楽天、ふるさと納税へのポイント付与禁止の無効確認を求める訴訟を提起

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ECのミカタ編集部

ふるさと納税へのポイント付与を禁止する総務省告示の無効確認を求める訴訟の提起について

楽天グループ株式会社は2025年7月10日、ふるさと納税へのポイント付与を禁止する総務省告示(以下、本告示)(※1)の無効確認を求める行政訴訟等を、東京地方裁判所に提起した。

ポイント付与の一律全面禁止は「過剰な規制」と主張

以下、楽天の発表をもとに、本訴訟における楽天の主張の一部を紹介する。

●総務省の本告示は、実質的にポータルサイト事業者のふるさと納税寄付者へのポイント付与を一律禁止するものである。
●ポイント付与競争の過熱化が理由とされるが、付与率の上限設定などで十分であり、一律に全面禁止する必要はない。
●クレジットカード決済時のポイント付与は認められており、ポータルサイトによるポイント付与を一律に全面禁止とするのは過剰な規制。
●本告示は、ふるさと納税ポータルサイトの運営方法の再構築を迫るもので、憲法22条1項が定める営業の自由に由来する事業者の運営方法を過剰に規制するもの。
●国会でポイント付与規制の是非や方法、内容について議論がされず、法令による具体的根拠がないまま本告示が定められた


以上のことから楽天は、「本告示のポイント付与規制にかかる部分は、ポータルサイト事業者へ過剰な規制を課すものであり、地方税法の委任の範囲を超えてポータルサイト事業者へ過剰な規制を課すもので、総務大臣の裁量権の範囲を逸脱し、またはこれを濫用したものであって違法であることから、無効である」と主張している。

告示が無効であることの確認を求める

2024年6月28日、総務省は自治体に対して、ポイント付与を行うポータルサイトを通じてふるさと納税の寄附募集を行ってはならないとする告示改正を行った。

楽天はこれに対し、「実質的に、ふるさと納税のポータルサイト事業者に対して、ポイント付与を一律に全面禁止するという規制を課すもの」であると主張している。

同社は、本告示が定めるポイント付与の全面禁止について、ふるさと納税制度の普及に向けた民間企業と自治体との協力・連携体制や、これまでの努力・工夫を否定するものであるとしている。また、本告示はポータルサイト事業者に対して過剰な規制を課すものであり、ふるさと納税の根拠法である地方税法の委任の範囲を逸脱した、総務大臣の裁量権の範囲を逸脱、濫用にあたる違法な措置であると判断。こうした内容を踏まえ、本告示の無効確認を求める訴訟を提起するに至ったとしている。

なお、楽天は2024年6月28日より、本告示に対する反対署名活動を開始し、2025年3月18日には、集まった295万2819件(2025年3月16日時点)の署名を、同社代表取締役会長兼社長の三木谷浩史氏より内閣総理大臣に提出している。

7月10日に開催された本件に関する記者会見の模様は、後日あらためてお伝えする。

※1:令和6年総務省告示第203号