新しくECサイトを構築したい中小企業や個人事業主にとって、コストが大きな障壁となることがあります。

そこでこの記事では、「ECサイトを開設したいけどコストは最小限に抑えたい」「簡単にECサイトを開設する方法を知りたい」といった方に向けて、無料でECサイトを開設する方法を詳しく解説します。

この記事を通して、事業に最適なECサイト構築サービスを見つける手助けができれば幸いです。

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無料でECサイトを開設する方法

はじめに、無料でECサイトを開設する方法を3つ紹介します。

オープンソースでECサイトを構築する

無料で公開されているオープンソースのコードを使用してECサイトを開設する方法です。独自サイトを運営するために必須のドメイン取得・管理費用やサーバーレンタル費用が発生しますが、低コストでECサイトを開設することができます。

テンプレートなどの縛りがなく、デザインや機能などを自由にカスタマイズできるのが魅力です。一方で、ソースコードの専門知識が必要であること、一般公開されているコードはセキュリティの脆弱性が心配されることが注意点として挙げられます。

カスタマイズ性の高さを活かして思いどおりのECサイトを開設し、ブランド力を高めたい場合におすすめの方法です。

無料ASPでECサイトを構築する

無料のASPを使用してECサイトを構築する方法です。ASPとは、「Application Service Provider」の略で、インターネット上でアプリケーションサービスを提供する事業者を指します。

ECサイトに特化しているASPはEC運営に必要な基本機能が一通りそろっており、低コストで始められることが魅力です。自社サーバーを用意する必要がないため、サーバー契約や管理などの手間はありません。

一方でカスタマイズに限界があったり、契約プランによっては使える機能が制限されていたりしているといったケースもあります。

「ECサイトを初めて開業するため、まずはお試しでショップを作りたい」「ソースコードなどの専門知識がなく、テンプレートに沿ったショップでも問題ない」という方におすすめです。

無料のECモールに出店する

出店費用などの初期費用がかからないECモールでネットショップを開設する方法です。

モールごとにショップページのカスタマイズ性に制限がありますが、フォーマットが用意されている場合が多いので、手軽に店鋪ページを作成できるでしょう。

ECモールに出店する場合、自社で集客する必要がないこともメリットですが、その代わり多くのショップが軒を連ねているため、競合性が高いことがデメリットといえます。

また、出店費用が無料でも商品が購入されるごとに支払う販売手数料や、月額費用が別途かかる点にも注意しましょう。

【比較】ECサイトが開設できる無料オープンソース

ECサイトの開設で活用したい無料のオープンソースについて、代表的なものを紹介します。

Magento

Magentoは世界トップシェアのECオープンソースで、Adobe Experience Cloudを構成する製品の1つです。

Adobe Experience CloudではほかにAdobe Commerceが提供されており、こちらは有償。元々Magentoを提供していたMagento社をAdobeが買収した際、Magentoの有償版が「Adobe Commerce」に改称されたという経緯です。Adobe CommerceはMagnetoに比べ、機能や拡張性、サポートなどの面がより充実しているという違いがあります。

Magentoは海外のECシステムのため多言語に対応しており、海外の利用者が多いPayPal決済が使用できるなど、越境ECに強いことが特徴です。

日本語対応のモジュールをインストールすれば、日本語表記の管理画面で作業することが可能です。

日本語によるサポート体制も用意されているものの、やはり英語によるサポート情報のほうが豊富なため、英語がわからないと対応に迷う可能性があります。

越境ECを検討していて、海外の情報をキャッチアップすることが得意な場合におすすめのオープンソースです。

参考：MagentoからAdobe Commerceへ｜Adobe Experience Cloud

WordPress

WordPressは、無料でオープンソースのコンテンツ管理システム（CMS）であり、ウェブサイトやブログの作成に広く利用されています。

テーマやプラグインを使ってサイトのデザインや機能をカスタマイズでき、技術的な知識が少なくても直感的に操作できるため、手軽に本格的なECサイトを構築できる点が特徴です。

また、WelCartなどのEC用のプラグインを利用することで、商品・在庫管理などのECサイトに必要な機能を既存サイトに追加できます。

ただし、セキュリティ対策やメンテナンス面は自己責任で管理する必要があります。また、基本的には無料で始められますが、ドメインやホスティング費用、特定のプラグインの利用にはコストがかかる場合があります。

参考：【公式】Welcart｜WelCart

【比較】ECサイトが作成できる無料ASP

次に、無料でECサイトを作成できるASPの中でも代表的なサービスを紹介します。無料ASPを利用することで、初期費用・月額費用を抑えて高機能な自社ECサイトを構築することが可能です。

BASE

BASEは無料ASPの代表格で、スタンダードプランであれば初期費用、月額費用無料でネットショップを立ち上げることができます。

クレジットカードやコンビニ決済以外にもPayPalやAmazonPayを含む7種類の決済機能があります。BASE独自の取り組みとして、出店料無料のポップアップスペースを有しており、オフライン販売に挑戦することも可能です。

