Amazon、EC各社がなぜ3.11被災地を支援するのか?

ECのミカタ編集部

Amazon「記憶の継承」無料アーカイブ公開

 Amazon.co.jp(以下「Amazon」)は、2011年3月11日から丸5年を迎えるにあたり、東日本大震災に纏わる貴重なアーカイブを「記憶の継承」として、特設ページを開設し、3月10日(木)から無料公開する。「記憶の継承」プロジェクトは、天災や戦争、社会問題にまつわる人々の声など、私たちが忘れてはいけない「記憶」をデジタルアーカイブ化し残していくプロジェクトだ。コンテンツはAmazon上で無料で公開され、誰でも無料でアクセスできる。

 Amazonは、3.11東日本大震災を契機として、「ほしい物リスト」サービスによる避難所等支援、被災地の出品者支援、クラウドによるITインフラ支援を行うとともに、社員有志が被災地でがれき処理などのボランティア活動を行ってきた。「ほしい物リスト」の支援への活用は、これまで災害時に問題とされてきた、支援したいけど何をして良いか分からない、支援品は来たけれど必要な物が不足している、といった問題を解決する画期的な方法となった。
 
 現在Amazonは、数年〜数十年以内に発生すると言われている南海トラフ巨大地震により、甚大な被害が出ると予測されている徳島県との間に「災害発生時における支援に関する協定」も締結している。また、東日本大震災時に限らず、コミュニティ活動の一環として、自然災害による被災者の支援、被災地の復興支援、さらに、被災の支援をしたい企業・団体・法人向けに、ITインフラのサポートも行っている。

EC事業者が復興支援を行う理由

 実は、EC事業者による災害支援というのは、東日本大震災をきっかけに、Amazonだけでなく、さまざまな企業により行われている。たとえばGoogleは、「未来へのキオク」プロジェクトとして、被災地の過去、現在、未来のキオクである写真や動画を集め、それらを共有、閲覧できるサービスを提供する他、ストリートビューを活用して、震災前後の被災地や、徐々に復興が進んでいく様子を記録、更新、公開し、震災の教訓の風化防止に寄与している。

 またYahoo!では、復興支援につながる商品を集めたストアや、2015年3月11日には、「Search for 3.11」と題して「3.11」というキーワードで検索した人1人につき10円を、復興に携わる団体に寄付するというプロジェクトを展開した。この他、大企業のみならず中小企業においても、何らかの支援活動を行っているEC店舗は少なくない。

 そこには、EC市場の拡大にともない、ECが社会のインフラの1つとして存在感を増していること、また支援活動が企業のイメージアップにつながるという側面ももちろんある。だがそもそもEC事業者というのは、確固たる想い、価値観を表現したいという、人間らしい温度を感じさせる企業が多い。そういったエネルギーが、震災のようなことが起こった時に、何か力になりたいと、支援という形になるのではないだろうか。EC市場の成長は、経済への貢献の他に、社会全体をより良い方向へ進める可能性も秘めていると言えるだろう。


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