年末年始の買物客を狙ったAI詐欺が増加する可能性 マカフィー調査
オンラインのセキュリティ対策製品を提供しているマカフィー株式会社(以下:マカフィー)は2024年11月21日、「2024年ホリデーショッピング詐欺に関する調査」の結果を発表した。本記事では一部内容を抜粋して紹介する。
調査概要
◆調査テーマ:ディープフェイク、詐欺メッセージ、ホリデーショッピング
◆調査時期:2024年11月
◆調査方法:オンライン
◆調査国:米国、オーストラリア、インド、英国、フランス、ドイツ、日本の7カ国
◆調査対象:18歳以上の成人
◆調査人数:7128人
◆出典元:2024年ホリデーショッピング詐欺に関する調査(マカフィー株式会社)
AI詐欺の台頭がオンライン上の習慣を変えるきっかけに
「2024年ホリデーショッピング詐欺に関する調査」の主な傾向は以下の通りだ。
◆詐欺メッセージが急増
昨今ではAIが生成した詐欺メッセージが溢れており、多くの人が被害に遭っている。本調査では、日本人の79%が「AI詐欺の台頭がオンライン上の習慣を変えるきっかけになっている」と回答した。
◆お得な情報に飛びつく代償
インフレによる物価上昇を受け、52%の日本人が年末年始のセールを狙って買い物する予定と回答。安さを追い求めるあまり、詐欺に遭遇するリスクが高まる可能性がある。
◆ SNSでのショッピングに潜むリスク
米国人の12%がTikTok(日本でのサービス利用不可)、7%がInstagram、5%がPinterestでの買い物を計画していると回答した一方、日本で「Instagramで買い物をする予定」と回答した人は2%に留まる。このことから、日本のホリデーショッピングはECサイトの利用が主流であるといえるだろう。SNSショッピングは便利だが、消費者は新しいリスクにさらされることにもなる。気が散漫しているシーンでの買物には注意が必要だろう。
進化するAIが詐欺の検知を困難にしていることを懸念
日本人の61%は「サイバー犯罪者の活動はホリデーシーズンに活発になる」と考えており、84%が「進化するAIが詐欺の検知を困難にしていることを懸念」と回答。詐欺の増加が買物客の不安を増幅させ、35%の人が「昨年よりも今年のホリデーシーズンにオンライン詐欺に遭うことを心配」していることが明らかとなった。
本調査では半数以下が「メッセージの信憑性を常に確認している」と回答し、約3人に1人が「時々確認する」、約5人に1人が「まったく確認をしない」と続いた。
警戒心を怠ると、本物のように装った詐欺に遭う危険性が高くなるため注意が必要だ。
加えて、AIで生成されたディープフェイク詐欺も顧客にとって新たな脅威となっている。日本人の10人に1人(11%)がディープフェイクで加工された有名人が推奨する偽の商品とは知らずに購入したことがあり、半数以上(54%)が1年前に比べてディープフェイクをより懸念していると回答した。
ホリデーシーズンにはあらゆる詐欺の罠が仕掛けられている
本調査を受け、マカフィー株式会社の代表取締役社長である栗山憲子氏は以下のようにコメントした。
「AIの進化によって、今や驚くほどリアルな有名人による偽の推奨が出回るようになり、信頼の厚いブランドのメッセージやウェブサイトまで完璧に模倣することができます。(中略)買い物に心が躍るホリデーシーズンには、あらゆる詐欺の罠が仕掛けられているため、セキュリティ意識を高めて警戒を怠らず、年末年始の買い物を安全にお楽しみください」
リンクのクリックを促すようなメールやSMSを受け取った場合、それがお得な価格で有益な情報であったとしてもメッセージに反応しないことが得策となる。各事業者は消費者に対して、改めて詐欺被害などを未然に防ぐための注意喚起を行う必要があるだろう。同時に、安心・安全な購買環境を提示できるよう、最新のセキュリティ対策といった対策も進めたい。
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