国民生活センター、代金引換サービスの利用に関する注意喚起を実施

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ECのミカタ編集部

代引き配達を利用したインターネット通販のトラブルにご注意

独立行政法人国民生活センター(以下、国民生活センター)は2025年8月20日、代引き配達を利用したインターネット通販のトラブルに関する注意喚起を行った。

2023年4月の注意喚起以降もトラブル多発

「偽物が届くインターネット通販トラブルで代金引換サービスの利用増加」については、2023年4月にも注意喚起が行われている。代引き配達では、消費者は宅配事業者に代金を支払って荷物を受け取るため、事前に代金を支払ったのに商品が届かないといったトラブルは発生しにくい。また、クレジットカード番号などを販売サイトに伝えずに決済できる点も、気軽に利用できるメリットとして挙げられる。

しかし、「届いた商品が広告と異なり、偽物(粗悪品)だった」「返金を求めたいが販売サイトと連絡が取れない」といった相談は依然として多い。代引き配達を請け負った宅配事業者に商品代金の返金や補償を求めることは難しく、販売サイトと連絡が取れないケースでは解決が困難となることが目立つ。

こうした状況を受け、国民生活センターは、代引き配達を利用した通販トラブルの相談事例と問題点を紹介。改めて消費者への注意喚起を行うとともに、同種トラブルの未然防止・拡大防止を目的に業界団体へ要望を行った。

業界全体の問題として取り組みを推進

PIO-NET(※1)におけるインターネット通販の「代引き配達」に関する相談件数の「販売方法に問題があるとされた年度別の件数」とその中で「偽物・連絡不能など」の相談割合および、外国が関係する相談割合を示した図表は以下の通り。

※画像元:代引き配達を利用したインターネット通販のトラブルにご注意(独立行政法人国民生活センター)
※2024年度同期件数(2024年6月30日までのPIO-NET登録分)は1551件

今回の内容を受け国民生活センターは、事業者に向けて以下の要望を行った。

◆代引き配達を行う宅配事業者は、代引き配達の利用審査基準や事前確認を厳格化するなど、偽物等の販売を行う販売サイトや、詐欺的なトラブルが発生する販売サイトが代引き配達を利用できないよう、より一層の改善を図ること。

◆依頼人(荷主)である販売サイトと連絡が取れないなど、消費者トラブルの発生を複数把握した場合には、代引き配達に係る消費者保護を図るため、関係者との連携の強化・情報共有を行い、業界全体の問題としてトラブルの未然防止・拡大防止に資する取り組みを推進すること。


消費者にとって安心・安全な購買環境を生み出すためにも、各事業者による取り組みが重要である。本内容を確認し、対応の検討を行ってほしい。

※1:国民生活センターと全国の消費生活センター等をオンラインネットワークで結び、消費生活に関する相談情報を蓄積しているデータベース。