Amazonの出荷遅延にはペナルティあり!遅延理由やお詫びの仕方を解説
Amazonで商品を販売する際、出荷遅延は売上や評価に大きな影響を及ぼします。
出荷遅延が発生するとAmazonからペナルティが課される可能性があり、最悪の場合アカウントの停止に至ることもあるため注意が必要です。
事前に出荷遅延が起こる主な原因を理解し、適切な対処法を確認しておけばトラブルを未然に防げるでしょう。
この記事では、出荷遅延の概要やペナルティの詳細、購入者への対応方法などについて解説します。
Amazonにおける出荷遅延の定義
はじめにAmazonの出荷遅延の定義について理解しておきましょう。
出荷遅延になるのは何日の遅れから?
Amazonでは、事前に設定した出荷予定日よりも後に発送された注文を出荷遅延と判断します。
例えば1月4日が出荷予定日の注文があった場合、何かしらの理由で1月4日までに商品を出荷できないと出荷遅延としてカウントされ、ペナルティの対象になってしまいます。
つまり、出荷予定日から1日でもオーバーすると出荷遅延と見なされてしまい、出荷遅延率が上がる原因になるため、発送関連のスケジュールは遵守することが重要です。
Amazonの出荷遅延率とは
Amazonの出荷遅延率とは、10日間または30日間の出品者出荷に設定された注文のうち、出荷予定日よりも後に発送された(出荷遅延した)注文の割合です。
出荷遅延率の計算方法は以下のとおりです。
出荷遅延率 =(出荷遅延が確認された注文 ÷ 注文総数)× 100
例えば、過去10日間で100件の注文があり、うち2件が出荷予定日以降に出荷された場合は「(2 ÷ 100)× 100 = 2%」なので、出荷遅延率は2%です。
出荷遅延率の確認方法は以下のとおりです。
- セラーセントラルの「パフォーマンス」から「アカウントの健全性」を選択
- 「出荷パフォーマンス」の中にある「出荷遅延率」をクリック
過去10日間と30日間の出荷遅延率が表示されるようになっています。
出荷遅延率は、セラーセントラルから出荷通知を送信したタイミングで決まります。
そのため商品を期日内に発送していたとしても、出荷通知の送信が期限よりも後の場合、出荷遅延の対象になってしまうのです。
Amazonの出荷遅延でペナルティ対象となるのは出荷遅延率が4%以上の場合
Amazonでは出荷遅延率が4%以上になると、ペナルティの対象になります。
注意すべきは、注文数が少ないほど1件の出荷遅延が全体の遅延率に与える影響が大きくなる点です。
例えば、10日間で25件の注文があり、そのうちの1件が出荷遅延になると出荷遅延率は4%に達してしまいます。
出荷遅延の件数が1件だとしても、注文の総数によって出荷遅延率が変わる点を覚えておきましょう。
Amazonの出荷遅延によるペナルティ
出荷遅延が発生すると、はじめにAmazonから注意喚起の通知が届きます。
ここでは状況を改善するために30日間の猶予が与えられ、出品者は対策を講じることが可能です。
同じミスが起こらないように、注文管理や発送業務のプロセスを見直しましょう。
通知が届いてからも出荷遅延率が改善されない、または状況が悪化すると、ペナルティとして出品停止やアカウント停止につながる可能性があります。
出品停止になってしまうとAmazonに商品が表示されなくなり、販売機会の損失につながるので注意が必要です。
ペナルティの重さは、過去の出荷遅延状況や注文のキャンセル率なども考慮されるため、出品者によって異なります。
アカウント健全性の指標が全体的に低い出品者の場合、一発でアカウント停止になるリスクもあるでしょう。
また、アカウント停止にも一時的な停止措置と永久的な停止措置があります。
一時的な措置の場合は、Amazonへ状況改善の説明を行うことで、アカウントを復活できる可能性がありますが、永久停止措置になると復活の可能性はほとんどありません。
出荷遅延は顧客満足度に直結する指標であるため、Amazonは出品者を厳しく管理しています。
Amazonでの販売を継続していくためにも、出荷遅延率を上げないように日頃から注意していきましょう。
Amazonの出荷遅延によるその他のリスク
出荷遅延によるアカウント停止以外のリスクは以下のとおりです。
- 低評価が増える
- 返品・返金を求められる
- キャンセルリクエストが増える
- クレームを受けやすくなる
それぞれ解説します。
低評価が増える
