EC事業者1000名が回答した越境ECの初期予算や実施期間の最適解とは? DMソリューションズ調査
ディーエムソリューションズ株式会社(以下:DMソリューションズ)は2024年12月10日、EC事業を運営している担当者や責任者を対象に実施した「越境EC事業化にあたっての意識・実態調査」結果を公表した。本記事では一部内容を抜粋して紹介する。
調査概要
◆調査対象:20〜70代の男女
◆調査人数:1000名
◆調査条件:EC事業を運営している担当者・責任者
◆調査地域:全国
◆調査期間:2024年11月25日~28日
◆調査方法:インターネット調査
◆出典元:越境EC事業化にあたっての意識・実態調査(ウルロジ調べ)
約7割のEC事業者が越境ECに着手
「現在の越境ECの状況について教えてください」と質問したところ、「すでに複数の国で実施(25.1%)」、「すでに一国で実施(23.6%)」、「直近での実施に向けて進行中(17.4%)」と、約7割のEC事業者が越境ECに着手していることが明らかとなった。
続いて「越境ECを事業化する上での課題となりそうな点」を複数回答で質問したところ、「進出先国の言語対応(42.4%)」、「海外発送用の物流体制の構築(38.0%)」、「進出先国の法令対応(37.5%)」という回答が上位に並んだ。
これらの結果から、EC事業者は、越境ECに参入する際に、言語、物流、法規制といった3つの壁に直面することがうかがえる。特に、言語の問題は、顧客対応、マーケティング、ウェブサイトの翻訳など、越境ECのあらゆる場面で発生するため、事業者にとって大きな負担となる可能性があるだろう。
年間予算は100万円〜500万円がボリュームゾーン
「越境EC事業を事業化する前提で、初期のおおよその年間予算について教えてください」と質問したところ、おおよそ100万円〜500万円がボリュームゾーンとなった。
一方、年間2000万円以上の予算を投じる企業も一定数存在し、越境EC事業への投資規模は企業によって大きく異なることが見受けられる。
初期予算が低い企業は、まずは小規模な投資で越境ECを試行し、徐々に事業規模を拡大していく戦略を取っていると考えられるだろう。初期予算が高い企業は、最初から大規模な投資を行い、早期に市場シェアを獲得することを目指しているようだ。
越境ECは比較的短期間で成果が求められる
「越境EC事業を開始した場合、撤退・継続の判断を下すマイルストーンを事業開始からどれくらいに設定するか」という質問をしたところ、全体の7割以上が「開始から2年以内」で越境EC事業の撤退・継続を判断する傾向がみられた。
さらに、約半数が1年~1年半で判断していることから、越境EC事業は、比較的短期間で成果が求められる事業であるといえる。
越境EC市場は、世界中の顧客に商品を販売できる大きなチャンスを秘めており、本調査でも明らかとなったようにすでに多くの事業者が参入に乗り出している。
しかし、越境ECには、言語、物流、法規制、マーケティングなど、国内ECとは異なる特有の課題が存在する。未参入の事業者は、こうした課題を克服するための情報収集や、越境ECを支援するサービス・ツールの活用を積極的に検討する必要があるだろう。
越境ECを通した販路拡大、売上向上を目指す事業者は、本調査内容を参考に今後の施策を検討してほしい。