業務プロセスの効率化を求めていることがうかがえる。
データ連携、商品情報の提供に課題を感じる
一方、B2Bコマースの実行における課題認識については「非常に感じている」が18.7%、「やや感じている」が57.0%と約8割が課題を感じていることが明らかに。具体的な課題については「基幹システムとのデータ連携」が50.6%、「社内全体の業務フローの見直し」が39.5%という回答となった。
また、7割以上がB2Bコマースにおいて「商品情報の提供」が課題になると回答。
主要な課題については「組み合わせ商品の提案」(51.9%)、「顧客の検討状況に合わせた情報提供」(50.6%)、および「ユースケースや顧客レビュー情報の提供」(43.0%)であることが判明した。
PIMの戦略利用が重要性を増す
83.2%の回答者が商品情報管理(PIM)の活用が、B2Bコマースやサービスシステムにおいて鮮度の高い商品情報を提供する上で重要であると認識。B2Bコマースの普及に伴い、PIMの戦略利用が重要性を増していることがうかがえるだろう。
今回の調査によって、多くのB2B製造業の経営層・上層部が、B2Bコマースを重要な戦略と捉えていることが明らかとなった。
一方で、多くの企業が基幹システムとのデータ連携や非効率な業務プロセスなどに課題を感じている。中でも「eコマースサイトでの商品情報の提供」「組み合わせ商品の提案」「顧客の検討状況に合わせた情報提供」など、カスタマイズされた情報提供の必要性は一層増している状況だ。
製造業におけるB2Bコマースの浸透に向けて、解決すべき課題は少なくない。今後のさらなる発展に繋げるために、業界全体での対応を進める必要があるだろう。