ECでは商品の発送、対面販売では接客態度や対応力にクレームが集中 アラームボックス調査

ECのミカタ編集部

【2024年上半期 インターネット上で悪評・クレームが多い上位10業種を発表】10,750社のクレームを分析、1位は通販を営む無店舗小売業

アラームボックス株式会社(以下:アラームボックス)は2024年8月22日、「2024年上半期インターネット上で悪評・クレームが多い上位10業種」を集計、発表した。本記事では一部内容を抜粋して紹介する。

調査概要

◆調査期間:2024年1月1日〜6月30日
◆対象企業:アラームボックスでモニタリングしており業種登録がされていた10750社
◆対象データ:インターネット上に投稿された口コミのうち、アラームボックスが「悪評・クレーム」と分類したもの
◆出典元:2024年上半期インターネット上で悪評・クレームが多い上位10業種(アラームボックス株式会社)

発送に関する不満が多く上がる

本調査の結果、小売業を営む企業に対して発送に関する不満が多く上がっていることが明らかとなった。「2024年問題」によるドライバー不足などが主な要因になっていることが考えられるだろう。

◆EC
通販事業を行っている企業へのクレームは、購入した商品が説明された内容より期待以下であったこと、問い合わせ対応が遅いこと、発送トラブルに対して集中。

◆小売(店舗販売)
対面・店舗型の小売業では、接客態度、購入後のサポートに関するクレームが多い傾向に。特に百貨店などの高価格帯の店舗や、特定ジャンルの商品を取り扱う専門店では、顧客の期待値も高く、丁寧な接客や商品知識を求められていた。

無店舗小売業がランキング1位に

EC事業、小売に関連するクレームの詳細は以下の通りとなる。

◆無店舗小売業:1社あたりの平均悪評・クレーム数:5.54件
過去の調査に引き続き、通販事業を専門とする無店舗小売業がランキング1位に。クレームの内容としては、商品について問い合わせた際の対応の遅さや、発送のトラブルに関するものが多い傾向。また、多くのECサイトにはレビュー投稿欄があることから、その分クレームの件数が増えることを念頭に置き、レピュテーションマネジメントを行う必要があるだろう。

◆各種商品小売業:1社あたりの平均悪評・クレーム数:3.4件
百貨店や総合スーパーの接客サービスについて悪評が書き込まれる。贈答品や高価な嗜好品を求めて来店している傾向があり、通常の店舗よりも店員の対応力や品ぞろえを求めている口コミが多くなった。昨今は、これらの企業もネットを通じた非対面での販売に力を入れているが、商品の発送の遅さや梱包状態に対してのクレームも目立つ。

◆その他の小売業:1社あたりの平均悪評・クレーム数:2.99件
購入した商品の状態や品質が期待以下である、または説明と異なるといった不満が散見された。また、オンラインで商品を購入した顧客から、「商品が発送されないので確認したところ在庫不足で勝手にキャンセルになっていた」など、問い合わせ対応への不満も多い。問い合わせ対応の品質の良し悪しは、顧客満足度を大きく左右する要因の一つのため、店舗であってもオンラインであっても適切な対応をすることが求められるだろう。

クレームを活かした施策検討が重要

本調査では「2024年問題」の影響による、発送関連の不満が多く上がっていることが明らかとなった。

また、過去調査と比較して、対面でサービスを提供する店舗販売やホテル、飲食店に対してのクレームも増加。コロナ禍で普及したオンラインサービスと比較して、対面サービスへの価値を改めて意識するようになり、接客態度や商品知識、施設の清潔感など、従来以上に期待値が高くなっている可能性がある。

対面サービスを提供する業界では、需要の増加に対して人手不足の問題等で多様化する顧客ニーズに対応しきれていないことから、不満が蓄積した顧客からの多くの悪評・クレームが発生していると考えられるだろう。

悪評・クレームは、現状の企業の様子をリアルタイムで把握できることから、今後の改善に活用することができる。クレーム内容を確認し、今後の施策検討に反映させる姿勢が重要となるだろう。


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