コロナ禍を経て食品通販はどう変化した? アイランド調査
アイランド株式会社(以下:アイランド)が運営する日本最大級のお取り寄せ情報サイト「おとりよせネット」が、食品通販に関するアンケート調査を実施、結果を公表した。本記事では、2019年(コロナ禍前)との比較を交えながら、調査のポイントを紹介する。
調査概要
◆2024年お取り寄せに関するアンケート詳細
▷調査方法:おとりよせネットにてアンケートを実施
▷回答者詳細:男性28%・女性71%・回答しない1%(~20代4%・30代15%・40代30%・50代29%・60代以上24%)
▷有効回答:360名(食品通販経験者を限定/設問によって回答数が変動)
▷実施期間:2024年11月22日~12月22日
▷調査方法:おとりよせネットにてアンケートを実施
▷回答者詳細:男性25%・女性74%・回答しない1%(~20代6%・30代18%・40代36%・50代27%・60代以上14%)
▷有効回答:515名(食品通販経験者を限定/設問によって回答数が変動)
▷実施期間:2019年10月15日~11月15日
◆出典:食品通販に関するアンケート調査(アイランド株式会社)
ご褒美や特別感のあるものの購入傾向が高まっている
食品通販の頻度についてヒアリングしたところ、2019年、2024年ともに「1カ月に1回以上/3カ月に1回以上」が30%前後となっている。
一方、2024年は「1年に1回以上」が6ポイント増加。アイランドはこの結果について、近年の節約志向の高まりを受け、定期的に購入するのではなく「時々のご褒美や特別感のあるもの」の購入傾向が高まっていると推測する。
食品通販を利用する理由やシチュエーションについて、2024年は「自分へのご褒美」が最多の60%となり、次いで「家族・友人・知人への贈り物」「普段使い」と続いた。
2019年との調査比較では「自分へのご褒美」は10ポイント増加しており、日常にハレをもたらしたり特別感のあるもの、癒やしを求める消費嗜好の影響はコロナ禍以降で活発化している様子がうかがえる。
SNSを通して認知度を向上
食品通販の商品認知において2019年から10ポイント増となったのが「SNS」で、近年の影響力が見受けられる。中でも、食品通販をするきっかけとなったSNSは「Instagram(47%)」が最多となった。
SNSの投稿をきっかけにして食品通販をした理由について、「商品の画像が美味しそうだった(73%)」「口コミなどが高評価(38%)」「動画での紹介が分かりやすい(36%)」が上位に並ぶ。この結果を受け同社は、商品画像、動画などの視覚的なコンテンツは購買意欲を高める傾向があると分析する。
さらなる伸長が期待される食品通販
経済産業省の「令和5年度電子商取引に関する市場調査」によれば、2023年(令和5年)のサービス系分野のBtoC-EC市場では、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で落ち込んでいた旅行サービス、飲食サービス、チケット販売などのカテゴリーが大きく伸長(下図)。同じく物販系分野のBtoC-EC市場規模の内訳をみると、「食品、飲料、酒類」市場は2兆9299億円と、前年比で6.52%の増加となっている。
※画像元:令和5年度電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました(経済産業省)
SNSの普及と口コミの影響力が高まる中、今後も食品通販市場はさらなる伸長が期待される。食品EC業界の動向に注目が集まりそうだ。