無料プランは、有料プランと比較して決済手数料が高く設定されているうえ、サービス利用料も発生するため、事業の売上に合わせて費用対効果の高いプランを見極める必要があります。また、無料のオフィシャルテーマは16種類とカスタマイズの自由度が低いため、理想のECサイトのイメージがある方は制限が多いと感じる可能性があります。

開設コストを抑えて自社ECサイトを作成したい、初めてECサイトを開設する小規模事業者におすすめです。

参考：BASE（ベイス）｜BASE

STORES

STORESは、BASEと並ぶ人気のASPで、シンプルかつ直感的な操作が特徴です。フリープランであれば初期費用・月額費用が無料で、48種類の豊富なデザインテンプレートから選ぶことができます。

無料プランでもクレジットカード、コンビニ決済に加えてPayPalや楽天ペイなどの決済方法に対応しており、決済手数料以外にかかる手数料がないことがメリットです。

ただ、豊富なテンプレートはあるものの、完全に自由ではないため、よりカスタマイズしたECサイトを作成したい方には不向きです。

手軽におしゃれなデザインのECサイトを簡単に作ってオンライン販売を始めたい場合におすすめです。

参考：STORES（ストアーズ）｜STORES

カラーミーショップ

カラーミーショップは、GMOペパボ株式会社が運営するASPです。フリープランでは、初期費用・月額費用無料でECサイトを作成できます。

カラーミーショップは、サポートが充実していることが特徴です。フリープランでも運営や設定などで困った際はメールで相談できることはもちろん、SEO対策や集客に関するセミナーやメディアが充実していて、息の長いサポートを提供してくれます。また導入前には、アカウント登録不要で電話相談にも対応しています。

これまで見てきたASPと同様、高度なカスタマイズをおこなうには追加費用が必要になるため、求める機能が無料プランに備わっているか確認しましょう。

初めてネットショップ運営にチャレンジする方で、相談しやすいサポート体制を求めている方におすすめです。

参考：カラーミーショップ｜カラーミーショップ

【比較】ECサイトが無料で作成できるECモール

次に、出店費用が無料のECモールを紹介します。

Yahoo!ショッピング

LINEヤフー株式会社が運営するECモール「Yahoo!ショッピング」は無料で出店できます。Yahoo!ショッピングの利用者が顧客となるため、効率的に集客できます。初期費用、月額費用、販売手数料が発生しないため、最低限のリスクでネットショップを開設できるでしょう。

また、定期的にPayPay還元イベントを開催しているため、PayPayユーザーの利用が見込めることも特徴です。

利点が多い一方で、特に多くのショップが集まるECモールのため、モール内の競争が激しいことが懸念点です。モール内のSEO対策や広告、イベントをうまく活用することが求められます。

ネットショップ開設のリスクが少なく、多くの顧客の流入が見込めるECモールのため、初めてECサイトを開設する場合や、新規事業につき、まずは商品が売れるか見極めたい場合におすすめです。

参考：ネットショップ開業ならヤフーショッピング｜Yahoo!ショッピング

メルカリShops

メルカリShopsでショップを開設することで、フリマアプリ「メルカリ」に出店できます。メルカリの利用者がそのまま顧客となるので幅広い層にアプローチできる点がメリット。初期費用、月額費用は無料ですが、販売手数料が10％発生します。

メルカリは希望するタイミングで自由に売上金を引き出せないことに注意が必要です。毎月末時点、売上から販売手数料・メルカリ便料金・振込手数料（200円）を差し引いた振込金額が5,000円以上なら、翌月に口座に振り込まれる仕組みとなっています。

自社の客層とメルカリ利用者層の親和性が高い方、手軽にネットショップを開設したい方におすすめです。

参考：ショップを開設しよう｜メルカリShops

最近はスマホアプリでも無料でネットショップを開設できる？

無料ASPのBASEやECモールのメルカリShopsは、スマホアプリでも会員登録やショップ開設が行えます。

技術的な知識がなくても、直感的な操作で商品登録や販売ページの作成が可能です。

これらのアプリは多くの場合、基本的な機能は無料で提供され、必要に応じて有料オプションや追加機能を選ぶこともできます。

さらに、運用面に関しても、いつでもどこでも店舗管理や注文確認、顧客対応ができるため、時間と場所にとらわれずにショップを運営できます。特に小規模ビジネスや個人事業主にとっては、初期投資を抑えつつ迅速に市場に参入できる大きなメリットがあるといえるでしょう。

ECサイト作成のことは専門家に相談するのがおすすめ

無料でECサイトを構築する方法には、オープンソース、無料ASPの利用があり、いくつかのECモールには無料で出店できます。

低コストで簡単にショップを開設できるサービスが多い反面、それぞれにメリット・デメリットがあり、自社に最適なサービスを選ぶのは難しい場合があるでしょう。

どのサービスを利用すべきか迷う場合には、ECサイト開設の専門家であるコンサル会社や制作代行会社に相談することが有効です。ECのミカタでは、ECコンシェルジュへの相談やEC専門事業者とのマッチングサービスを無料で提供しています。

自社のみでECサイト運営をスタートすることに不安を感じる方は、ECのミカタの無料マッチングサービスを利用して、最適なECサイト構築方法を見つけることをおすすめします。

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