国民生活センター、「〇〇ペイで返金します」詐欺の注意喚起とサイトの特徴を通達
独立行政法人国民生活センターは2025年11月18日、ネットショッピングにおいて「欠品のため〇〇ペイで返金します」という詐欺に関する注意喚起を発表。同時に、詐欺の恐れのあるサイトの特徴も通達した。
相手に送金や口座の暗証番号流出が発生
国民生活センターが公表した事案は次の通り。
◆〇〇ペイのアプリで手続きしたら相手に送金
探していた商品をインターネットで検索したところ、他のショップより安く売っていたので注文した。「本日中に振り込めば割引する」とあったので、その日のうちに注文確認メールに記載されていた外国人と思われる個人名義の口座に2万円を振り込んだ。翌日ショップからメールが来て、「在庫切れのため返金する。〇〇ペイで返金するのでLINEにこのアカウントを友達登録して」とあったので指定されたアカウントを友達登録した。その後、LINEの無料通話機能で話しながら、指示されたとおりに〇〇ペイのアプリの「送る」ボタンを押した。再び「送る」ボタンを押すよう指示されたが、おかしいと思い確認したところ、2万円を送金したことになっていた。(2025年10月受付 40歳代 男性)
◆銀行口座の暗証番号を相手に知られてしまった
インターネット通販で衣類を購入し、商品代金1万円を銀行振込した。今日、「欠品になったので〇〇ペイで返金する」と言われ、LINEの友達登録をした。その後、LINEの通話で相手から〇〇ペイのコード決済アプリで銀行口座を登録するよう言われ、画面の共有機能を利用して相手に指示されるままに手続きを行った。その後、やり取りの途中で怪しいと思ったので、画面共有を終了したが、途中までの手続きの過程を全て見られているため、相手に銀行口座の暗証番号等の情報を見られている。どうしたらよいか。(2025年9月受付 50歳代 男性)
詐欺の恐れがあるサイトの特徴も通達
国民生活センターは本件を受け、消費者へ次のように注意喚起した。
「インターネット通販で購入した商品代金等の返金の際に、LINEの友達登録や画面共有するよう促されたり、『○○ペイで返金します』と連絡が来たりした場合は、相手の指示には従わず、最寄りの消費生活センターに相談してください。また、画面共有は口座や暗証番号等の情報を知られてしまう可能性があるため、指示されても画面共有はしないようにしましょう」
また、以下のようなサイトは、詐欺サイトである恐れがあるとして、事前にチェックするよう促している。
◆サイト内の日本語が正しく表記されていない。
◆市場では希少なものがこのサイトでは入手可能となっている。
◆価格が通常より安い、大幅に値引きされている。
◆支払方法が銀行振込や電子マネーに限定されている。
◆振込先の銀行口座の名義が個人名である。
◆キャンセル、返品、返金のルールがどこにも記載されていない。
◆サイト上に事業者の名称、住所、電話番号が明確に表記されていない。
EC事業者はこうした詐欺被害が発生している実情を踏まえ、自社サイトの表現や商品ラインアップや価格、支払い方法など信頼できるものになっているか今一度、確認しておきたい。


