【出品者向け】Amazonの注文キャンセルにはペナルティあり?
商品を自社で保管していると、破損や在庫数の管理ミスなどでどうしても出荷できない事態が発生することがあります。
そのようにしてAmazonで出品している商品が出品者都合のキャンセルになると、どのようなペナルティがあるのか疑問をお持ちではないでしょうか。
本記事では、Amazonでの出品者都合キャンセルについて解説します。キャンセル方法やペナルティなど、出品者側として気になるポイントを紹介しているので参考にしてください。
基本的にはキャンセルしないのが一番ですが、仮に発生しても影響を最小限に抑えるポイントを押さえておきましょう。
Amazonで出品者都合での注文キャンセルは可能?
結論からいうと、出品者都合での注文キャンセルは可能です。
Amazonの注文ステータスには、ユーザー側の決済が確定している「確定注文」と、入金待ちの「保留注文」の2種類があります。いずれの場合でも、出品者側からのキャンセルは出品者都合になると押さえておきましょう。
出品者都合の注文キャンセルを行うと、アカウント評価へ悪影響があります。
なおFBAでの出荷の場合は、出品者都合によるキャンセルはできません。
Amazonで出品者都合で注文をキャンセルする方法
Amazonで出品者都合によるキャンセル方法を解説します。
ここでは、キャンセル手順を以下の2つに分けて紹介していきます。
- 購入者への連絡方法
- 出品者都合でのキャンセル方法
手順を間違えるとクレームなどのトラブルになりかねないため、丁寧に対応しましょう。
購入者への連絡
まず注文をキャンセルする前に、購入者へキャンセルする旨を連絡しておきましょう。一旦返答を待ってからキャンセルを行うのか、そのままキャンセルへと進むのかは自社の方針によります。
連絡方法は以下の通りです。
- 連絡を取りたい購入者の注文詳細画面を開く
- 「購入者へ連絡」欄で購入者の名前を選択
- 送信メッセージを入力して「送信」を選択
出品者都合のキャンセルがクレームにつながらないよう、丁寧な文面で連絡しましょう。
なお、購入者からのキャンセル依頼であればアカウントには影響がないため、購入者へキャンセル依頼をお願いするという手もあります。
しかし一歩間違えると悪い評価をつけられたり、別のクレームにつながるおそれがあったりするため、キャンセル原因が自社にある場合に取るべき手段ではありません。
出品者都合でのキャンセル方法
出品者都合でのキャンセルを行う手順は以下の通りです。
- 注文一覧画面で、キャンセルしたい注文欄の「注文キャンセル」を選択
- キャンセル理由を選択し「注文キャンセル」を選択
キャンセル後は、Amazonから購入者に自動でキャンセル通知が送られます。
Amazonでの出品者都合のキャンセルによるペナルティ
Amazonで出品者都合のキャンセルを行うことで、どのようなペナルティが考えられるのか解説します。
ペナルティは、主に以下の3点です。
- 出荷前キャンセル率や注文不良率への反映
- 出品停止
- 最悪の場合アカウント停止や削除
最悪の場合にはアカウントが削除されることもあるので、出品者都合のキャンセルはくれぐれも注意してください。
出荷前キャンセル率や注文不良率への反映
出品者都合でのキャンセルは、「アカウントヘルス」というAmazonのシステム上におけるアカウント評価に悪影響を与えます。主に、以下の2つの項目に対してペナルティがあります。
- 出荷前キャンセル率:2.5%未満が推奨
- 注文不良率:1%未満が推奨
出荷前キャンセル率とは、7日間の注文合計のうち、出品者の都合でキャンセルされた注文の割合を指します。Amazonの規約上、出品者はキャンセル率を2.5%未満に抑えることが求められています。
また、注文不良率とは顧客満足度に対する指標のことで、60日間の注文合計に対して発生した以下のような項目で評価されます。
- 低い評価
- Amazonマーケットプレイス保証申請が承認
- クレジットカードのチャージバック
出品者都合によるキャンセルでは、購入者から低評価が付与されます。出品者は注文不良率を1%未満に抑える必要があり、評価は定期的に確認しておきましょう。
