「AI要約」は入口、4割超が一時情報をWebサイトで確認 グランネット調査
株式会社グランネットは2025年10月24日、「AI検索機能の急速な進展がユーザーの情報収集と購買行動に与える影響」を明らかにするため、Webアンケート調査を実施。その結果を公表した。
調査概要
◆調査名称:検索行動とAIの活用に関するアンケート(AI時代におけるGoogle検索行動と生成AIの活用状況に関する実態調査)
◆調査日:2025年10月1日〜2日
◆調査方法:インターネット調査(Webアンケート形式)
◆調査対象:20代以上の就業者
◆調査人数:500名
◆対象エリア:日本全国
◆調査目的:AI検索が一般ユーザーの検索・購買行動に与える影響を明らかにすること
◆出典:検索行動とAIの活用に関するアンケート(株式会社グランネット)
AIを「一次情報」ではなく「要約・まとめ」として扱う
Google検索結果に表示される「AI Overviews(AIによる概要)」について、「よく確認している」「ときどき確認している」と回答したユーザーは全体の42.1%を占めた。
一方で、36.1%が「知らない/見たことがない」と回答しており、AI Overviewsは徐々に浸透しつつあるものの、現状はまだ限定的な利用段階にある様子がうかがえる。

生成AIによる要約だけで満足する層は5〜7%程度に留まった。ユーザーはAIを「一次情報」ではなく「要約・まとめ」として扱い、詳細な判断をWebサイトに委ねていることが分かった。

生成AIの利用経験者は全体の約4割
生成AIの利用経験者は全体の約4割(38.4%)に達しており、その影響は購買行動にまで及んでいる。
しかし、情報源の不透明さや精度への懸念も根強く、ユーザーは利便性と信頼性のバランスを模索している実態が浮き彫りになった。

購入前提の商品・サービスの比較検討や選定にAIを「利用したことがある」層は52.6%に達し、さらにそのうち61.4%が意思決定に「影響があった」と回答。
自由回答からは「候補の絞り込み」や「効率化・時短」、「判断の自信向上」といったポジティブな影響が多く挙がった。

最終的な判断に信頼できる情報源を求める
生成AIの利用者が感じる懸念・不安については、「情報が古かったり、間違っているかもしれない」(37.0%)、「どの情報をもとに答えているのか分からない」(35.9%)といった情報源の信頼性や精度に関する不安が多数を占めた。
ユーザーはAIの利便性を享受しつつも、最終的な判断にはより信頼できる情報源を求めていることが分かる。

本調査結果について、グランネットは次のようにコメントしている。
「今、企業に求められるのは、従来のキーワード対策に留まらず、AIによる要約・推薦を前提とした『LLMO(※1)』を含む広義の最適化戦略です。AI検索時代においては、検索流入経路が多様化・複雑化しているため、単に順位を追うだけでなく、AIに正しく取り上げられるための本質的な情報設計が集客の中核手段として不可欠となります」
今回の調査によって、AI検索が浸透しつつある中でも、従来のSEOが前提としてきた「信頼性の高いWebサイト」の価値が失われていないことが明らかとなった。
AI検索時代においては、「AIに引用されやすいコンテンツ設計」と「比較検討時に選ばれる信頼性・専門性・独自性」の両立こそが、企業の競争力を左右する鍵となるだろう。
※1:Large Language Model Optimizationの略。AIが情報を理解・引用しやすいようにコンテンツの構造化(FAQや一次情報、独自データの明記)を徹底し、信頼性と専門性を示す施策。


