2024年のクレジットカード不正利用被害額は前年比2.6%増の555億円に 日本クレジット協会集計
一般社団法人日本クレジット協会(以下、日本クレジット協会)は2025年3月7日、クレジットカード発行会社を対象としたクレジットカード不正利用被害実態調査の、2024年第4四半期(10月~12月分)の集計値をとりまとめた。あわせて公表された2024年通年の不正利用被害額は555.0億円で、2023年の540.9億円を2.6%上回る結果となった。
※出典元:クレジットカード不正利用被害の集計結果について(一般社団法人日本クレジット協会)
第4四半期の不正利用被害額は前期比22.3%の増加
本調査によると、2024年第4四半期のクレジットカード不正利用被害額は162.3億円で前期比(2024年第3四半期)で22.3%の増加となった。
その他の詳細は以下の通り。
◆不正利用被害額に占める偽造被害額:2.2億円(前期比:4.8%増)
◆番号盗用被害額:150.7億円(前期比:24.1%増)
◆その他不正利用被害額:9.4億円(前期比:2.2%増)
こうした要因から、不正利用被害額の前年同期比(2023年10月~12月)では17.1%の増加となった。
▼クレジットカード不正利用被害の発生状況
※画像元:クレジットカード不正利用被害の集計結果について(一般社団法人日本クレジット協会)
通年の不正利用被害額は前年比2.6%増加
2024年通年の不正利用被害額は555.0億円で前年比2.6%増。不正利用被害額に占める偽造被害額は5.9億円(同90.3%増)、番号盗用被害額は513.5億円(同1.7%増)、その他不正利用被害額は35.6億円(同7.6%増)となった。
▼クレジットカード番号盗用の国内・海外別内訳
※画像元:クレジットカード不正利用被害の集計結果について(一般社団法人日本クレジット協会)
近年のクレジットカード不正利用被害の急増に関しては、同協会や関係省庁等が消費者への注意喚起なども行っているものの、2024年の被害額は、その前年を大きく上回った2023年の被害額をさらに超えたことが明らかになった。
日本クレジット協会では2025年3月末に、クレジットカードショッピング市場規模(信用供与額)に占める不正利用被害額の割合を算出した「不正発生率」の公表も予定しているとのことだ。
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調査概要
◆調査元:一般社団法人日本クレジット協会
◆調査対象:国際ブランドカードを発行している会社を中心に、銀行系カード会社、信販会社、流通系クレジット会社、中小小売商団体等
◆回答社数:2024年3月集計分まで41社、2024年4月集計分より40社
※銀行系カード会社のFC・BC各社は国内ブランド会社単位で、また日本専門店会連盟・エヌシー日商連の各単会は連盟単位でそれぞれ1社としている
◆集計数字:調査票提出会社のキャッシングを含む不正利用被害額を加算合計したものであり、海外発行カード分は含まない
※2014年~2016年、2017年1月~6月、2018年7月~9月、2019年10月~2020年12月、2022年4月~9月、2023年1月~3月、2024年1月~6月の集計数字は変更が生じたため、修正している
※2021年より、構成比は、単位未満を四捨五入しているため、内計と計は一致しない場合がある