越境ECサイトをランキング形式で国別・商品ジャンル別に紹介!

ECのミカタ マーケティング部

越境ECサイトをランキング形式で国別・商品ジャンル別に紹介!

越境EC市場は、近年急速に拡大しており、国境を越えたオンラインショッピングが多くの企業にとって新たな成長機会となっています。
特に、中国やアメリカといった主要国をはじめ、ECサイトの利用が世界中で活発化しており、市場規模は年々増加傾向にあります。
本記事では、国別に人気の越境ECサイトランキングを紹介するとともに、アパレルや化粧品など商品ジャンル別に適したECサイトをピックアップします。
また、越境ECで成功している基本企業の事例や市場動向についても詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。

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越境ECの市場規模

越境EC市場は、テクノロジーの進化や消費者ニーズの多様化などから、世界中で急速に拡大しています。

ここでは、国別のEC市場規模や、世界的な市場成長の傾向について詳しくみていきましょう。

国別のEC市場規模・シェア率

出典:令和5年度 電子商取引に関する市場調査|経済産業省

2023年の国別EC市場規模を確認すると、中国が圧倒的なシェアを持ち、市場全体の51.3%を占めています。

次いでアメリカが19.5%、イギリスが3.6%、日本が3.4%、韓国が2.1%となっており、日本のシェア率はトップ2と比較するとまだまだ低いことが分かるでしょう。

中国とアメリカの2か国だけで、世界の市場の約70.9%を占めています。

中国の市場規模の大きさは、ECの普及率が高く、国内消費者がオンラインで商品を購入する文化が広く浸透している点にあります。

アメリカは、世界的に見ても多様な購買層を持っており、利便性や価格競争力が重視される市場として安定した成長を続けているのが特徴です。

一方、日本は全体のシェアが3.4%と、中国やアメリカには及びませんが、品質の高い製品が海外で評価され、美容やアニメ関連商品への需要が根強い人気を持っています。韓国も日本と同様、特定のジャンルでの強みを持つ市場になっています。

これらのデータから分かるように、越境ECにおいては特に中国とアメリカの市場規模が大きな影響力を持つことが明らかです。これらの国々をターゲットにした戦略は、越境ECを成功させるうえで欠かせないでしょう。

世界の越境EC市場は拡大傾向

出典:令和5年度 電子商取引に関する市場調査

世界の越境EC市場は急成長しており、2030年には市場規模が7兆9,380億USドルに達すると予測されています。この成長を支えるのは、技術革新や新興国市場の拡大です。

近年では翻訳ツールやAIを活用したレコメンデーション(ユーザーの嗜好に合わせて商品を提案する)技術が発達し、言語や文化の壁を越えて取引が行いやすくなってきました。また、東南アジアや南米といった新興国では、スマートフォンの普及が進み、ECサイトの利用者が増えてきています。

さらに、物流インフラの整備も市場拡大を後押ししています。配送コストの低下や迅速な国際配送サービスの普及により、消費者が手軽に海外商品を購入できる環境が整いました。

これから越境ECを始める企業にとっては、市場の成長を視野に入れた計画的な戦略設計が重要になるでしょう。

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【中国】越境ECサイト売上ランキング

ここでは、中国の越境ECサイトをランキング形式で紹介します。

下の表は、中国の越境ECのシェア率です。

サイト名 市場シェア
(2023年)
特徴
JD.com (京東) 17.80% 自社物流ネットワークを駆使し、迅速で信頼性の高い配送サービスを展開。家電やデジタル機器に強い。
Pinduoduo (拼多多) 17.30% 地方の中・低所得層をターゲットにし、共同購入で割安な商品提供が特徴。新興EC事業者として急成長中。
Tmall Global (天猫国際) - アリババグループ※が運営するプラットフォームで、中国最大規模の越境ECサイト。品質保証と豊富な品揃えが魅力。

※アリババグループ(Alibaba)全体のシェア率は41.60%

出典:令和5年度 電子商取引に関する市場調査|経済産業省

中国の越境EC市場では、JD.comが17.8%、Pinduoduoが17.3%と、それぞれ異なる特徴を持ちながら市場で存在感を発揮しています。

なお、アリババグループ率いるTmall Globalは最大シェアを持つともされていますが、公式データが不明のため、参考として記載しています。

中国の越境EC市場規模

2023年の各国間の越境EC(BtoC)の市場規模

  日本から買う 米国から買う 中国から買う 総市場規模
日本購入額   3,768億円 440億円 4,208億円
米国購入額 1兆4,798億円   1兆0,502億円 2兆5,300億円
中国購入額 2兆4,301億円 2兆9,610億円   5兆3,911億円

