消費者が最も面倒に感じる作業「会員登録」が5割超 あるるモール調査

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ECのミカタ編集部

53.5%が「会員登録」を最も面倒と回答。UX最大のハードルは“入力作業”入口でありながら最大の離脱要因に。ECモールあるるが実態調査を公表

株式会社システムリサーチが運営している「創作品モールあるる」は2025年10月29日、「デジタル接点(アプリダウンロード/会員登録/LINE友だち追加)」に関する調査結果を公表した。

調査概要

◆調査対象:20代~60代の男女
◆調査期間:2025年10月22日
◆調査機関:クラウドソーシングサイト
◆調査方法:各質問項目の回答割合を算出
◆有効回答数:200名
◆出典:創作品モールあるる
◆調査データ:デジタル接点(アプリDL・会員登録・LINE友だち追加)のハードルに関する調査(株式会社システムリサーチ)

半数以上が「会員登録」を面倒と回答

EC利用者に、デジタル接点について「最も『ハードルが高い』『面倒』と感じるものは?」と質問したところ、半数以上が会員登録を「最も面倒」と回答した。

その理由について、最も多い理由は「個人情報の入力が面倒」で32.6%を占めた。次いで「通知や広告が煩わしい(19.9%)」「結局使わなくなりそう(18.9%)」が挙がっている。入力負担と利用継続性の不安が、大きな心理的障壁になっていることが明らかとなった。

最も魅力的な特典は「割引クーポン・ポイント付与」

過去3カ月以内に実際に行った行動をヒアリングしたところ、アプリダウンロード(24.9%)が最多となった。一方で「特に何もしていない」と回答した層も22.1%存在。デジタル接点そのものを避けるユーザー層が一定数いることも分かった。

会員登録(19.6%)、LINE友だち追加(14.2%)など、「面倒だ」と感じながら実行している人も少なくない。このことから「面倒だけど必要ならやる」という実態がうかがえる。

「『やってもいい』と思える特典として最も魅力的なものは?」と質問したところ、半数以上が「割引クーポン・ポイント付与」と回答した。

一方で「特典がなくても必要ならやる」と回答した人は21%も存在している。施策設計では「必要性の提示」と「金銭的メリット」の両輪が重要なことがうかがえる。

すぐに「退会・解約」できる安心感が求められる

「ハードルが下がると感じる『機能・利便性』は?」については、「すぐに退会・解約できる安心感(39.1%)」が最多となった。次いで「特典利用のわかりやすさ(28.1%)」「通知頻度を選べる(17.8%)」が続き、透明性とコントロール感が消費者行動を後押しすることが明らかとなった。

本調査結果について、あるるモールは「特典やUX改善を通じて“嫌だけど仕方なくやる”から“自然に受け入れられる”へ変換できるかが、今後のマーケティング課題だと考えています」とコメントしている。

会員登録は企業にとって顧客接点の基盤であるが、ユーザーにとっては最大の心理的負担となる。会員登録の増加や、貴族の会員の離脱の防止策を検討中の事業者は、ぜひ本調査結果を参考にしたい。