出品停止
出荷前キャンセル率や注文不良率が悪化しアカウントの健全性が損なわれると、商品の出品停止リスクがあります。商品が出品できなくなるため、Amazon側の指示に従って改善しましょう。
セラーセントラルのトップページから「アカウントヘルス」を選択すると確認できます。
最悪の場合アカウント停止や削除
よりアカウントの状態が悪くなると、アカウント停止や、最悪の場合、削除の可能性があります。いずれも出品だけでなく販売ができなくなるため、売上が発生しない状態です。
売上の入出金が停止され、アカウント削除となるとFBA倉庫の在庫なども返送されます。
事業継続の観点からも危険な状態なので、アカウントヘルスは日頃から確認しておきましょう。
出品者都合のキャンセルは低評価をつけられるリスクも
出品者都合によるキャンセルはシステム的なペナルティだけでなく、低評価をつけられるリスクがあります。低評価はアカウントヘルスへの影響だけでなく、新たに購入を検討中のユーザーに二の足を踏ませることになるでしょう。
出品者や商品の評価が低いと、セールの参加条件を満たせないなど販売機会を失うことにもつながります。
「Amazonで支払い後にキャンセルされた」といった低評価をつけられないよう、購入者には丁寧に連絡を取るなどの対応をしてくださいね。
Amazonでの出品者都合のキャンセルが発生する理由
Amazonでの出品者都合のキャンセルが発生する理由は、主に以下の3点です。
- 自社での在庫切れや商品の破損
- 転売の阻止
- 商品情報の誤り
あらかじめ予測ができる部分については、できるだけ予防策を講じて、ペナルティを受けないようにしましょう。
災害などのやむを得ない理由によりキャンセルを行うケースもあります。台風や地震で道路が寸断され、配送業者で引き受け自体ができない場合です。
別の配送手段を取れない場合は、注文を一旦キャンセルするのか、出荷再開まで待ってもらうのかを購入者に確認するのがよいでしょう。
自社での在庫切れや商品の破損
自社で在庫切れを起こしたり、商品が破損したりなど、在庫を確保できず商品が出荷できなくなるケースがあります。また、注文後に商品をメーカーや卸元に発注している場合は、急な欠品が発生することもあるでしょう。
何らかの理由で出荷できない場合は、購入者に連絡を取って出品者都合のキャンセルを行うことになります。
予備在庫を抱えたり、欠品情報を前もって入手できる場合はあらかじめ商品の販売を一時停止するなども検討しましょう。
転売の阻止
明らかに転売目的で購入しているユーザーがいる場合、出品者都合のキャンセルを行うことも検討しましょう。
上述のような観点から、出品者都合のキャンセルは行わないほうがよいですが、1度キャンセルしたからといってただちにアカウントが削除されるわけではありません。
ただし、転売目的だと判断するのが難しい場合もあります。たとえば、ほかと比べて明らかに大量注文の場合、一度購入者にコンタクトを取って「数量に間違いはないか」などを確認しましょう。
対応方法は社内で検討して総合的に判断してください。
商品情報の誤り
商品ページに記載されている情報や金額が誤っていた場合、キャンセルを行うケースがあるでしょう。金額設定を1桁間違えたことで大量の注文が入ったり、成分表記を間違えたため、商品を発送することがユーザーにとってリスクとなった場合などです。
丁寧な説明とお詫びのうえ、キャンセルの了承をもらうようにしましょう。
Amazonでの出品者都合のキャンセルにおける防止策
Amazonで出品者都合のキャンセルを避けるには、以下のようなポイントを意識しましょう。
- 予備の在庫を抱えておく
- 欠品のおそれがある場合はあらかじめ出品を取り下げる
- 別の配送手段を用意しておく
- 商品情報は正しく記載する
出品者都合キャンセルの多くは、在庫を確保できなかったり商品ページの情報が間違っていたりすることが原因です。
できるだけ未然に防げるよう、在庫確保や商品ページのダブルチェックなどを行い、キャンセルが発生しないような対策を行いましょう。
【ケース別】Amazonでの出品者都合のキャンセルに伴って必要な対応
