「定期購入」の契約に関する相談が全国的に多発 消費者庁発表

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ECのミカタ編集部

PIO-NETデータを用いた消費生活相談の地域傾向分析

消費者庁 新未来創造戦略本部は、消費者被害の未然防止・拡大防止に資することを目的として、全国消費生活情報ネットワークシステム(PIO-NET)に登録された相談情報をもとに、そこに記録された契約当事者の居住地域別及び年齢層別の傾向分析を実施した。

調査概要

◆契約当事者の年齢層別の分析結果について
全国の消費生活センター等及び国民生活センターが令和6年4月から6月までの3カ月間に受け付け、令和7年(2025年)2月28日までに全国消費生活情報ネットワークシステム(PIO-NET)へ登録された消費生活相談情報についての分析結果(契約当事者の年齢及び居住地域が不明であるものを除く)
▷対象相談件数(契約当事者年齢層別)
19歳以下:4952件/20~39歳:3万8015件/40~64歳7万8188件/65歳以上:7万3997件

◆SNSに関する相談についての分析結果について
上記と同時期に受け付け、登録された消費生活相談情報のうち、内容等キーワードに「SNS」が登録されている消費生活相談情報についての分析結果(契約当事者の居住地域が不明であるものを除く)
▷対象相談件数(契約当事者年齢層別)
19歳以下:731件/20~39歳:5492件/40~64歳:9427件/65歳以上3656件/年齢不明789件

年代別で異なる相談内容

PIO-NETデータを用いた消費生活相談の年齢層別分析結果について、それぞれの概要は以下の通りとなる。

◆19歳以下
全国的にオンラインゲームへの課金による高額請求に関するものや、アプリを通じた決済や解約方法に関するものが多くみられた。

◆20~39歳
全国的に動画サイトやSNSの広告をきっかけとした契約に関する相談が多くみられた。個別の商品・サービスとしては、副業や商品の購入に関して、解約や返金の手続きに関する相談が多く、季節的な要因として、賃貸住宅入居後の修繕に関する相談も確認された。

◆40~64歳
定期購入と判明したため解約を求めるが、電話での解約方法がわからないといった相談が多数寄せられた。他にも、通販サイトで意図しない商品購入への対処方法、キャンセルに関する相談、修理に関するトラブルについての相談も全国的に多くみられた。

◆65歳以上
全国的に自宅固定電話への不審な電話、住宅の工事、ネット通販の定期購入に関するものが多くみられた。

「定期購入」に関する相談が多数寄せられる

SNS に関する相談の分析結果は、以下の通りとなる。

※画像元:PIO-NETデータを用いた消費生活相談の地域傾向分析(2025年7月公表)(消費者庁)

SNS広告から遷移した通販サイトで、意図しない定期購入(特に美容クリームやサプリ)の契約に関する相談が全国的に多くみられた。

SNS広告を通した相談事例としては、以下の内容が紹介されている。

「SNSの広告で『初回だけ』『定期縛りなし』と表示されていたお試し価格の美容クリームを注文したところ、定期購入だった。解約したいが電話が繋がらず、メッセージアプリで解約を依頼したが、『届いている商品については返品・解約できない』と返信があり、不満だ」

各年代別においても、類似した内容が報告されている。消費者被害の未然防止・拡大防止へ向けた取り組みを進めるためにも、各事業者としても本調査内容を確認したいところだ。