約8割が「TikTok Shop」の利用に消極的 ノウンズ調査
ノウンズ株式会社(以下、ノウンズ)は2025年7月25日、「TikTok Shopに関する意識調査」の結果を公表した。
調査概要
◆調査名:「TikTok Shop」に関する意識調査
◆調査期間:2025年7月1日〜7月2日
◆実施主体:ノウンズ株式会社
◆調査対象:全国の一般生活者
◆調査対象者数:999名
◆調査方法:Knowns消費者リサーチを通じたインターネット調査
◆出典:TikTok Shopに関する意識調査レポート(ノウンズ株式会社)
「TikTok Shop」の浸透は限定的
「TikTok Shopというサービスをご存知ですか」と質問したところ、「はい」は18%、「いいえ」は61.1%という結果になった。
2025年6月末のリリースから間もないタイミングであることを考えると自然な結果ではあるものの「まだ浸透は限定的である」とノウンズは分析する。
続いて「TikTok Shopのような『SNSアプリ内で買い物が完結する機能』について、今後利用してみたいと思いますか」と質問。「とても使ってみたい」は6.2%、「少し興味がある」は10.8%となり「あまり利用したいと思わない」「全く利用したいと思わない」が全体の約8割にのぼるという、消極的な傾向が確認された。
ノウンズはこの結果について、「生活者は新しい購買機能に対し、期待よりも慎重な視線を向けている段階であり、今後の利用拡大には、信頼感の醸成や実体験の共有といった、“納得感”を高める仕掛けが求められるといえそうです」とコメントした。
生活に密着したカテゴリに人気が集まる
「TikTok ShopのようにSNSアプリ内で買い物が完結する機能で、購入してみたい商品やサービスはどれですか」と質問したところ、食品・飲料」「ファッション」「美容・スキンケア」など、生活に密着したカテゴリが上位を占めた。
「TikTok、Instagram、YouTubeなどの動画プラットフォームで見たことをきっかけに商品・サービスを『買いたくなる』と感じる投稿の特徴ををすべて選んでください」と質問。「商品の使い方・使用感がリアルに伝わっている」「短時間で要点がまとまっていて、内容がスッと入ってくる」「そのまま商品ページに遷移できて、購入までがスムーズ」「コメント欄での他のユーザーの反応やリアルな声が見られる」が上位に挙がった。
信頼感が購買行動における最重要因子
購買意欲を高めるインフルエンサー像としては「フォローしていて日頃から信頼している人」「専門性の高い人」「実際に使ってレビューする人」が上位に挙がった。“等身大の存在”や“生活に近い存在”への信頼感が、購買行動における最重要因子となっていることが示唆される結果となった。
本調査では、TikTok Shopに対する生活者の反応として、認知や利用意向の水準が現時点では限定的であることが明らかとなった。特に「知っているが使いたいとは思わない」という回答が多く、サービス開始直後という時期的背景に加え、新たな購買スタイルに対する慎重な姿勢が読み取れる。
ノウンズは「TikTok Shopが生活者の日常に自然と浸透していくためには、“確信のなさ”や“不安の余白”にどう応えていけるかがひとつの鍵となるかもしれません」とコメントする。
動画と購買をつなぐ接点の設計が、今後の利用意向や購買行動を左右する鍵となるだろう。