2024年4月以降、荷待ち時間「短くなった」と感じるトラックドライバーは半数以下 Hacobu調査

ECのミカタ編集部

「2024年問題」から1年、荷主がドライバーに“選ばれるˮ時代へ。

株式会社Hacobu(以下、Hacobu)は2025年3月、全国のトラックドライバーを対象に「働き⽅に関する実態調査」を実施し、その結果をリポートとして公表した。いわゆる「物流の2024年問題」を受けて、トラックドライバーの働き方や荷主の対応にどんな変化があったのか。公開された同調査結果から、一部内容を紹介する。

調査概要

◆調査タイトル:「2024年問題」から1年。トラックドライバーの働き⽅に関する実態調査
◆調査主体:株式会社Hacobu
◆調査期間:2025年3⽉3⽇〜3⽉7⽇
◆有効回答数:1271名
◆調査⼿法:全国のトラックドライバーを対象に、Hacobuの会員登録者を中⼼にインターネット調査を実施
◆調査範囲:本調査は特定の運⾏に限定せず、回答者の担当する全ての業務が対象
◆出典:「2024年問題」から1年、荷主がドライバーに“選ばれるˮ時代へ。(株式会社Hacobu)

平均荷待ち時間が「1時間以上」のドライバーが半数超

ドライバーの長時間拘束の原因の一つとなる「荷待ち時間」について、本調査によれば「1⽇あたりの平均荷待ち時間」では、「1時間〜2時間未満」が最多(38.5%)。「2時間以上(15.6%)」と合わせると、過半数が1時間以上の荷待ちを経験していることが判明した。

また2024年4⽉以降の荷待ち時間の変化について、「⼤幅に短くなった」が7.7%、「やや短くなった」が39.7%で、改善を実感しているドライバーは半数未満に留まった。

Hacobuはこの結果について、「『2024年問題』から1年が経過した今も、ドライバーにとっては⼗分な改善が感じられていない実態が浮き彫りとなった」と考察している。

荷主の対応で改善してほしい点、「待機場所の確保」がトップ

「荷待ちを減らすための取り組みを⾏っている荷主はどの程度あると感じるか」という質問に対して、「多い(6.9%)」、「少しある(44.0%)」を合わせると、全体の約半数が、荷主の荷待ち削減に向けた取り組みを実感していることが判明した。

続いて、荷主の対応で改善してほしい点について質問したところ、1位が「待機場所の確保(63.0%)」、2位が「待ち時間の短縮(60.1%)」と、いずれも6割超と⾼い割合となった。

“選ばれるˮ荷主と、そうでない荷主の差が拡⼤する可能性

「業務改善の要望や仕事を受けないよう相談したのは、どのような内容ですか?」と質問したところ、「荷待ち時間が⻑い(62.6%)」や「付帯作業(荷下ろし・検品・仕分け等)が多すぎる(51.9%)」等の業務改善要望が上位となっている。

さらに、こうした「問題のある荷主について、経営者や配⾞担当に業務改善要望や仕事を受けない等の対策を相談していますか?」という問いには、「数回相談したことがある(38.6%)」と「度々相談している(15.0%)」を合わせると、過半数のドライバーが、⾃社の経営者等に業務改善要望を伝えていることもわかった。

これらの調査結果を受けてHacobuは「深刻化するドライバー不⾜の中で、ドライバーや運送会社に“選ばれるˮ荷主と、そうでない荷主の差が、今後拡⼤していく可能性がある」と指摘。デジタル技術や予約受付システムの導⼊を推進し、運⾏の効率化を図るとともに、ドライバーの負担を軽減する取り組みを加速させることが重要であるとも。

依然として荷待ち時間の長さがドライバーの負担となっている一方、変化の“兆し”もうかがわせた今回の調査。持続可能な物流実現を目指して、荷主企業、物流企業それぞれが取り組みを継続していくことに期待したい。