カウシェ、累計資金調達額が約46億円突破 開発強化・経営基盤拡充・人材採用を加速
株式会社カウシェ(以下、カウシェ)はシリーズCラウンドにおいて、デライト・ベンチャーズをリードインベスターとした第三者割当増資を実施。さらに、UPSIDER Capitalおよび日本政策金融公庫からのデットファイナンスによって、累計資金調達額が約46億円に到達したことを発表した。
新しい購買体験の創出を加速
カウシェが提供する買い物アプリ「カウシェ」は2025年5月15日に累計400万ダウンロードを突破。同社では今後さらにサービスを拡張すべく、シリーズCラウンドでの資金調達を実施した。
今回の資金調達によって、AIと人の知見を組み合わせたハイブリッド開発体制の強化を図り、新しい購買体験の創出を加速。また、経営管理体制の強化に加え、人材採用のために「一定期間の就労を条件に退職後も権利保持が可能なストックオプション制度」を継続する方針も示した。
◆ラウンド:シリーズC調達概要
▷累計調達額:約46億円
▷エクイティファイナンス
・三井住友海上キャピタル
・デライト・ベンチャーズ
・AGキャピタル
・ポーラ・オルビスホールディングス
・NOBUNAGAキャピタルビレッジ
・Asu Capital Partners
・New Commerce Ventures
▷デットファイナンス:
・UPSIDER Capital
・日本政策金融公庫
EC市場の新たな需要を喚起する
カウシェは今回の資金調達額発表のリリースにおいて、世界の先進国と比較して低い日本のEC化率について、「裏を返せば日本市場における大きな伸びしろを意味する」という見方を示す。2023年の日本のBtoC-EC市場規模(物販系分野)は約15兆円。日本のEC化率が1%上昇するだけで、約1.5兆円の大きな経済効果が生まれるという試算も紹介した。
※画像参照:お買い物アプリ「カウシェ」、累計資金調達額が約46億円を突破(株式会社カウシェ)
カウシェは、2020年にシェア買いアプリとしてサービスを開始し共同購入型の成長モデルを採用してきたが、2023年以降はシェア買いを廃止し、プロダクトを刷新。現在はAIを活用した発見型ECモデルを通じて、「欲しいものを探す」から「欲しいものに出会う」体験を提供している。
従来の「早さ」や「品揃え」といった効率重視の無機質なECではなく、「新しい生活圏のカタチをつくる」というビジョンのもと、発見や寄り道を楽しめる購買体験をオンライン上で提供することで、EC市場の新たな需要を喚起する方針だ。
プロダクト刷新を経て、EC体験の価値向上を図る
カウシェは今回の調達資金をもとに、今後の開発強化、経営基盤の拡充、および人材採用を加速させる。「生活者が日常的にふと欲しいものに出会う」「楽しくて毎日訪れる」という体験を得ることができるECモデルを通じて、EC体験の価値向上を図り、国内EC市場全体の進化のけん引を目指すとした。
投資家の一角である、デライト・ベンチャーズ マネージング・パートナー 南場智子氏は「400万ダウンロードを超えて新しいフェーズを迎え、買い物体験や生活をさらに豊かなものへとアップデートしていくことを期待しています」とコメント。
シェア買いからの転換を果たした同アプリが、ユーザーにどんな「新しい生活圏のカタチ」を提示していくのか。今後の展開にも注目したい。