出典:令和5年度 電子商取引に関する市場調査|経済産業省

経済産業省の資料によると、日本・中国・アメリカ間における中国の越境EC総市場規模は5兆3,911億円となっています。

前年度のデータと比較すると、総市場規模は5兆68億円から3,850億円ほど増えており、中国での購入額、日本とアメリカからの購入額ともに伸長しています。

2位:Pinduoduo(拼多多)

Pinduoduoは地方の中・低所得層をターゲットにしたユニークなECプラットフォームです。

共同購入の仕組みを活用することで、消費者が友人や家族と一緒に商品を購入し、割安な価格を実現できる仕組みになっています。このモデルは地方市場や価格に敏感な消費者に特に受け入れられています。

また、PinduoduoはSNSのような機能を持っており、エンターテインメント要素を加えた購買体験を提供しているのも特徴です。これにより、利用者が楽しみながら買い物をする仕組みが作られています。

新規出店のハードルが低く、比較的小規模な事業者でも参加しやすい点なども魅力といえるでしょう。

1位:JD.com(京東)

JD.comは自社の物流ネットワークを駆使した高品質な配送サービスが強みの越境ECサイトです。

中国全土をカバーする配送網により、多くの商品が迅速かつ確実に消費者へ届けられます。特に、Amazonのような24時間以内の配送サービスがある点は、ほかの競合サイトに差をつける魅力の1つです。

商品カテゴリーでは家電やデジタル機器の販売に強みを持ち、信頼性を重視する消費者層から高い支持を得ています。

プラットフォーム内では、購入後のレビューや商品の詳細情報が充実しており、日本の事業者にとっても商品の魅力を訴求しやすい環境が整っています。

参考:Tmall Global(天猫国際)

Tmall Globalはアリババグループが運営する中国最大の越境ECサイトです。

Tmall Globalでは、品質保証が徹底されており、信頼性の高い商品を提供する仕組みが整っているのが強みです。

日本の小売業者にとっては、Tmall Globalを通じて中国市場にアクセスし、海外の消費者に直接リーチできる点がメリットといえます。

また、マーケティング支援やデータ分析ツールが充実しており、消費者の購買傾向を的確に把握し、販売戦略を最適化することが可能です。

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【アメリカ】越境ECサイト売上ランキング

ここでは、アメリカの越境ECサイトをランキング形式で紹介します。

サイト名 市場シェア (2023年) 特徴
Amazon 39.6% 世界最大のECプラットフォームで、幅広い商品カテゴリーを取り扱い、迅速な配送サービスが強み。
Walmart 7.4% 小売業の巨人であり、食品や日用品を中心に展開。オンライン市場でもシェアを拡大中。
eBay 3.1% CtoC取引を得意とするマーケットプレイスで、ユニークな商品や中古品の取引が多い。

出典:令和5年度 電子商取引に関する市場調査

アメリカの越境EC市場規模

2023年の各国間の越境EC(BtoC)の市場規模

  日本から買う 米国から買う 中国から買う 総市場規模
日本購入額   3,768億円 440億円 4,208億円
米国購入額 1兆4,798億円   1兆0,502億円 2兆5,300億円
中国購入額 2兆4,301億円 2兆9,610億円   5兆3,911億円

出典:令和5年度 電子商取引に関する市場調査|経済産業省

日本・中国・アメリカ間におけるアメリカの越境EC総市場規模は2兆5,300億円となっています。

前年度のデータと比較すると、総市場規模は2兆2,111億円から3,200億円ほど増えており、中国同様、アメリカでの購入額、日本と中国からの購入額も増えています。

アメリカでは、中国より日本の商品の購入額が上回っており、日本商品の人気さが伺えます。反対に、日本からの購入先もアメリカからの購入額が大幅に上回っています。

3位:eBay

eBayはCtoC(消費者間取引)を得意とするアメリカの越境ECサイトです。

ユニークな商品や中古品の販売が活発で、世界中のバイヤーとセラーを結びつける役割を果たしています。日本の小売業者にとっては、日本独自の商品やアンティーク品、限定商品といった独自性のあるアイテムを販売するのに最適なプラットフォームといえるでしょう。

eBayは190か国以上で利用されており、国際的な市場での販売を簡単に始められるメリットがあります。多言語対応や安全な取引システムなども整っており、初めて越境ECに挑戦する事業者にとって安心感のある選択肢といえるでしょう。