出荷遅延によって、セラーアカウントに低評価がつくリスクがあります。
Amazonはプライム出品による迅速な配送が魅力です。
そのため、Amazonを利用する多くのユーザーにとって、商品が予定通りに届かないことはストレスの原因になるでしょう。
セラーアカウントに低評価がつくと、出品者としての信頼性も下がります。
結果として商品が売れなくなったり、相乗り出品している商品ではカート獲得率が下がったりなどのリスクにつながりやすいです。
返品・返金を求められる
商品が予定通りに出荷されないことで、返品や返金を求められるリスクも増加します。
例えば、仕事で使う商品を注文した人の場合、商品が予定通りに届かなければ注文者の生活にも影響が発生する可能性があります。
遅れて届いた商品は使う必要がなくなるケースもあり、その場合は返品して返金を求められる可能性が高いです。
返品・返金は売上の減少だけでなく、追加の手間やコストもかかります。
さらに返品や返金率が高いセラーはAmazonから警告を受けたり、アカウントの健全性が下がったりなど、悪い影響がある点にも注意しなければなりません。
キャンセルリクエストが増える
出荷遅延は、注文のキャンセルリクエストが増えるリスクもあります。
すぐにでも商品がほしいユーザーの中には、出荷予定日を過ぎた注文をキャンセルしたいと考える人もいるでしょう。
購入者からキャンセルリクエストが届いた際に適切な返信や対応を怠ると、低評価や返品・返金などに発展するリスクもあります。
また、キャンセルリクエストが積み重なると、出品者としての評価も下がる可能性が高いです。
結果として商品が売れにくくなる原因になるので、注意しなければなりません。
クレームを受けやすくなる
出荷遅延によって、顧客からのクレームが増加するリスクがあります。
顧客によっては何度もメッセージのやり取りが必要になったり、返金対応を迫られたりなど、コミュニケーションコストが高くなるケースもあるでしょう。
出品者として真摯な対応ができていなければ、低評価がつけられるリスクもあります。
顧客満足度を低下させないためにも、予定通りの出荷を心がけましょう。
Amazonで出荷遅延が発生する理由
出荷遅延が発生する理由として、まず、在庫管理が不十分で、注文に対応できるだけの在庫がないことが挙げられます。また、商品準備や梱包の仕組みが確立されていないことも原因になり得ます。
このように出荷遅延の原因が出品者にある場合は、即座に出荷業務の効率化などの対策を検討する必要があるでしょう。
また、よくあるミスとして、商品の発送は完了しているものの出荷通知の送信を忘れているパターンもあります。
一方で、出荷遅延といえど、必ずしも毎回出品者に原因があるわけではありません。
出品者による出荷の遅れ以外に、出荷遅延が発生する主な理由は以下のとおりです。
- お届け先住所が正しくない
- 決済が完了していない
- 出品者が発送通知を送信し忘れている
出荷遅延が発生する原因は、出品者だけでなく購入者によるミスも含まれます。
例えば、ギフト用に注文した商品があり、お届け先情報を間違って入力していれば、出荷が遅れる原因になるでしょう。決済に不備があった場合も同様です。
また、複数の理由が組み合わさって、出荷が遅れるケースもあります。
Amazonで出荷遅延が発生してしまったときの適切なアクション
Amazonで出荷遅延が発生してしまった際は、以下の方法を参考に迅速なアクションをとるようにしましょう。
- 購入者に遅延が発生している旨をメールする
- 商品が届いた時点で再度お詫びのメールを送る
- より速い配送方法で出荷する
- 返品・返金に対応する
それぞれ解説します。
購入者に遅延が発生している旨をメールする
出荷遅延が発生してしまった際は、できるだけ早く購入者に連絡をしましょう。
以下の内容を含んだメッセージを作成して購入者に送信します。
- お詫びのあいさつ
- 出荷遅延の原因
- いつ出荷されるのか
- いつお届けできる予定か
- 締めのお詫びのあいさつ
商品の発送が完了してからお詫びの連絡を入れようと考える方もいますが、対応が遅れることでトラブルに発展する可能性もあるため、迅速に対応することが重要です。
また、商品の出荷が完了したら、すぐに出荷通知を送信して追跡できる状態にしましょう。
購入者が配送状況を確認できるようになるだけでなく、Amazonにも出荷の完了を知らせることができます。
商品が届いた時点で再度お詫びのメールを送る
