大手を中心に7割以上のEC事業者が「決済承認率」改善に意欲 YTGATE調査

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ECのミカタ編集部

【EC事業者実態調査】年商100億円以上の大手企業を中心に約76%のEC事業者が決済承認率の改善に意欲

株式会社YTGATE(以下、YTGATE)は2025年6月17日、EC事業者309名を対象に行った「決済承認率」の認知度に関する調査の結果を公表した。

調査概要

◆調査時期:2025年5月26日~5月27日
◆調査機関:株式会社マクロミル
◆調査方法:インターネット調査
◆調査対象:全国の20~70代のオンライン事業者
◆調査人数:309名
◆引用元:YTGATE「決済承認率の認知度におけるEC事業者実態調査2025」調べ
◆出典:株式会社YTGATE

7割以上がクレジットカード決済承認率にニーズがあると回答

本調査において、「クレジットカード決済承認率(オーソリ承認率)という言葉を認知しているか」を尋ねたところ、37.5%が「言葉を知っており、意味も理解していた」と回答。次いで「言葉は知っていたが、意味は今回初めて理解した」が29.4%と続いた。

「クレジットカード決済承認率(オーソリ承認率)への把握・ニーズについて、あなたのお考えを教えてください(n=268)」については、「非常にニーズがある」「ある程度ニーズがある」をあわせて約8割にのぼり、その需要の高さがうかがえる。

「年商規模別EC事業者における決済承認率向上のニーズ」では、年商「100億円以上」の大手企業が最も好意的な回答を示した。

キャッシュレス化の波は避けられない

「クレジットカード決済承認率(オーソリ承認率)」を把握・改善することが、あなたの会社にとってどの程度重要な課題だと思いますか?(n=268)」については、「非常に重要な課題」が24.6%とトップに。次いで「やや重要な課題」が45.9%、「どちらともいえない」が22.8%と続いた。

現在、勤務先の自社ECサイトの決済に関して、課題に感じていることを自由回答で集めたところ、以下のような回答が寄せられた。

◆「多様な事案によるエラーや、認証遅延などの問題が生じ、クライアントの感情が爆発する局面が、増加傾向にあります」(経営者・役員/男性)

◆「決済承認率に関しては、改善や具体的な取り組みなどをしっかりと把握しながら、今後行っていく必要性を感じる」(技術系/男性)

◆「決済手段が多様化しており、特にキャッシュレス化の波は避けられないため主要取引先に対して提案等を進めている」(経営者・役員/男性)

決済承認率はEC運営の経営指標として認知されつつある

YTGATEはクレジットカードの決済承認率に関して、下記のように現状を考察している。

「2025年3月の『EMV 3Dセキュア』義務化に伴い、認証ステップが増え、決済エラーが発生しやすくなっています。また、不正利用発生時の損失負担は、従来加盟店が負っていたものが、3Dセキュア採用店では原則としてカード会社側へ移行(ライアビリティシフト)しています。これによりカード会社は不正リスクに対して一層慎重となり、わずかな疑わしさがあれば利用枠に余裕があっても『非承認』と判断するケースが増加しました」

またその結果、「EC事業者は『不正対策強化』『承認率向上』『カート放棄(カゴ落ち)防止』といった相互に関連する複雑な課題に直面している」とも。

同社は今回の調査の結果について、「決済承認率はEC運営における“経営指標”として広く認知されつつあり、特に大手事業者を中心に約4割が強い改善意欲を示していることが明らかになった」とまとめた。この結果も参考に、あらためて自社サイトの状況を確認してほしい。