BtoB EC特集

~ 時代遅れと言われないために ~
メーカーや問屋では未だにメールや電話、FAXなど利用した受発注業務が少なくありません。
しかし、複雑なBtoB取引は徐々にインターネットを通じた、手軽な受発注処理へと変化しています。実は、BtoB企業の成長においても、いかに受発注処理のインターネット化、つまりEC化できるかが鍵を握っているのです。
ここでは、BtoB ECに関する基本知識から実際の成功事例など、BtoB ECに取り組むうえで、役立つ情報をまとめました。ぜひ、参考にしてみてください。

  • Amazonも参入するBtoB EC
    BtoBの市場規模はBtoCの約20倍
    皆さんがお馴染みだと思われる日本のBtoC ECの市場規模は、経済産業省の最新の発表では、16.5兆円でEC化率は5.79%で、世界で4番目にランクインしており、インターネットで買い物をすることはもはや当たり前になっています。

    その一方で、BtoB ECの市場規模は317.2兆円でEC化率は29.6%です。BtoC ECに比べると非常に高い数値ではありますが、これには特定の企業間でのみ利用できる専用システム(EDI(Electronic Data Interchange))を使った大口の取引が含まれています。

    つまり、このEDIを含んだとしても3割にも満たないことを考えると、ECに置き換えられる余裕がまだあります。この領域を狙ってBtoB取引専用のECサイトを構築する動きは各所で進んでいるのです。

    BtoC ECが普及したように、便利なものは普及するものです。例えばAmazonは、業務用商材を法人向けに販売する「Amazon Business」を始めました。このジャンルにおいては、オフィス用品販売の「アスクル」や、工具通販の「MonotaRO」などが有名ですが、この領域にアマゾンが進出したことからも、その注目度の高さがうかがい知れます。

    かつては大規模なシステムや費用が必要でしたが、最近ではBtoB ECを構築するシステムもクラウド型のサービスが登場し、より参入しやすい環境になっています。

    BtoB ECはBtoB特有の商習慣にも対応
    ECといえば小売事業者の販路拡大というイメージが強いのですが、BtoBの視点においては、既存取引先との受発注を効率化する手段として活用されています。消費者がECサイトで商品を購入するように、メーカーから問屋、あるいは、問屋とEC事業者といったように、BtoC ECと同様の取引を行っています。

    現在、中小企業との取引の多くはまだまだFAXでの受発注が基本になっていますが、受注したデータを別のシステムに手入力したり、在庫確認をFAXで何度もやり取りするなど、その多く業務はECサイトに置き換えられるものばかりなのです。

    ただし、BtoBの場合は営業担当者がついたり、取引先ごとに異なる販売価格があったりと特有の商習慣があるのも事実です。しかし、そういった特有の設定などもシステムで簡単に設定することができるのです。

    BtoB特有の商習慣
    1、価格の管理
    価格の管理
    BtoBでは、同じ商品でも取引の実績や条件によって、販売価格が異なります。同じ商品であっても、取引先でない方には通常価格、通常の取引先には通常価格の7割の卸価格、お得意様へは通常価格の5割の卸価格で販売するといったようなケースがあります。また、取引先別だけでなく、商品別でも掛け率、「○個以上から購入可能」、セール価格などによって、価格は変わってきます。こういった複雑な価格管理も、システムで簡単に管理することがでいます。

    2、販路の管理
    販路の管理
    BtoCとは違い、BtoBではだれにでも商品を販売できるわけではありません。BtoB取引では卸価格の出し分けはもちろん、商品自体を特定の取引先にしか公開しない場合などもあります。商品の公開範囲を取引先毎に柔軟に設定できるのもECの良いところです。

    3、決済の管理
    決済の管理
    取引実績の少ない新規顧客には銀行振込による前払い・代引き・未回収リスクのない外部決済サービスなどで決済を行なってもらい、取引実績のある既存客には売掛で受注する、といった取引先ごとに支払い方法も異なります。こうした設定も簡単にできるるため、管理も簡単です。

    BtoB企業の成長の鍵はEC化
    技術の進化や働き方改革なども手伝い、電話やFAXなどの受発注業務はインターネットを通したものに置き換わり、効率化が進むでしょう。

    受発注書の山に追われ、整理できない仕事環境からは、脱却しなければなりません。またインターネットを介した取引きであれば、その取引きは自体にデータ化されて、蓄積されます。そのデータを活用することで、今後の営業戦略に繋げていくことも可能です。EC化が進むことは、時代の必然であるように思います。