商品が購入者の手元に届いた際は、再度お詫びのメールを送るのがおすすめです。
出品者として反省している点が購入者に伝われば、低評価やクレームにつながるリスクを最小限にできます。
反対に適当な文章のメッセージを送ってしまうと、購入者の気持ちを逆なでしてトラブルに発展する可能性があります。
購入者の気持ちになって、どのような対応を取られたら嬉しいか考えることが大切です。
より速い配送方法で出荷する
もしも設定していた配送方法よりも速く届く方法がある場合は、そちらの配送方法で商品を発送するのもよいでしょう。
住所によっては、予定通りにお届けできる可能性もあります。
出荷遅延率を下げることはできないものの、購入者に対しては親切な出品者という印象を与えられるでしょう。
返品・返金に対応する
購入者から返品や返金を求められた際は、迅速に対応することも大切です。
Amazonでは一部返金や全額返金など、購入者の希望に合わせた対応ができます。
特に返金対応は購入者の怒りを鎮める効果が高いため、少額の商品であれば返金したほうが結果的に良いケースも多いです。
稀に出荷遅延の原因がAmazonのシステムエラーというケースもあります。
この際は、購入者に「Amazon側の問題なので、Amazonのサポートに問い合わせてください」と連絡するのはNGです。
購入者の反感を買う可能性が高いので、まずは購入者の対応を出品者が行い、後日Amazonに理由を説明して対応してもらうようにしましょう。
Amazonでの出荷遅延を防ぐための対策
Amazonで出荷遅延を防ぐための対策方法についてみていきましょう。
- 出荷予定日までに出荷できる商品のみ出品する
- 出荷が完了したらすぐに出荷通知を送信する
- 注文確認と発送準備の時間を決めてルーティン化する
- FBAを活用する
出荷予定日までに出荷できる商品のみ出品する
出荷遅延を防ぐもっとも基本的な方法は、出荷予定日までに出荷できる商品のみ出品することです。
例えば下記のような商品であれば、出荷遅延リスクを最小限にできるでしょう。
- 在庫が十分にある
- 仕入れ先から迅速に調達できる
- 需要が安定している
出品中の商品がある場合は、在庫数を確認して適宜仕入れを行うことも大切です。
季節によって売れ行きが異なる商品があるときは、在庫切れを起こさないためにも仕入れ量をコントロールするようにしましょう。
出荷が完了したらすぐに出荷通知を送信する
商品の出荷が完了したら、すぐに出荷通知を送信することも大切です。
前述したとおり、Amazonでは商品の出荷が完了していたとしても、出荷通知が送信されていなければ出荷遅延と判断されてしまいます。
問題を未然に防ぐためにも、出荷が完了した時点ですぐに出荷通知を送信し、購入者が荷物を追跡できるようにしておきましょう。
注文確認と発送準備の時間を決めてルーティン化する
出荷遅延のミスを防止するには、注文確認や発送準備の時間を決めてルーティン化するのもおすすめです。
例えば12時に前日の注文を確認し、15時に発送作業を行うといったスケジュールを組むことで、作業の漏れや遅延を防げるようになります。
また、定期的な業務フローを作っておけば、スタッフ間の連携が向上して、全体的な業務効率も高められるでしょう。
FBAを活用する
最後はAmazonのFBAを活用する方法です。
FBAは在庫管理や発送業務、顧客対応などをAmazonが代行してくれるサービスです。
また、Amazonの商品ページで「プライム」のマークがつき、カートの獲得率も上がるため、商品が売れやすくなるメリットがあります。
FBAを利用すれば、出荷遅延のペナルティを受ける心配もなくなります。
ただし、FBAは自社出荷よりも手数料が高くなりやすいです。
そのため、商品によってはFBAを利用すると利益が残らないケースも考えられます。
FBAを活用する際は、AmazonのFBA料金シミュレーターを活用し、利益がどれくらい残るのかを確認して判断するようにしましょう。
出典:フルフィルメント by Amazon(FBA)|Amazon出品サービス
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FBAの手数料を一覧で紹介。計算方法や値上げについても解説
【FAQ】Amazonの出荷遅延に関するよくある質問
最後にAmazonの出荷遅延に関するよくある質問をみていきましょう。
出荷遅延があった場合、購入者には保証がある?
