物流倉庫や製造工場の生産性向上に関する現状は? 岩谷マテリアル調査
岩谷マテリアル株式会社(以下:岩谷マテリアル)は2024年7月17日、「近年起きている仕事の生産性における変化」に関する調査結果を公表した。製造や物流倉庫を委託するEC事業者も多いことだろう。その現場で働く従業員はどんな課題を抱えているのだろうか。本記事では一部内容を抜粋して紹介する。
調査概要
◆調査期間:2024年6月19日~20日
◆調査方法:インターネット調査
◆調査対象:製造工場や物流倉庫で働く会社員20代~50代男女
◆調査人数:331名
◆モニター提供元:日本ビジネスリサーチ
◆出典元:岩谷マテリアル株式会社
4人に3人が生産性の向上を実感していない
「近年、勤め先の製造工場や物流倉庫内での作業で生産性は向上したか」を尋ねる設問への回答では「いいえ」が67.4%を占め、「低下した(8.2%)」を合わせると約75%を超えた。実に4人に3人が生産性の向上を実感していないことが明らかになった。
生産性が変わらない、低下したと回答した方に対して「勤め先の製造工場や物流倉庫内での作業において、生産性の向上は必要だと感じるか」を尋ねる設問の回答では、トップ3に以下回答が並んだ。
◆「必要だと感じる」46.8%
◆「どちらとも言えない」32.8%
◆「とても必要だと感じる」16.8%
「必要だと感じる」と「とても必要だと感じる」の合計が63.6%と、過半数を超える方が生産性の向上を必要だと感じていることが判明した。
「作業環境を改善するため」に生産性の向上が必要
「勤め先の製造工場や物流倉庫内での作業において、生産性の向上は必要だと感じる理由は何か」を問う設問への回答は「作業環境を改善するため」57.9%、「生産性の向上が求められているから」44.0%、「安全性を高めるため」35.2%が上位に並ぶ。
この結果から、生産性を高めるためのツールや仕組みが導入されるなどすれば、作業環境の改善や安全性の向上に繋がると考えている方が多いことが見受けられるだろう。
生産性向上が難しい理由は「コスト」
一方、「勤め先の製造工場や物流倉庫内での作業において、生産性の向上が難しい理由は何か」を尋ねる設問で最も多かった回答は「コストがかかるから」で45.9%を占めた。
次いで「必要な技術や知識が不足しているから」39.6%、「新たな取り組みに対する教育やトレーニングの環境がないから」27.7%と続く。この結果から、投資に余力さえあれば、生産性を向上させる余地がありそうな状況が判明したといえるだろう。
今回の調査により、製造工場や物流倉庫で働く方の過半数が現場に生産性向上が必要と考えているものの、約75%の方が「生産性の向上」を実感していないことが判明。
生産性向上のための施策は「作業環境の改善」と「安全性の向上」につながると考えられており、ただ、そうした施策導入のネックとなっているのは「コスト」、次いで「技術や知識の不足」であると考えている方が多いと明らかになった。
適切なシステムやツールの導入は全体コストの削減から品質向上、ミスやエラーの減少といったメリットが生まれる。生産性向上に課題を感じる場合は、自社に適したシステム導入を検討してみてはいかがだろうか。