2020年にはスマホ広告規模が7,527億円!?【CyberZ/デジタルインファクト共同調べ】

ECのミカタ編集部

スマホは主なチャネルとして位置づけ!

 株式会社サイバーエージェント(以下、サイバーエージェント)の連結子会社である株式会社CyberZ(以下、CyberZ)は、株式会社シード・プランニング(以下、シード・プランニング)のデジタル領域の市場・サービス調査機関であるデジタルインファクトと共同で、スマートフォン広告市場動向調査を行った。

 本調査では、スマートフォン広告を「検索連動型広告」、「ディスプレイ広告」、「成果報酬型広告」の広告商品に分類し、年間スマートフォン広告出稿額を推計し、市場規模予測を算出している。

 2015年は、スマートフォン端末の利用が世代を問わず幅広く進み、スマートフォンはユーザーの日常において欠かすことのできない情報端末として定着した。また、オンライン上でビジネスを行う幅広い業種の多くの企業にとって、スマートフォンは主なチャネルとして位置づけられるようになった。

 また、ゲームアプリなど急成長を遂げた一部のスマートフォンビジネスの領域は、安定成長期へと移行し、広告主のプロモーションにおけるスマートフォンの位置づけや、利用目的が変わりつつある。そのため、広告主のスマートフォン広告への需要のあり方にも変化が見られ、新しいメディアや広告フォーマット、広告商品への注目が集まった。このような状況のなか、スマートフォン広告市場は順調に成長し、2015年の市場規模は3,717億円、前年比123.6%となった。

スマホの広告商品市場規模は・・・

スマホの広告商品市場規模は・・・

 2015年のスマートフォン広告商品市場規模は、検索連動型広告市場が1,380億円(前年比115.0%)、ディスプレイ広告市場は2,225億円(前年比135.0%)、成果報酬型広告市場が112億円(前年比70.0%)となった。

 検索連動型広告は、スマートフォンユーザーの検索利用の定着による検索クエリ数の増加や、広告配信精度の改善などにより、1検索クエリあたりの広告収入が増加し、順調な成長が見られた。さらに、ディスプレイ広告は、ソーシャルメディア向け広告商品が充実し、動画広告やインフィード広告など、スマートフォンの特性を生かした広告商品が新しい広告主層を開拓し、投資意欲を高めた。これにより、前年に引き続き高水準の成長率となった。一方、スマートフォン広告を出稿する大手広告主のプロモーション目的の変化や、手法の高度化などにより、ディスプレイ広告商品の出稿先媒体や広告フォーマットに対する嗜好の変化が見られた。

 また、動画広告は、スマートフォンにおけるユーザーの動画視聴が定着し、スマートフォンならではの効果的な表現方法が可能な広告商品が数多く台頭し、ソーシャルメディアにおける動画を活用したプロモーションの活性化などにより、2015年は昨年対比272%成長と需要が大きく拡大した。その他の成果報酬型広告に関しては、広告主の事業フェーズ移行による需要動向の変化や、他の広告商品との競合性が高まり、前年に対して顕著な減少が見られた。

 ゲームアプリやEコマースサービス運営者などの広告主は、これまで新規ユーザーの獲得を目的にスマートフォン広告を活用してきたが、新規ユーザーによる需要が一巡した。現在は既存ユーザーといかに関係性を深め、収益を高めていくかということへの関心が高まりつつある。

 さらに、スマートフォン広告技術の伸展により、新しいユーザー導線を確保し、広告主が求めるユーザーとのコミュニケーションが可能となる広告手法も登場した。大手事業者を中心にリエンゲージメントディスプレイ広告商品の提供が開始され、広告主への提案を進めている。これらを背景に、リエンゲージメントディスプレイ広告需要は2016年に急速な市場形成が進み、69億円に達することが予想される。

スマホ広告の2020年の成長率は、2015年の2倍!

スマホ広告の2020年の成長率は、2015年の2倍!

 スマートフォン広告市場の今後成長率は、徐々に緩やかになりながらも二桁成長を維持し、2020年には2015年の約2倍、7,527億円と予想する。スマートフォン広告は、テレビ広告などマスメディア広告のリーチが比較的困難な若年層ユーザーへのリーチを得意とするという認識が定まり、従来のインターネット広告には見られない新しい広告手法や広告表現を用いた商品の登場などにより、主要メディアとしての一定の地位を築いた。

 今後は、位置情報を活用し、オンラインとオフラインを横断したユーザーの消費行動に沿った広告商品の伸びが予測されている。新しい技術を取り入れながら、引き続き新しい広告主層への普及が進み、更なる市場の活性化が期待される。

 スマートフォンの操作中に魅力的な広告を見つけると、クイックをしてしまうことが多いだろう。最近では、前回見たサイトの広告が出やすくなった。もしかしたら、ECサイトで一度は見たが買わなかった商品が広告としてもう一度広告として現れたら買ってしまうかもしれない。スマートフォンの利用が増える一方で、スマートフォン広告市場規模も伸びていく。今回は、前回より123.6%も伸びたことから今後も伸びは進んでいくことだろう。


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