出荷遅延があった場合、購入者はAmazonマーケットプレイス保証として返金保証を受けられます。
Amazonマーケットプレイス保証は、オンラインショッピングをより安心して楽しめるようにするための購入者保護サービスです。
以下の条件に当てはまる場合は、Amazonマーケットプレイス保証の対象になります。
- 第三者販売事業者から通知されたお届け予定最終日までに商品が届かない
- 届いた商品が説明と著しく異なる、または破損している
- 返品後の返金が行われない
- 承認した金額以上の請求がある
ただし、以下の条件に当てはまるものは保証の対象外になります。
- サービスに対する代金の支払い
- 会員費の支払い
- デジタル商品(都度購入及び定期購入のいずれも含む)
- 現金またはストアドバリュー型の決済手段
- 寄付
- 禁止商品
Amazonマーケットプレイス保証の申請手順は以下のとおりです。
- まず販売事業者に連絡
- 1日待機後、問題が解決しない場合は申請可能
- Amazon Payのアカウントサービスにアクセス
- 該当する注文または取引の詳細を確認
- 「注文に関するご不明点がありますか?」から「Amazonマーケットプレイス保証を申請する」を選択
- 画面の指示に従って申請手続きを行う
保証の上限額は30万円で、請求日から90日以内に申請する必要があります。
また、商品の不具合や破損については、到着から30日以内に出品者へ連絡する点を覚えておいてください。
出典:
購入者向けAmazonマーケットプレイス保証による保護|Amazon
Amazonマーケットプレイス保証|Amazonカスタマーサービス
出荷遅延の場合、購入者はクーポンや1,000円がもらえることがある?
出荷遅延の際に、購入者がなんらかのクーポンをもらえるケースはあります。これは、Amazonが販売・発送する商品で出荷遅延があった場合に限ります。
また、お詫びクーポンの金額は必ずしも1,000円というわけではなく、対応するカスタマーサポートや購入金額によって変動するようです。
出荷遅延のお詫びクーポンを獲得するには、Amazonのカスタマーサポートに問い合わせる必要があります。
また、確実にクーポンがもらえるわけではないので、まずはカスタマーサポートに連絡してみるとよいでしょう。
出荷ではなく配送が遅延した場合、出品者にペナルティはある?
ケース・バイ・ケースですが、Amazonでは配送業者のトラブルであっても出荷遅延の対象になる可能性があります。
しかし、天災やAmazonの大型セールによる配送の遅延などは、出荷遅延の対象外になることもあるでしょう。
万が一、配送業者のミスが原因で出荷遅延率が上がってしまった場合は、テクニカルサポートに連絡して事情を説明してみてください。
Amazonが審議して問題がなければ、出荷遅延率を調整してくれます。
Amazon出品の在庫管理や発送の業務は外部に委託するのもあり◎
Amazonでは出荷遅延を厳しく管理しています。
出荷遅延率が4%以上になると、アカウント停止のペナルティを受ける可能性もあるので、在庫管理や発送業務のミスは最小限に抑えたいものです。
しかし、商品の出荷数が増えるほど出荷通知を忘れてしまったり、在庫切れを起こしてしまったりなどのリスクが増えてしまうでしょう。
「自社のリソースだけでは出荷遅延が起きてしまいそうで心配」
「商品数が増えてきて管理が大変になってきた」
このような方は、発送業務をアウトソーシングするのがおすすめです。
自社に合った外注先を見つけることができれば、出荷作業をプロに任せてEC事業の生産性を高められるでしょう。
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