2位:Welmart

Walmartはアメリカの小売業を代表する企業であり、オンライン市場でもその存在感を発揮しています。

食品や日用品、家電製品などの取り扱いが充実しており、幅広い顧客ニーズに対応しているのが特徴です。また、Walmartのオンラインストアは「お得感」を重視した戦略を展開しており、低価格商品を求める消費者に強くアピールしています。

日本の小売業者がWalmartに出品する際には、価格競争力のある商品や実用性の高い製品を提供することで成果が期待できます。また、アメリカ市場での実績を持つことで、他国への進出にもつなげやすくなるでしょう。

1位:Amazon

Amazonはアメリカ市場において39.6%という、圧倒的なシェアを誇る世界最大級のECプラットフォームです。

豊富な商品カテゴリーに加え、迅速かつ信頼性の高い配送サービス「Amazon Prime」は多くの消費者に支持されています。日本の商品も「Made in Japan」ブランドとして注目されており、特に美容品や健康食品、キッチン用品、文具用品などの分野が人気です。

Amazonではセラー向けの各種ツールが充実しており、売上分析や広告運用の最適化を容易に行えます。また、FBA(フルフィルメント by Amazon)を活用することで、物流やカスタマーサービスをAmazonに任せることができます。

すでに日本のAmazonでセラーアカウントを持っている方の場合は、同じ管理画面から他国での販売を始められるので、スムーズに越境ECを始められるでしょう。

【アパレル・ファッションに強い】越境ECサイト3選

アパレルやファッション系に強い越境ECサイトを3つ厳選しました。

サイト名 利用者の多い国 特徴
Vip.com (唯品会) 中国 中国 ・会員制ディスカウントサイト
・ファッションや化粧品に強みを持つ
・正規品保証が特徴
Lazada シンガポール 東南アジア諸国 ・アリババグループ傘下のECプラットフォーム
・東南アジア最大級
Shopee シンガポール 東南アジア諸国 ・手軽に出品や購入が可能なプラットフォーム
・モバイルファースト設計が人気
・低価格商品が多い

Vip.com(唯品会)は、中国国内で特に人気のある会員制ディスカウントサイトで、ファッションや化粧品を中心に取り扱い、正規品保証により消費者からの信頼を得ています。

一方、Lazadaはシンガポールを拠点とする東南アジア最大級のECプラットフォームで、タイやインドネシアなどで広く利用されており、アリババグループの強力な物流ネットワークを活用した迅速な配送が特徴です。

Shopeeは同じくシンガポール発のプラットフォームで、モバイルユーザーを重視した設計と手軽な出品・購入プロセスにより、東南アジアの若い層を中心に急成長しています。

【化粧品に強い】越境ECサイト3選

化粧品の販売に強い越境ECサイトを3つ紹介します。

サイト名 利用者の多い国 特徴
Tmall Global(天猫国際) 中国 中国 ・中国最大規模の越境ECサイト
・海外ブランドの化粧品が豊富
・品質保証が徹底され、信頼性が高い
Vip.com (唯品会) 中国 中国 ・会員制ディスカウントサイト
・化粧品や美容関連商品の割引販売が人気
・正規品保証が強み
Lazada シンガポール 東南アジア諸国 ・東南アジア最大級のECプラットフォーム
・韓国や日本の化粧品ブランドが多く販売されている

化粧品の越境EC市場では、中国と東南アジアが特に活発です。

Tmall Globalは、品質保証が徹底されているといわれ、日本の化粧品もよく売れています。中国市場でブランドを認知させるには有効な選択肢といえます。

Vip.comはディスカウント形式を採用しており、価格競争力の高い商品を扱う業者に適しています。

Lazadaは東南アジア市場をターゲットとし、日本や韓国ブランドが人気です。

【アニメ・フィギュアに強い】越境ECサイト3選

アニメやフィギュアに強い越境ECサイトを3つ紹介します。

サイト名 利用者の多い国 特徴
あみあみ
(大網)
日本 世界中 ・日本発のアニメグッズやフィギュア専門ECサイト
・公式グッズや限定商品を多く取り扱う
Tmall Global(天猫国際) 中国 中国 ・日本製アニメ関連商品やフィギュアが中国国内で人気
・公式ブランドの正規品が販売されるため安心感がある
eBay アメリカ 世界中 ・CtoCプラットフォーム
・希少なコレクター向けアニメグッズやフィギュアが取引されている