出品者都合のキャンセルに伴って必要な対応を2つに分けて解説します。
- 返金について
- 個人情報について
実際に出品者都合でのキャンセルが発生した場合の参考にしてくださいね。
返金について
キャンセル時に返金対応が発生するかは、注文のステータスや支払い方法によって異なります。
まず、Amazonでは「商品をキャンセル」ボタンが表示されていればキャンセル可能な状態です。
支払方法によって以下のように返金が行われます。
支払方法 | 返金方法 |
---|---|
クレジットカード | 以下から選択 ・Amazonギフトカードでの返金 ・購入時と同じクレジットカードへの返金 |
・コンビニ ・ATM ・ネットバンキング ・電子マネー払い ・Amazonギフトカード |
Amazonギフトカード残高に返金 |
携帯決済 | 購入時の携帯決済サービス経由で返金 |
・あと払い (ペイディ) ・PayPay |
それぞれのアカウントに返金 |
Amazonポイント | ポイント残高に返金 |
出品者都合でのキャンセルの場合はあまりないはずですが、既に商品を出荷後の場合、まずは商品の返品を確認してから対応するのがおすすめです。
もし「商品をキャンセル」ボタンが表示されていない場合は、購入者に連絡を取り銀行口座振り込みなどで返金しましょう。
なお、FBAの場合は返品・返金対応までAmazonのサポート側で対応が行われます。
個人情報について
返金対応時に銀行口座情報などの個人情報を入手した場合は、取り扱いに注意しましょう。漏洩すると大きなトラブルになります。
また、商品を自社から出荷する場合は、同梱する伝票を間違えて個人情報が流出するなどの事故がないよう対策を行うとよいでしょう。
【購入者向けFAQ】Amazonの注文キャンセルに関するよくある質問
購入者向けに、Amazonの注文キャンセルに関するよくある質問に回答していきます。
スムーズに対応できるよう、内容を押さえておきましょう。
購入者側の注文キャンセルにはペナルティがある?
基本的に、一般的な範囲でのキャンセルなら購入者側にペナルティはありません。「2回・3回までならOK」「定期便はキャンセルできない」といったこともないので、購入者は安心して利用できます。
ただし、短期間で何度もキャンセルするなど悪質な場合、アカウント停止などのペナルティとなる可能性はあります。
注文をキャンセルできないのはどういったケース?
以下のようなケースの場合、キャンセルリクエストができない場合があります。
- 発送まで完了して時間が経っている
- 注文から大幅に時間が経過している
- デジタルコンテンツ
上記のようなケースでは、出品者にコンタクトを取ってキャンセルできるかを確認しましょう。ただし、初期不良などでやむを得ない事情がない限り、キャンセルができない場合もあります。
キャンセルしたのに返金されない場合はどうしたらよい?
キャンセル処理から実際の返金までは少しタイムラグがあります。
通常であれば返金にかかる時間は1~3日ほどですが、システムの遅延や混雑などでさらに時間がかかるケースもあります。
あまりにも長い間返金がされない場合は、カスタマーサポートや出品者に問い合わせてください。
注文キャンセルの取り消しは可能?
システム上、キャンセルの取り消しはできません。返金後に再度購入しましょう。
キャンセルリクエストの理由はどうすればよい?
キャンセルリクエストの際、「キャンセルの理由(オプション)」を選択できます。理由によってキャンセルの可否が判断されることはないため、正直にキャンセル理由を回答すればOKです。
Amazon出品に関する相談はECのミカタへ!
本記事では、Amazonの出品者都合のキャンセルについて解説しました。アカウントヘルスへの影響があり、低評価をつけられるリスクもあるため出品者都合のキャンセルはできるだけ行わないようにしましょう。
また、Amazonの出品や運用が難しい場合は、プロのコンサル事業者に相談する手もあります。
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