国内カード会社8社とACSiON、JCCAが共同でフィッシングサイト閉鎖への取り組みを開始
画像出典:JCA「クレジットカード不正利用被害の発生状況」の数値をもとにJCCAにて加工
国内カード会社8社(※1)と株式会社ACSiON(以下、アクシオン)、日本クレジットカード協会(以下、JCCA)は、フィッシングサイトからクレジットカード情報等を詐取される被害を防止することを目的に、2025年4月より共同でフィッシングサイトを閉鎖する取り組みを開始することを発表した。
※1:イオンフィナンシャルサービス株式会社、株式会社NTTドコモ、株式会社クレディセゾン、株式会社ジェーシービー、三井住友カード株式会社、三菱UFJニコス株式会社、ユーシーカード株式会社、楽天カード株式会社
フィッシングサイトの閉鎖依頼を行う
今回フィッシングサイト閉鎖への取り組みを実施するのは国内カード会社8社と業界団体であるJCCA、そしてフィッシングサイトや不正アカウント開設等への対策、本人確認(eKYC)に関するサービスを提供するアクシオン。発表されている具体的な取り組み内容は以下の通りとなる。
◆フィッシングサイトの閉鎖
アクシオンのノウハウを活用し、フィッシングサイトを集中的かつ能動的に検知し、閉鎖依頼(※2)を行うことで、フィッシング被害の抑制を図る。
◆他社フィッシングサイト対象企業等への呼びかけ
フィッシングサイトが多く報告される企業や業界団体に対して、自主的な閉鎖対応の要請や、閉鎖対応に必要なノウハウの提供などを通じ、閉鎖に取り組む環境整備を共同で呼びかける。
※2:ブラウザ提供企業への不正サイト申告、インターネットサービスプロバイダーへの不正利用通報、ドメインレジストラへの無効申請、フィッシング対策協議会への通知
2024年のフィッシング報告件数は前年より約50万件増加
クレジットカード不正利用被害額は2024年で555億円と過去最高額を記録し、そのうち約92.5%を番号盗用による不正利用が占めている(※3)。JACCAのリリースによれば、この背景には、実在のサービスや企業をかたって偽のメールやSMS(携帯電話のショートメッセージ)で偽サイトに誘導し、クレジットカード番号やパスワードなどの情報を盗み取る「フィッシング」の増加があるという。
また、2024年のフィッシング報告件数は約170万件と前年より約50万件増加。フィッシングで悪用されるサービスや企業は、カード会社や金融機関のみならず、ECショッピングサイトや公共インフラ・サービスなどに多様化し、手口も巧妙化している状況だ(※4)。
※3:一般社団法人日本クレジット協会による公表計数に基づく
※4:フィッシング対策協議会による公表計数に基づく
◆フィッシング報告件数推移
出典:フィッシング対策協議会「フィッシングレポート 2024」の数値をもとにJCCAにて加工
※画像元:国内カード会社8社とACSiONと共同でフィッシングサイト閉鎖の取組を開始しました。(日本クレジットカード協会)
JACCAは「多くのカード会社は、自社ブランドをかたったフィッシングサイトを閉鎖する取り組みを行っていますが、クレジットカード番号等はカード会社以外のフィッシングサイトからも詐取されます」と述べる。こうした状況において、JCCAと国内カード会社8社、アクシオンは共同で他社フィッシングサイトの能動的な閉鎖に取り組む環境整備を進めていくとした。
増え続けるクレジットカード不正利用の抑制に向けた新たな動きとして、期待が寄せられそうだ。