あみあみは日本国内外でのアニメファンをターゲットにした専門サイトで、公式グッズを求めている顧客にリーチできます。

Tmall Globalは品質保証の信頼性を活用できるため、日本国内のフィギュアブランドの商品を高値で販売しやすいです。

eBayはコレクター市場を中心に、希少性の高い商品を求める消費者に適しており、世界中のバイヤーにアピールできます。オークション形式を採用すれば、注目度を高められます。

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日本企業の越境ECサイト(自社サイト)成功事例

ここでは、越境ECで成功している基本企業の事例について紹介します。

  • あみあみ(大網)
  • ユニクロ(ファーストリテイリング)
  • ヤーマン

あみあみ(大網)

「あみあみ」は、日本のフィギュアやアニメ関連商品を取り扱う専門店で、越境EC市場で成功しています。

元々は国内のECモールにて出店していましたが、ホビー部門でトップを獲得する実力を背景に、海外展開を本格化しました。その結果、スペインをはじめとするヨーロッパ各国から注文が殺到し、1秒間に20個の商品が売れるという驚異的なペースを実現しています。

成功要因は、高品質な日本製フィギュアやアニメ関連商品に対する世界的な需要の高さだけではなく、あみあみが提供する商品ラインアップの充実度や信頼性にあります。

また、アイブイピーの越境EC支援サービスを活用することで、サイトの多言語対応や安定した物流ネットワークの構築を実現し、海外顧客にストレスのない購買体験を提供できた点も成功要因の1つといえるでしょう。

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ユニクロ(ファーストリテイリング)

ユニクロは販売国・地域ごとに専用のECサイトを設け、現地の言語に対応した自社ECサイトを運営することで、各市場に合わせた柔軟な戦略を実現し成功を収めています。

自社ECサイトの特長として、ユーザーの利便性を追求した独自の機能が挙げられます。

例えば、サイズや在庫に関する疑問をリアルタイムで解決できる「IQチャットサポート」を導入し、オンラインショッピングの顧客体験を向上させています。

また、ユニクロは中国をはじめとする海外で1698店舗(2024年8月時点)を展開しており、実店舗とECの相乗効果を活用しています。実店舗で購入した顧客がECサイトでリピート購入する流れを構築し、オンラインとオフラインを融合させた強固な販売ネットワークを確立しました。

品質の高さや信頼性を背景に、越境EC市場での安定した成長を続けています。

ヤーマン

美容家電を中心に展開するヤーマンは、特に中国市場での存在感が際立っています。

プロモーションにはライブコマースを活用し、商品の魅力を効果的かつ分かりやすく伝えることに成功しました。

ライブ配信には、現地の皮膚科医や中国版インフルエンサーであるKOL(Key Opinion Leader)などを起用し、信頼性の高い情報を提供して消費者の関心を引き付けています。

また、中国最大のECモール「天猫国際(Tmall Global)」が開催する一大イベント「独身の日」のセールでは、美容機器部門で5年連続の販売実績1位を達成。

2023年には、販売実績で中国ブランドに次ぐ第2位となるなど、安定した成果を上げています。

日本製の美容家電の高い品質と機能性に加え、現地市場に最適化したプロモーション戦略が功を奏し、越境EC事業に成功しています。

越境ECを始めるなら専門家のサポートを受けるのがおすすめ◎

越境EC市場は急速に拡大し、多くの日本企業が成功を収めています。

しかし、国内販売とは異なり、越境ECでは国ごとの消費者ニーズ、物流、決済手段、言語対応など、さまざまな考慮すべき点があるのも事実です。そのため、越境ECを成功させるには、専門的な知識と経験を持つパートナーのサポートが欠かせません。

ECのミカタでは、越境ECに取り組むうえで強い味方となってくれる支援事業者をご紹介しています。戦略設計から出店代行など、越境ECを始めるうえで障壁になりやすいポイントをサポート企業とマッチングできます。

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