Stripe、日本市場向けにStripe Terminalの提供開始を発表

最終更新日:

ECのミカタ編集部

Stripe 、年次カンファレンス Stripe Tour Tokyo 2025 でユニファイドコマースを実現する Stripe Terminal の日本市場向け提供を発表

ストライプジャパン株式会社(以下、Stripe)は2025年9月3日、ビジネスリーダーや決済業界の専門家が一堂に介する「Stripe Tour Tokyo 2025」を開催。グローバルの決済トレンドおよび、日本市場に向けた新たなプロダクトを発表した。

各チャネルでシームレス、かつ一貫した顧客体験を実現

Stripeは今回、ユニファイドコマースソリューション「Stripe Terminal」の国内提供開始を発表した。日本は世界で25カ国目の提供市場となる。

同社によると、本サービスの主な特徴は以下の通り。

◆オンライン・店頭決済の統合でデータの壁を解消
プログラマブルなAPIとSDK、統一ダッシュボードを通じ、オンライン決済とオフライン決済の垣根をなくし、事業者がリアルタイムで顧客行動を把握できる環境を提供。効率的な在庫管理や迅速な意思決定を支援し、煩雑な業務や購買機会の損失を防ぐ。

◆高度なカスタマイズ性
POSアプリケーションの構築を支援する設計で、顧客ニーズに合わせた決済フローの高度なカスタマイズが可能。Stripe APIと組み合わせることで、複数チャネルにわたりシームレスかつ一貫した顧客体験を実現する。

◆iPhone のタッチ決済に対応
追加の端末や専用ハードウェアは不要。対応アプリをインストールすればiPhoneだけで非接触決済を導入でき、簡単・安全にプライバシーを守りながら取引を完了できる。

◆PayPayとオンラインおよび店頭決済を連携
2025年4月にオンライン決済へ対応したPayPayが、Stripe Terminalを通じた店頭決済でも利用可能に。

◆Weixin Pay (ウィーチャットペイ) 等の決済手段も順次対応予定
中華圏顧客に広く利用されるQRコード決済「Weixin Pay」にも順次対応を予定。

Stripe Terminal向けデバイスの概要

Stripe TerminalはStripe、または他社製のデバイスを使って、対面決済に対応可能。すべてのリーダーは、エンドツーエンドまたはポイントツーポイント暗号化に対応しており、EMV認証も取得済みである。

一部のリーダーでは、スプラッシュ画面のカスタマイズ、顧客入力の収集、独自のPOSアプリの直接実行もできる。また、カードリーダーとタッチ決済を併用することや、カードリーダーの代わりにタッチ決済を使用することも可能だ。

Stripeが提供する、Stripe Terminal向けデバイスの概要は以下の通り。

◆BBPOS WisePad 3
POS端末とBluetoothペアリング可能なPINパッド搭載のモバイルリーダー。

◆Stripe Reader S700
カスタムPOSに対応するAndroidベースのスマートリーダー。スマートフォンのような直感的な操作が可能なWi-Fi対応モデル。

◆Stripe Reader S710
スリムなデザインはそのままに、携帯電話回線によるモバイルデータ通信が可能なセルラーモデル(順次対応予定)。

※画像元:Stripe、年次カンファレンスStripe Tour Tokyo 2025 で ユニファイドコマースを実現するStripe Terminalの日本市場向け提供を発表(ストライプジャパン株式会社)

その他ビジネスアップデートも発表

「Stripe Tour Tokyo 2025」では、Stripe Terminalの他にもいくつかのビジネスアップデートが発表された。

◆越境支援ソリューションStripe Managed Paymentsの提供開始
マーチャント・オブ・レコード (MoR) 機能であるStripe Managed Paymentsを日本のユーザーも利用できるようになる。世界各国の間接税対応や不正対策、チャージバック(不審請求)管理、フルフィルメントなどを代行し、新規市場に参入するために必要なすべてのソリューションを一元化して提供する。

◆「Stripe Startups」を日本向けに開始
ベンチャー投資を受けた初期段階の企業を支援するプログラムを日本市場に導入。事業開始時の製品利用コストを大幅に軽減する料金クレジットに加え、専門性の高いコミュニティや豊富なリソースへのアクセスを通じて、スタートアップの成長を後押しする。

◆韓国の現地決済の利用が可能に
日本のユーザー企業も、韓国で一般的なウォレットとカードによる決済を受け付けることが可能になった。
▷対象ウォレット:Naver Pay、Samsung Pay、PAYCO
▷対象カード:新韓カード、現代カード、サムスンカードなど、現地発行の全てのカードブランドに対応

国内外に拡大し続ける企業の事業拡大をサポート

ストライプジャパン株式会社 代表取締役の平賀充氏は、本件について次のようにコメントしている。

「デジタル経済は急速に変化しており、昨年の日本Stripeユーザーによる決済総額は前年比40%増となりました。ゲームやデジタルコンテンツ企業など、長く続く円安を逆手に取った国際ビジネスも勢いを見せ、Stripe上で越境ビジネスを対象に行われた決済総額は62%以上増加しました。事業形態も多角化し、昨年日本市場で9000以上の企業がStripe上でサブスク型ビジネスを提供しています。今後も日本のデジタル経済を支え、国内外に拡大し続ける様々な企業の事業拡大をサポートして参ります」

グローバル経済における最先端技術の普及を牽引する存在として、今後の動向にも注目が集まっている。


記者プロフィール

ECのミカタ編集部

ECのミカタ編集部。
素敵なJ-POP流れるオフィスにタイピング音をひたすら響かせる。
日々、EC業界に貢献すべく勉強と努力を惜しまないアツいライターや記者が集う場所。

ECのミカタ編集部 の執筆記事