サイト構築のヒント!訪問属性など分析データ公開(ヴァリューズ調べ)
■キュレーションとは
インターネット上の情報を収集しまとめること。または収集した情報を分類し、つなぎ合わせて新しい価値を持たせて共有することを言う。
今注目のキュレーションサイトの分析
ネット行動分析サービスを提供する株式会社ヴァリューズは、ネット行動ログとユーザー属性情報を用いたマーケティング分析サービス「VALUES eMark+」を使用し、全国のモニター会員の協力によって、2016年1月ネットユーザーがキュレーションメディアに訪問した数を集計・分析した。分析対象となったサイトの選定基準は以下の通りである。
・PC、スマートフォンともに2016年1月月間訪問者数が10万以上のサイトであること
・PCの場合→2015年2月~7月と2015年8月~2016年1月を比較して伸び率が高い上位10サイトであること
・スマートフォンの場合→2015年6月~9月と2015年10月~2016年1月を比較して伸び率が高い上位10サイト(但し、スマートフォンについてアプリは対象外)
この選定基準により選ばれた企業が以下の一覧である。
各サイトの中で最も訪問者数が多かったのはどのサイトだろうか。そして訪問者にはどのような傾向があるのだろうか。
訪問者数の推移
これらのデータは訪問者の推移を表したデータである。まず、PCの訪問者数を見てみると、旅行キュレーションメディアの「RETRIP」が2015年1月時点の訪問者数と比較すると10倍、「TravelBook」は20倍にまで成長していることが分かる。台湾や金沢など国内外の人気スポットやランチ、スイーツといったグルメ情報などのコンテンツが人気のようだ。また、2015年1月時点でアクセスがなかった女性向けまとめサイト「Marble」が2015年4月頃から少しずつアクセス数を伸ばしており、2016年1月時点では「RETRIP」に迫る勢いにまで急伸している。
スマートフォンでも同様に「Marble」が急伸しており、注目すべきキュレーションメディアになっているようだ。まとめると、PCからは旅行サイトと女性向けサイト、スマートフォンからは、女性向けサイトが多く閲覧されていることになり、2016年1月のデータでPCとスマートフォンの訪問者数を比較すると、スマートフォンがPCの倍以上となっており、キュレーションメディアはスマートフォンでより閲覧されていることが分かる。
それぞれのキュレーションサイトに訪問する人物はどのような世代、性別が多いのか。
サイト訪問属性比較
これは、PCとスマートフォン別に、各サイトのユーザー属性を比較したデータだ。まず、データから「スマートフォン」に注目して考察すると、スマートフォンでキュレーションサイトを閲覧するのは女性が多いことがわかる。そして、スマートフォンを利用してキュレーションサイトを見る年代としては若年層が多い。反対にPCからサイトを閲覧している世代の割合は比較的均等と言えそうだ。また、車に特化した「Carcast」(PC)や、ゲームに特化した「GAMY」(スマートフォン)は男性比率が非常に高いことから、男性の嗜好性が読み取れる。
訪問属性については、ユーザーが男性なのか女性なのか、使用デバイスがPCなのかスマートフォンなのかで大きく変わってくることが分かった。
サイト滞在時間比較
ユーザーが各サイトにどのくらい滞在しているのか、各サイト滞在時間を表したデータがこちら。
PCは記憶をくすぐる大人のWebメディア「MiddleEdge」が2番目の女性向け情報のまとめサイト「Jocee」と約2分の差をつけていることがわかる。「MiddleEdge」は他のサイトにない【あの頃ナウ】という機能(自分の年齢にあわせて、その年代の記事が検索できる)があり、この機能が滞在時間を増やしていると考えられる。また、スマートフォンはどのサイトも平均滞在時間が1分以上とPCと比較すると長めであることが特徴的だ。
PCよりもスマートフォンの方が閲覧滞在時間が長いことに関して、スマートフォンの手軽さから、電車の中などですぐにサイトを閲覧できることを考えると納得の結果だ。
サイト構築のカギとは??
今回の調査結果から以下のことがわかった。
・サイトを閲覧する際に各世代均等に使用するデバイスはPC
・サイトを閲覧する際に比較的若年層、そして女性が使用するのはスマートフォン
・全体的にサイトを閲覧する際にはスマートフォンが使用される割合が高い
・PCよりも手軽で身近なスマートフォンの方がユーザーのサイト滞在時間が長い
この結果を踏まえて、ECサイトを作成するときにはターゲットを絞ることも重要になってくることがわかる。ターゲットが女性なのか、世代がシニアなのか。そして、スマートフォンからのサイト閲覧が多いことも考えて、スマートフォンから閲覧しやすいECサイト作りを行うこともサイト集客につながる。今回の結果は、ユーザーから好かれるサイト作りをするための重要な資料となることだろう。
情報過多のネット上において、まとめられたものが求められている事に加え、女性を中心にわざわざ分厚いファッション誌を見るよりも、手元でサクッとキュレーションメディアで情報収集というのも自然だ。ネットで展開されるこれらの新規メディアが人々の興味関心のきっかけとなり、購買行動に繋がる事も考えられるとすれば、今このキュレーションメディアの実態を把握し、自らのECに繋げていくことで、チャンスもつかめるに違いない。