中東情勢の緊迫化により「景気ID全業界で悪化」2年6カ月ぶり TDB調査

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ECのミカタ編集部

2026年3月の国内景気は中東情勢の緊迫化で大きく悪化 2年6カ月ぶりにすべての規模・業界・地域がそろって悪化

株式会社帝国データバンク(以下、TDB)は2026年4月3日、2026年3月の国内景気動向を調査・集計し、景気DIとして発表した。

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調査概要

◆調査対象(2万3349社、有効回答企業1万312社、回答率44.2%)
◆調査事項
▷景況感(現在)および先行きに対する見通し
▷経営状況(売り上げ、生産・出荷量、仕入れ単価・販売単価、在庫、設備稼働率、従業員数、時間外労働時間、雇用過不足、設備投資意欲)および金融機関の融資姿勢について
◆調査時期:2026年3月17日~3月31日
◆調査方法:インターネット調査
◆出典:2026年3月の景気動向調査(株式会社帝国データバンク)

原油価格の高騰などにより大幅に下落

2026年3月の景気DIは前月比1.4ポイント減の42.9となり、2カ月ぶりに悪化。国内景気は、緩やかな回復基調をたどっていたが、原油価格の高騰とそれにともなう燃料価格の上昇や先行き不安から、大幅に下落した。

3月は、中東情勢の緊迫化を受けた原油高と供給不安が燃料費や物流費、原材料コストを押し上げ、すべての規模・業界・地域で景況感が悪化した。運輸・倉庫や小売は厳しく、価格転嫁の遅れや人手不足による収益環境の悪化もマイナス要因となった。

TDBは今後の見通しについて「今高まる不確実性のなかで下振れリスクをともないつつ、弱含みで推移するとみられる」と分析している。

2年6カ月ぶりに全10業界で悪化

業界別では2023年9月以来、2年6カ月ぶりに全10業界で悪化した。

◆「運輸・倉庫」(38.5):前月比5.3ポイント減。2カ月ぶりに悪化
▷3年1カ月ぶりに30台に落ち込んだ。トラック業界からは、「中東情勢が起因の原油高騰による燃料コストの増加」(一般貨物自動車運送)といった声が多数寄せられた。さらに、海運では、ペルシャ湾周辺の地政学的な緊張の影響により不安定な運航状況が続いている。

◆「小売」(37.7):同2.5ポイント減。2カ月ぶりに悪化
▷ガソリンスタンドを含む「専門商品小売」(同5.4ポイント減)は大きく落ち込んだ。3月中旬の寒の戻りを受け、「春物の動きが悪い」(婦人・子供服小売)といった声が聞かれる「繊維・繊維製品・服飾品小売」(同2.0ポイント減)は再び下落した。

◆「製造」(40.5):同1.3ポイント減。6カ月ぶりに悪化
▷原油由来の材料の調達難から「化学品製造」(同3.1ポイント減)は2カ月ぶりに下落した。半導体関連は堅調さを維持しつつも「電気機械製造」(同1.9ポイント減)も5カ月ぶりに下向いた。加えて、「飲食料品・飼料製造」(同1.8ポイント減)は、仕入れコストが上昇するなか、価格転嫁が十分にできず2カ月ぶりに落ち込んだ。

◆「サービス」(47.8):同0.8ポイント減。2カ月ぶりに悪化
▷燃料価格の高騰により「電気・ガス・水道・熱供給」(同5.8ポイント減)は大きく落ち込んだ。「教育サービス」(同2.8ポイント減)は、固定費の増加や物価の先高感による教育支出の見直しから2カ月連続で下落。

弱含みで推移すると予測

TDBは今月のトピックスとして、以下の内容をまとめている。

◆原油価格上昇によるコスト負担のほかにも、関連資材の調達難や荷動きの停滞、消費者の生活防衛などを心配する声は多い。

◆エネルギー多消費産業にとどまらず、重油や化学肥料を活用する農林水産業、塗料を使用する建設関係といった分野にも波及している。

◆TDB調査から原油価格の急騰が、企業や家計にとって大きな負担となることが予想されている。


同社は今後の景気について、急激な円安進行や株価の急落、中東情勢や日中関係の不安定化が強まれば、景況感は下振れする可能性が高いと予測している。引き続き最新の情報を注視しつつ、柔軟に対応したい。