米国サイバーマンデー、オンライン売上高が過去最高に アドビ調査
アドビ株式会社(以下:アドビ)は2024年12月4日、感謝祭(11月28日)からブラックフライデー(11月29日)を経たサイバーマンデー(12月2日)までのサイバーウィーク5日間を対象としたオンラインショッピングデータ(※1)を発表した。本記事では一部内容を抜粋して紹介する。
※1:アドビの分析ソリューションAdobe Analyticsを通じて得られたオンラインでの商取引データからEコマースの状況を示す最も包括的な分析。米国の小売りサイトへの1兆回以上の訪問、1億個のSKU、18の製品カテゴリーから得られたデータに基づく。
オンライン売上高は133億ドル、前年比7.3%増に
サイバーマンデーのオンライン売上高は133億ドル(2024年12月5日時点:約1兆9999億円)でと前年比7.3%増となり、アドビの当初予想の132億ドル(同時点:約1兆9848億円)を上回った。
ピーク時(米国東部時間:午後8時~10時)には毎分1580万ドル(同時点:約23億7583万円)が消費された計算となる。
一方、サイバーウィーク(11月28日から12月2日までの5日間)全体を通じてのオンライン売上高は前年比8.2%増の411億ドル(同時点:6兆1810億円)を記録。これは、感謝祭61億ドル(同時点:9173億7900万円)(前年比:8.8%増)、ブラックフライデー108億ドル(同時点:1兆6241億円)(前年比:10.2%増)、11月30日と12月1日の週末109億ドル(同時点:1兆6391億円)(前年比:5.8%増)といった記録的な売上がけん引した。
アドビはこの額が、ホリデーシーズン全体(2024年11月1日から12月31日まで)で2408億ドル(同時点:36兆2121億円)、前年比8.4%増になると予想している。
玩具が最も人気のカテゴリーに
サイバーマンデーの売上高では、ぬいぐるみや人形、レゴシティセット、工作や科学キット、100周年記念のディズニー限定フィギュアパックなどの玩具がトップとなり、2024年10月の平均的な日と比較してオンライン販売が680%増加した。
その他の需要の高かったカテゴリーは以下の通り。
◆パーソナルケア製品(オンライン販売が530%増)
◆宝飾品(同478%増)
◆家電製品(同464%増)
◆エレクトロニクス(同452%増)
◆アパレル(同392%増)
その他商品ではコンピュータやノートパソコン、デジタルカメラ、テレビ、Bluetooth対応ヘッドフォンやスピーカー、スキンケアセットや化粧品、格安アパレル、電動スクーターや電動自転車、ギフトカード、宝飾品、スマートウォッチに人気が集まった。
オンライン販売の57%がモバイルデバイス経由
アドビはサイバーマンデーのインサイトとして、以下項目をあげている。
◆モバイルショッピングが主流に:オンライン販売の57%がモバイルデバイス経由で行われ、前年比13.3%増の売上を記録。
◆後払い決済の大幅普及:後払い決済の大部分はモバイルデバイスで行われており、サイバーマンデーでは75.2%を占める。
◆消費者が生成AIを活用:チャットボットからの小売サイトへのトラフィックが前年比で1950%増加。
◆SNSインフルエンサーの存在感が高まる:「アフィリエイトおよびパートナー経由」の収益シェアは、サイバーマンデーでは20.3%と前年比で6.8%増加。
今シーズンの堅調な消費者支出は、新規の需要増加によってもたらされており、価格の上昇によるものではないとアドビは指摘。Adobe Digital Price Index(アドビデジタル物価指数)によると、Eコマース価格は26カ月連続で下落しており(2024年10月には前年同月比2.9%減)、もしオンラインデフレが考慮されていれば、消費者支出総額はさらに高い伸びを示すと続けた。
本格化する年末年始商戦へ向け、引き続きセールなどのキャンペーン展開が想定される。さらなる発展を続ける市場動向に引き続き注目したい。