国土交通省、宅配の再配達についての検討会の内容を発表

ECのミカタ編集部

宅配の再配達の現状、課題について関係者と認識共有するため検討会が開かれた
再配達に限らずコンビニ受取自体の認知度を上げていきたい
相対的に日本のサービスはレベルが高いが、サービスが過剰化してそれを当然と捉えていないか

宅配の再配達の削減に向けた受取方法の多様化の促進等に関する検討会

国土交通省は、宅配の再配達の現状、課題について、関係者と認識共有するため、宅配事業者(ヤマト運輸、日本郵便)及び通販会社(アマゾンジャパン、楽天)の委員を招集し、2015年6月5日に検討会を開いた。以下は、国土交通省が発表した検討会での発言のまとめを抜粋したもの。

コンビニ受取はコンビニにとって、来店してもらえるというメリットがある。地域サービスの一環として広く使ってほしい。再配達に限らずコンビニ受取自体の認知度を上げていきたい。一方、荷物を管理するためのオペレーションコストが上がってしまうのではないかとの懸念もあり、簡素化も課題のひとつ。今後も各社と協力したい。

宅配ボックスの利用率は、10年前に比べ2倍程度になっている。このまま宅配が伸び続けると、宅配ボックスが足りなくなると実感している。

基本的に配送料は払うべきもの。消費者が配送料を払うか、送料無料なのかで消費者の再配達に関する意識の違いはあるのではないか。また配送の多様化の検討は好ましいことではあるが、高齢化に伴いあくまでも自宅までの配送を中心に考えるべき。

大阪で楽天ロッカーを見かけたが、他の通販会社も共同利用できれば回転率も良くなり、また、消費者にとってはより使いやすくなるのでは。複数の通販会社共通のロッカーについては、すぐに実行することは難しいが将来的には前向きに検討していくべき。商品を買ってもらい消費者に届けるまでのインフラは共有化した方が良いのではないか。

(代引きが非受取の要因となるかについて)悪意のある非受取はそう多くはない。代引きについては、カードを持ちたくない顧客もいるし、サービスは公平にあるべきで、必ずしも否定するものではない。

相対的に日本のサービスはレベルが高いが、サービスが過剰化して消費者がそれを当然と捉えていないか。消費者に宅配をはじめとした物流の重要性について意識してもらうのは、非常に重要なことである。国交省には、国民の意識を変えることにも注力してほしい。

個々の企業でいろいろな取組をしていてそれぞれ重要で面白いと思うが、個々の企業の取組には限界がある。また重複によるムダも発生している。社会全体で共通プラットフォームをどう構築していくかという議論が重要だと思う。

宅配事業者と通販会社、国土交通省が宅配の再配達について検討会を開いたのは、今回が初めてとなる。どれも物流界を発展、守るために重要な意見で、この会の意味は大きい。各社の競争によるサービス向上は確かに大切だが、協力も必要と思わせられた。


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