人が真に感動する時、再生300万回突破のワコール動画

ECのミカタ編集部

ぬいぐるみと話す少女。はにかみながらも楽しそうな表情。会話の最後にぬいぐるみからある「秘密」が告白される……株式会社ワコールが2016年3月15日(火)より公開しているこのWEB動画が、再生回数300万回を超え、多くの人々にシェアされている。動画というのは、新たなプロモーション方法として注目を集めているが、話題を集める動画には共通する傾向があるようだ。

大人になる少女へのメッセージ「Her True Stories」

 このワコールの動画は、10歳前後の女の子が抱える思春期ならではの不安や戸惑いに対し、母娘のより深いコミュニケーションで絆を深める関係を築いてほしいという思いから、ワコールが展開している活動の一環だ。

 動画の主人公である少女は、思春期ならではの母親にもなかなか打ち明けられない悩みを、ぬいぐるみを相手に喋っていく。しかし実はこのぬいぐるみは……動画の最後の、母娘の晴れやかな表情には、うるっとさせられる。同年代の少女やその母親世代はもちろん、かつて同じような悩みを抱えていた女性にとっても、心に響く内容となっている。

話題を集める動画、共通する傾向とは?

 動画と言えば先日、アマゾンジャパンが公開した犬のCM・動画も大きな注目を集めた(http://bit.ly/1WEJhkw)。ワコールの動画も、アマゾンのCMも、大きくくくってしまえば「感動系」と言える。だが、世の中に感動を狙った動画は数多くある。その中でも、話題になる動画とそうでない動画があるのはなぜだろうか。

 人が心を動かされるとき、その対象に「作った感」が見えるとしらけてしまわないだろうか。プロモーションを目的とした動画は、どうしても作ったものではあるのだが、それをどこまで感じさせないかが、話題となる動画の鍵ではないかと思う。ワコールの動画の場合は、企画自体はワコールが作ったものであるが、そこで交わされる会話は、やらせのない本物だ。だからこそ、大きな共感、感動を呼ぶのではないかと感じる。

 さらに進んで考えると、EC店舗が何らかのプロモーションを行う時、やはり最終的には「売るため」のものなのだが、そこにどこまで本物を感じさせるかが、重要になってくると思う。プロモーションの技術である程度の数字を出すこともできるかもしれないが、人の心を動かすためには「本物」が必要だ。本物があって、その上で見せ方によって最大限の効果を発揮することができる。

 これはおそらく、感動以外、たとえば驚きや喜びなどでも同様で、特にインターネットという場では、簡単に作り物が存在できるからこそ、本物から感じるインパクトは大きいと思う。作れる物をあえて本物でやる、といった動画なども、注目を集めやすいようだ。自分たちの「本物」は何か、EC店舗にはぜひそれを大切にしてもらいたい。


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