備長炭ECサイト「KORIKI STORE」を開設、需要拡大と販路拡大で

ECのミカタ編集部

四国の右下木の会社「備長炭」を増産し、ECサイト「KORIKI STORE」を開設

広葉樹を対象とした循環型林業と「樵木備長炭」の製造販売を手がける株式会社四国の右下木の会社(以下:四国の右下木の会社)は2024年7月1日、ECサイト「KORIKI STORE(こりきストア)」での販売を開始したことを公表した。

森林アンダーユースに起因する問題の解消に寄与

日本の森林は、木材資源に対する需給バランスの崩壊によりその健全性が損なわれつつある。里山の広葉樹も同様であり、全国的には森林資源の利用不足による荒廃が深刻化する一方、その産品のひとつである備長炭は、慢性的な生産減少と価格高騰が止まらない。

四国の右下木の会社は、高い付加価値と堅調な需要を有する高品質な国産備長炭づくりによって、中山間地域の“食える産業”を再興すると同時に、製炭の原料木として広葉樹への需要を生み出すことで、里山に定期的な伐採を入れ、健全な森林循環を起こそうとしている。

そこで今回、国産備長炭の生産量減少と国内外での需要拡大が進む中での「樵木備長炭」の増産、ECサイト「KORIKI STORE」の開設による販路拡大によって、国内備長炭市場の品薄混乱の緩和と、森林アンダーユースに起因する問題の解消に寄与しようとしている。

※画像元:四国の右下木の会社「備長炭」を増産し、ECサイト「KORIKI STORE」を開設(株式会社四国の右下木の会社)

人と森林の永続的な関係づくりを目的

四国の右下木の会社は2023年夏、IoT活用によるスマート製炭を可能とした炭窯を2基完成させている。これは循環型林業技法である「樵木林業(※1)」と、備長炭や薪を製造販売する薪炭産業の復興を通じた、人と森林の永続的な関係づくりを目的にしている。

備長炭は圧倒的な燃焼能力があり、遠赤外線が非常に多く出ることから、食材の旨味を存分に引き出す最高の調理器具として重宝されており、国内外の飲食店からの需要が高まっている。こうした状況を背景に、2024年6月にはさらに2基の製炭窯の稼働を開始し、増産体制を強化。慢性的な生産量低下や海外需要の拡大などによって、国内市場での供給が逼迫している国産備長炭の安定供給を進めるとした。

四国の右下木の会社は「放置が続く森林資源の活用・産業化をさらに推進し、徳島県美波町の森林再生、さらには全国の森林課題解決に寄与するための取り組みを着実に進めてまいります」と述べる。環境保全に対する意識が向上する中、本取り組みは国内外から大きな注目を集めることが想定されるはずだ。

※1:ウバメガシやカシなどの常緑広葉樹を対象とした林業技法。照葉樹の萌芽力を活かした択伐矮林更新法や、魚骨状の林道によって伐採・搬出が行われ、河川を利用した管流しで搬出されていたのが特徴。


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