約9割の消費者が「Webやアプリ上に広告が多すぎると感じる」 Rokt調査
Roktは2025年7月25日、広告主および一般生活者を対象に「デジタル広告に関する意識調査」を実施し、調査結果をまとめたレポート「デジタル広告の実態とデジタルリテールメディアの可能性」を発表した。
調査概要
◆調査名称:デジタル広告とリテールメディアに関する意識調査(2025年)
◆調査委託先:株式会社マクロミル
◆調査方法:インターネット調査(インターネットリサーチ)
◆調査対象:広告主(デジタル広告責任者及び担当者)、一般生活者
◆回答者数・割付方法:広告主400名/一般生活者1000名
◆調査期間:2025年7月7日~7月9日
◆実施主体:Rokt合同会
◆出典:デジタル広告の実態とデジタルリテールメディアの可能性(Rokt合同会)
表示される“場所”がブランドへの信頼感を左右
オファーがどこに掲載されるかという「掲載面の信頼性」について調査したところ、広告主の76.0%が「不適切な媒体や文脈に広告が表示されることに強い懸念を抱いている」、72.4%が「広告が本当に人間に届いているか不安」と回答した。
一方、生活者の85.0%が「信頼できないWebサイト上の広告を見かけたとき、その広告主に対して悪印象を抱く」と回答。表示される“場所”そのものが、ブランドへの信頼感を左右していることが明らかになった。
広告は生活者にとって「ストレス」や「不快」の原因に
現在、CookieやIDFAなど個人情報取得の制限強化により、広告のターゲティング精度は急速に低下している。
こうした状況を背景に、広告主の70.8%が「ROASやCPAなどの広告効果が落ちてきている」と感じており、69.9%は「不適切なターゲティングが、ブランド印象に悪影響を及ぼしている」と回答した。
生活者の82.3%は「なぜこの広告が自分に表示されるのか分からない」と回答し、79.2%が「無関係な広告に不快感を抱いた経験がある」と答えている。
広告の氾濫により、広告は生活者にとってストレスや不快の原因となりつつある。実際、生活者の87.9%が「Webサイトやアプリ上で、広告が多すぎると感じた経験がある」と回答。さらに81.0%は「広告が行動を妨げたことで、その広告主に悪印象を抱いたことがある」と回答している。
一方、広告主の74.0%も「広告疲れの進行により、CTRやCVRなど全体の効果が落ちてきている」と実感しており、75.8%が「自社広告がユーザー体験を損ねている懸念がある」と答えている。
リテールメディアが高い評価を獲得
前述したデジタル広告が直面する課題の解決策として、本調査ではリテールメディアが高い評価を獲得した。
◆信頼できるECサイト内で表示される広告は外部ネットワークに依存せず、広告主の73.9%が「安心して出稿できる」と回答。
◆Cookieレス環境においても、ECサイトのデータを活用した精度の高いターゲティングが可能。80.3%の広告主が肯定的に評価している。
◆79.1%の広告主が「購買行動中に表示される広告は好意的に受け止められる」と回答。商品を探しているタイミングで表示される広告は、情報として自然に受け入れられやすいことが明らかに。
本調査では近年加速するブランド毀損リスク、ターゲティングの精度低下、広告のノイズ化などデジタル広告を取り巻く本質的な課題に対し、広告主と生活者の双方の課題・懸念を明らかにした。その上で、解決策としてリテールメディアがどのような価値を提供できるかを検証したものとなる。
デジタル広告への課題の解決に、ぜひ本調査の結果を活用したい。