現在最もユーザーが貯めているポイントサービスは? ICT総研調査
株式会社ICT総研(以下:ICT総研)は2024年7月4日、共通ポイントの利用動向調査の結果を公表した。本記事では一部内応を抜粋して紹介する。
調査概要
◆調査期間:2024年6月20日~27日
◆調査対象:インターネットユーザー
◆回答数:4394件
◆出典元:2024年7月共通ポイントの利用動向調査(株式会社ICT総研)
変わりつつある共通ポイント市場の勢力図
本調査では「楽天ポイント」「Vポイント」(旧Tポイント含む)「PayPayポイント」「Pontaポイント」「dポイント」を利用するユーザーが多く並んだ。この5つの共通ポイントは会員数公表値も非常に多いことから、本調査においては「5大共通ポイント」とみなす。
5大共通ポイントの日本国内の会員数の単純合計は、5億3300万人と推計される。2022年3月末から2023年3月末にかけて前年比117.6%、2023年3月末から2024年3月末にかけて前年比104.5%と順調に増加。これが2025年3月末には前年比104.1%の5億5500万人にまで拡大すると想定される。
これまでは「楽天ポイント」「旧・Tポイント」「Pontaポイント」「dポイント」の4つを「4大共通ポイント」と称する記事が多く見られたが、旧・Tポイントが「Vポイント」として新たなスタートを切ったことや、ここ数年の「PayPayポイント」の会員数の拡大により、共通ポイント市場の勢力図は変わりつつあるといえるだろう。
貯めているポイントとして楽天ポイントがトップ
共通ポイント以外のポイント(自社でしか使えないポイント)も含めて「貯めているポイント」を聞いたところ、楽天ポイントが回答率65.2%でトップとなった。
以降、Vポイント(44.9%)、PayPayポイント(43.7%)、Pontaポイント(42.2%)、dポイント(40.7%)と並ぶ。
「5大共通ポイント」に続くポイントとしてWAONポイント(27.0%)、LINEポイント(20.5%)、nanacoポイント(15.5%)が並び、単独のポイントとして回答率15%を超える結果となった。
携帯キャリアとポイントは連動する傾向
メイン利用携帯電話別に、貯めている共通ポイントを算出したところ、Vポイントを除く共通ポイントは、携帯電話事業者(携帯電話キャリア)と連動している状況が明らかとなった。
共通ポイントを貯める際には、利用している携帯電話の利用で貯まるポイントを選択する傾向が強いことが読み取れるだろう。
現在、各携帯電話事業者は固定回線や電力、金融サービス、ECを含めたユーザーの囲い込みを実施しているが、ポイントについても同じ動きになっているといえる。ポイントとその他サービスの連動が高いことから、VポイントやWAONポイント、nanacoポイント、JREポイント等についても、自社サービスとの連動を目指した動きを加速することが想定されるだろう。
現在、ユーザーが利用するポイントは多岐に渡っている。幅広いポイントに対応していることも、ショップ運営に求められる要素の一つといえるかもしれない。本調査を今後の施策検討に活かして欲しい。